2011年4月

以下は、福島県相馬市長の立谷秀清氏のメルマガを引用した記事です。
少々長文になりますが、感動した記事ですので...

「被災から40日たって巨大津波の相馬市の被害の全容が明らかになってきた。
まず、床上浸水以上、つまり津波による流水の前に住人が生命の危機に曝さ
れた家屋が1512世帯、住民基本台帳での人口は、前回から修正して5249人だ
った。その中で、今日の段階で死者および行方不明者の合計は475人。
津波襲来の時にこのうちの何人が被災地にいたのかは不明だが、現段階で
死亡者の数が一割を切っていることには、驚きと感謝の気持ちを禁じえない。
原型をとどめた家屋がほとんどない程の大津波から、9割の住民を避難させた
のは地元の消防団員たちだった。しかし、その犠牲者数は前回のメルマガ時
から3人増えて10人となった。

 磯部地区の方々が集団で避難生活をしている「はまなす館」で、殉職された
消防団員のお母上とお会いして首を垂れた。息子を亡くした心中を察するに、
私は何と申し上げたら良いか?お詫びしたい自分の気持ちをどのようにお伝え
すべきか?迷いながら視線を上げた私の前で、背筋を凛と伸ばした彼女は気丈
だった。

「止めたのに、仕事だからと言って避難誘導に向かった。やさしくて良い息子
だった。残した子どもたちのためにも私はしっかり生きなくてはならない」

 殉職した消防団員10人の子供の数は11名、うち18歳未満は9名である。
社会人として自立する前の子供たちを残して、死んでいった彼らの気持ちを思うと
胸が苦しくなる。さぞや無念、心残りだったろう。多くの市民を助けた代償とし
ても、余りにも重く、辛い。相馬市が続く限り、市民は彼らを忘れてはならない。

 我われ残された者たちが、父親の無念の代わりを果たすことなど、とても
出来ないことだが、万分の一でもの償いと思い、生活支援金条例を作ることと
した。遺児たちが18歳になるまで月々3万円を支給するものである。
全くの孤児となった、あるいは片親だけを合わせ、今回の災害で親を亡くした
18歳未満孤児または遺児は、全部で44人にのぼる。この子らが成長するまでの
経済的負担の一部を、市の責任で担っていくことを市民の総意で決めようと
考えている。今月の臨時議会にかけ議決を得しだい支給することとしたい。

 財源は、遺児たちのための義援金の基金口座を作ったので、出来れば
世界中からの善意をいただきたいと思っているが、不足する場合は市の
一般財源で対応する。総額は約2億円。もしも、義捐金がこれを突破する
ことがあれば、次には大学進学のための奨学金などに充てていきたい。
その際は条例を改正することになるが、もうひとつの条件は、孤児らに、
将来強く生きていくための学力をつけさせることである。

 相馬市の小・中学校は4月18日に遅れた新学期を迎えたが、心配した
とおり被災地の子どもたちは、心の傷が学習の障害になっている。我われは、
臨床心理士と保健師ら常勤6人体制による「相馬フォロアーチーム」を結成し、
教育委員会の別働隊として被災児童生徒のサポート体制を敷いた。現段階で
2年は継続することとしているが、仮に精神が安定した後もしばらくは、
学力向上のためにきめ細かな指導を続けてもらいたいと思っている。

 先日、私のメルマガを読んだというフィンランドと英国のテレビ局が取材に
来たので、「貴国の友情をこの子らに!」と呼びかけた。ゆえに相馬市の
ホームページの義援金口座ワッペンは英語バージョンも用意した。拙稿の
読者諸兄にもご賛同いただけるよう、平身低頭。

※相馬市ホームページ
「震災孤児及び被災者就学資金義援金を受け付けています」
http://www.city.soma.fukushima.jp/0311_jishin/gienkin/tunami_orphan_J.html

出典:相馬市長立谷秀清メールマガジン
  (発行 福島県相馬市 企画政策部秘書課)

福島県相馬市長
立谷秀清」

原発や被災者への後手後手の政府の対応と違って、未来ある子どもたちへの
心からの支援であり、大人として責任をもってしなければならない決意が
よく感じられ、血の通った施策だと思いました。
まだまだ気の遠くなるような復興への道のりだと思いますが、被災された方々への
支援が最優先課題として実行できるよう願うものです。

本市においても、何か出来る事はないか、最近ずっと考えています。

 草津市小児救急医療センターが新年度の4月1日から休診になっている問題です。
 13日に全員の議員に説明がありました。「草津市小児救急医療センター指定告示取消にかかる経緯について」という内容でした。
 原因は、医師の配置ができなかったことによるものですが、市が、更新の指定を決定した時のリスク意識がどうあったのか、ということが私の疑問でした。
 指定の更新については、『小児救急医療センタ-運営委員会』で議論、検証されてきました。H22年度の議事録はHPにもアップされていて、センターの様々な問題、課題もここで見られます。

