2013年12月

  草津市議会の西垣和美です。
 来週の今頃、あと一週間で元旦です。年内中に済ませてしまわなければいけないことを考えると焦ってしまいます。
 そんな中、昨日今日と、議会改革推進特別委員会が開催されました。
 現在は、議会基本条例の素案づくりに議論を交わしています。たたき台を基に、前もって会派で議論した内容を記入した意見シートを提出して委員会にのぞんでいます。
 委員長の経験は、初めてで、初日、つい自分の意見を主張してしまい、反省からスタートしました。
 以後、なるべく委員の方々の意見を引き出せるよう、活発な議論となるよう意識しています。
 H23年に策定された自治体基本条例の議会の項目を体系立てし、加えてこの2年間で抽出し議論した項目を体系の中に組み込み、その体系に沿ってたたき台が作られました。
 先進地の基本条例も参考にしながら、進めています。昨日、今日と新たに認識したのは、討議、という言葉です。
 討議する議会、という条立てがあり、昨日も、議論との違いを確認し合いました。
 議員間討議、これがいつの間にか議会になくなり、そして今、地方分権時代にあって、再び認識されてきています。
 今読みかけている、竹下譲氏の「地方議会ーその現実と改革の方向」という本に、『議会沈滞の最大の原因は"会議規則"』という大変興味深い文章があります。
 それは、昭和20年代の議会の古い議事録を読んでいると、議員が互いに相手を屈服させようと、議論白熱している様子がわかり、本物の討論をしていた、というくだりがあります。「本物の」という表現がみそです。
 また、イギリスの市議会を傍聴した時の話があり、ある議案で、反対議員と賛成議員はほぼ半数であって、相手を説得しようと弁をふるい、段々と興奮し、激しい論争、いつ果てるともみえない論争となった。ただし、相手の言い分は聞くという各議員の姿勢は変わらず、最終的には2時間ほどで集結し、反対派が相手方の説得に成功し、結局、圧倒的多数で議案が否決された、とのことでした。
 ここで、大事だと感じるのは、古い議事録やイギリスでの傍聴も、どういう議案が審議されているのかが明確にわかる、ということです。
 ですから、住民にとっても理解しやすく、自分たちの代表がどういう活動をしているか、ということがわかりやすい審議であったと想定される、とのことです
 翻って、今の議会の議事録読んでいても、何を審議したのか、わからないことが多い、との評。
 昭和20年代は、それぞれの議会が持ち味を出し、議会らしい審議をしていたと想定され、現在の形になった分岐点が、昭和30年代にあったようです。それは、議会運営がスムースにいくように、会議規則のモデルとなる「標準会議規則」を当時の自治省が作った(想定)とのことです。
 以来、瞬く間に、全国の議会に広がり、「標準会議規則」に定められた議会運営となり、質問の仕方も、発言の仕方も、議論の仕方も、あるいは議案のかけ方、委員会の審議の仕方、採決の仕方もほとんど全ての地方議会で同じになった、とのことです。
 そのことは、できるだけ時間がかからない、そつのない審議の能率を高めていることには間違いないが、議会審議が形式的で面白みのないものになったことを意味する、とのこと。
 議会の閉会日に行う討論も、一般社会では理解できないような奇っ怪な討論になった、とのことです。
 確かに、議会で行っている討論は、変わった形式だなぁと思っていました。通告制ですので、お互いに相手の意見は関係なく、それぞれ、自分の意見を述べ、賛成者、反対者、お互いそっぽを向いた意見を発表していてそれは、「標準会議規則」に縛り付けられているからだと。これは法律でもなんでもなく、その議会独自の、会議規則をつくることができるし、またつくるべきではないか、と主張されています。目的はあくまで、市民にわかりやすいものにすることだとのことです。
 草津市議会でも、委員会は、議論をするようにはなってきています。しかし、討議、についてはどうか、というところです。基本条例の素案の文章では討議し、合意形成する、となっています。
 賛成、反対の意見を表明し、理論的に理由を述べ、説明する、納得させる、という文化は、残念ながら日本の文化は苦手であります。ですから、感情的になりがちで、意見を否定されると、理屈より、感情的なものが先に走り、中味の本質から議論が外れてしまうこともあったり、感情を害しないよう、議論を避けたりしがちだと思います。
 私自身も、討議の力は身についていないと思います。これからの、議会の審議は議員間討議によって、議決にいたるまでの経過を市民のかたに説明していく責任が求められると思います。
 素案が出来るのは、2月末から3月にかけてを想定しています。それまでしっかり、討議していきたいと思います。
 
 
 

12月の議会質問

 草津市議会議員の西垣です。
 12月12日に議会質問が終わりました。
 質問項目は、議会のホームページにもアップされていますが、今回は以下の3項目について質問しました。
 Ⅰ.特別支援教育におけるタブレット端末の選択について
 Ⅱ.男女共同参画の推進拡充について
 Ⅲ.安心安全なまちづくりを~台風18号の検証と今後の災害対策について~

 答弁は?というところですが、まず1項目目のタブレット端末の選択については、前向きに検討する、とのことでした。草津市は、電子黒板を全小中学校に導入し、ICT教育の推進に力を入れています。
本年度においては、タブレット端末を45台モデル的に導入していますが、更なる拡充で来年度に向けてタブレット端末導入のための予算要求をしているところです。
 以前より、発達障がい児の様々な苦手や学ぶ上での困難を支援するツールに、ipadが活用されていることを聞いていましたので、機器を教育委員会に確認したところ、電子黒板と連動しているパソコンタブレットを考えている(ほぼ決定?)とのこと。通常学級の児童生徒には良しとして、個別に支援を要する子どもたちへの機器についても同様とのことで、本当にその選択で良いのかを調査をしました。結果、個々の特性に応じた学習の支援のツールとなるアプリが豊富であることや、様々に組み合わせ可能で、先生にとっても負担が軽い、費用対効果からもipadが適正である、と確信しました。
 大事な税金を使う以上、目的と手法がより一致する方向でなければなりません。それも、教育の環境に関することは、子どもの視点に立ったものであるべきです。
 本来なら、一問一答で積み上げていくほうがより市民の方にもわかりやすい言質を取れるかと思うのですが、今回までは30分以内の時間内ですので、他の項目の質問時間との兼ね合わせで今回は、こちらで一気に理由と結論を述べて、結論だけを求めました。
 結果は、検討します、との答弁。検討します、というのは玉虫色なのですが、内容からは前向きな方向性と受け取れたので、確認しましたら、前向き、とのお答え頂きました。決定した訳ではありませんが、希望を持っています。
 2項目目は、男女共同参画の推進についてです。
 今回の組織編制の改革で、新年度からは、男女共同参画の組織が総合政策部の所管になります。これを機に、新たに男女共同参画の推進の拡充に本腰を入れて頂きたいとの思いで質問しました。女性の人材育成や、エンパワーメントのためのプログラム作りを要望し、これも、前向きな検討、とのご答弁でした。もう一つは、男女共同参画センターの設置についてです。
 草津市は、中心市街地活性化の今後の計画の中に、西友跡地に合同ビルを建設予定しています。いまどき、箱もの建設は中々厳しい時代ですが、市いわく、ファシリティマネジメントの観点からも必要とされているビルとのことで、こんなチャンスはないと思います。
 拠点の整備は、男女共同参画推進条例にも明記されています。これからの女性の時代に向けて、草津市も大きく意識変革をしていく必要があると思います。答弁は、今の時点ではどちらとも言えないという感じでした。これも検討します、とのことですが...。今後も提案していきたいと思っています。
 3項目目は、台風18号の経験から、検証兼ねての質問です。
 小さく4つ、予定していましたが、2つ残してしまいました。最初の2つは、河川の見える化についてと、災害時の情報伝達の一元化についてです。
 河川の見える化は、その前日に伊吹議員が同じ観点の質問され答弁はわかっていましたので、付け加えて、平時から市民の方々が意識できるような見える形にしてほしいと、要望し、2点目の情報の一元化も、県の情報と市の情報を一致させて混乱のないようにしてほしい、と要望しました。
 全体として、どれも「できません」という答弁は無かったのですが、ここからがスタートで、今後もきちんと見ていきたいと思っています。
 次の議会からは、ようやく、質問の時間と答弁の時間が別になりました。このことが決定されるまで、なんと時間がかかったことか~。これからますます、議員の一問一答の力量が問われます。
 日々、努力です。

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