 当初開設した時の想定の受診者より、約2倍の受診者、草津市以外の他市からの受診者が6割、コンビニ受診の問題、医師の疲弊、看護師等の配置の問題等々...。H23年の4月からは、滋賀医大の小児科の医師が撤退されることが決定されていて、指定の更新については、委員の評価は課題が多いとされてはいましたが、医師の確保が最大の懸念事項であり、運営委員会では更新の是非については答えは出せず、市長預かりとなりました。
 答申が出された昨年の12月から、市が指定を決定するまでの経緯を見ると、医師の確保の見通しが立った、との2月15日の総合病院からの書面で2月24日に指定の告示をしています。

 自治医科大学の医師の派遣については、3月28日の運営委員会でも、氏名の公表はなされませんでした。
市の説明では、氏名を公表するのは、医師の確保の上からリスクを伴う、とのことで公表をされないのを致し方ないと思っていた、とのことです。ですから、書面の上での確認で、あとは、総合病院を信用するしかなかった、と。
 全国で、医師不足の問題があり、特に産婦人科の医師と小児科の医師の不足は、世間的にも周知の事実です。
また、自治医科大学は栃木県であり、震災発生後、関東地方の現地への医師の派遣や診療体制もかなり変化したであろうとの予想、医師の氏名が公開できなくても、情報として市にだけは知らせてくれるように依頼すべきでなかったのか、とか、また、医師会からも、4月からの医師の確保は難しいのでは、といった情報もあり、様々なリスクがあったと思われます。ですから、全くの想定外の事態であったのかどうか... 
 
 ここまで来た今となっては、原因を追究するよりはこれからどうしていくのか、ということが重要な議論であることも重々承知はしています。が、この一例をとって今後の、市の施策を決定するまでのプロセスの在り方として、庁内の議論をどうしていくべきか、が問われるのではないかと思っています。

 市も医師会の協力を得ながら、努力をしていて、幸いに大きな混乱はないと聞いています。。
喫緊に、小児救急医療を必要とする子どもたちが安心して受診できる体制を整え、万が一の事故が起きないようにと願っています。

 結果として、5年間の検証も踏まえながら、小児救急医療センターが再構築されていくものと認識しています。

想定と想定外

 本日、昨日投票が行われた統一地方選の前半戦の結果が出ました。
大方の想定通り、保守層の勝利と民主の後退、そして何より注目されるのが、橋本知事率いる大阪維新の会の大躍進。府議会の過半数獲得、市議会、堺市議会での第一党...。行政と議会との二元代表制の下、是々非々での政策審議、監視の機能が果たされるのかが、危惧されるところですが、今後の大阪の審議の行方を見ていきたいと思います。

 今日で東日本大震災発生から一ヶ月が経過しました。
ようやく仮設住宅がほんの少し設置されましたが、まだほとんどの方々が、避難生活を余儀なくされておられます。様々な問題、課題がある中、最近耳にする外国のメディアの報道内容は、被災された方々への忍耐強さ、秩序正しさや、道路工事の復旧への早さの技術力等々、日本国民への称賛は今尚、変わりません。
が、一方政府に対する評価はかなり低く、たとえば、あるロシアのメディアでは、ロシアであれば5分で決定されるべきことが、日本では数日かかっている、これは官僚災とでも言うべきだという内容の報道がされたとのことを聞き、これだけの非常事態であるにも関わらず、悪しき官僚のご都合主義がまかり通っている、ということに怒りを禁じえないものです。

 本日、本市では、小学校、中学校の入学式が行われました。
希望に溢れる新入生を見ながら、つい被災地でのこどもたちを思ってしまいました。
 あらためて震災の犠牲になった多くの子どもたちのご冥福をお祈りいたします。
 
 4月10日付けの京都新聞の記事に、今回の震災で釜石市の14小中学校の3000人の児童生徒が全員無事だった、とありました。
それは、防災教育に携わってきた大学の先生の協力で、防災のマップ作りをしたり、避難訓練をしたり、と日頃から地震を想定しての訓練、教育を行ってきたとのこと。
 ただ、今回は想定外の状況であった訳で、それでも助かった理由の一つとして、訓練の中で、「想定を信じるな」という教育がなされていたとのことです。
基礎知識として想定の上での避難訓練であったけれど、敢えて想定を信じるな、との教えは、教授曰く、想定に頼れば想定以外の事態に対応できなくなるから、とのことでした。
他にも、まだ2つの要点があり、どれも大事な視点で、しかも、命を救えた教育、ということで感動的な記事でした。

 想定以外の状況の判断ー本市においても、全く違う内容ですが、今、草津市小児救急医療センターの休診、指定取り消しといった想定外のことが起こってしまいました。
情報はFAXで流れてきて、会派の代表者に説明はありましたが、全員への説明は13日の予定です。
この件についてはまた、後日に述べたいと思います。

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