2017年12月

12月議会が終わりました。

 草津市議会議員の西垣和美です。
 12月の議会も、昨日に閉会となりました。これから、あっと言う間に年末となり、お正月を慌しく迎えることになるのでしょうね。
 さて、今回の議会質問は大きくは3項目について質問しました。
1.これからの発達支援センターについて
2.ひきこもり支援の窓口について
3.地域共生社会の実現に向けての取組みについて
です。2番目の「ひきこもり支援の窓口」については、一貫して追っている項目でもあります。大津市にはこの10月にひきこもり専用の窓口が設置されました。草津市も過去の答弁からは、必要性は認識しているものの、まだ実現にはいたってなく、進捗状況の確認のためにも今回質問しました。
 1番目の発達支援センターの質問は、センターが設置されて10年が経過し、設置当初と10年経過した現在とで、課題となっていることを市がしっかり認識をし、これからのあるべきセンターの姿となるために、今すべきことを問いかけました。
 3番目の「地域共生社会の実現に向けて」は、「高齢者・障害者・子どもなど全ての人々が、1人ひとりの暮らしと生きがいを、ともに創り、高め合う社会」と定義されている地域共生社会の実現についてです。縦割りの公的福祉サービスを丸ごとへ、という「丸ごと」ということがキーワードです。
 その実現に向けては、地域で、住民主体の取組みが必要とされます。そのことについて、行政がどんな認識をし、現在の取組みについての確認をしました。
 答弁については、実現にむけて期待が持てそうな内容もありましたが、概ね現状肯定か検討します、とのことで、まだまだ今後もしっかりと見ていかなければと思っています。
 実際の質問と答弁のやりとりについては、以下、1点目の発達支援センターのみ、紹介させて頂きます。
 
1.発達支援センターのあり方について
①設置当初に策定された指針の見直しについて
《質問》設置当初にあたって、19年3月に「発達障害者等支援システムの整備に向けた行動指針」が策定されています。途中には、法律の改正もありましたが、見直し等はなされたのでしょうか。

《答弁》平成19年3月以降、「発達障害者等支援システムの整備に向けた行動指針」について、改定は行っておりませんが、現在、障害福祉計画および障害児福祉計画を策定中でありますことからも、今後、これらとの整合性も含め、「草津市発達障害者等支援システム推進協議会」の意見もお聞きしながら、行動指針の見直しについて検討してまいりたいと考えております。

【再質問】「平成19年3月以降、「発達障害者等支援システムの整備に向けた行動指針」について、改定は行っておりませんが」とのことだが、見直しの必要がなかったのか、そういった機会がなかったのか、どちらか伺う。

【答弁】 システム自身の大きな見直しはなかったと認識しているが、障害福祉計画および障害児福祉計画という大きな計画を策定していくことからも、行動指針の見直しについてもこの機会をとらえて検討してまいりたい。

②関係機関との協議の場について
《質問》その行動指針の策定にあたっては、この計画を具体化するために、庁内の、保健、福祉、教育、労政にかかわる各部門の担当者による「草津市発達支援システム検討会議」を設けて検討を進めている、との過去の答弁があります。誕生から就労までの発達障害の支援については、様々な関係機関の連携や協議が必要です。課題や今後の支援のあり方等について、このような関係部署と協議する場があるのでしょうか?

《答弁》乳幼児期から成人期のライフステージに応じた発達障害の支援を実施するためには、保健、福祉教育、労政等の庁内関係部署と連携することは重要であると認識しております。
「草津市発達支援システム検討会議」は、「発達障害者等支援システムの整備に向けた行動指針」の策定のため設けたもので、現在は、乳幼児期、学齢期、成人期のライフステージごとに担当者が集まる「実務者会議」を開催し、困難ケースの検討や関係部署間の情報共有等を図っているところでございます。

③成人期の発達支援、子ども家庭部の所属について
《質問》支援については、乳幼児期から就労期にいたるまでですが、現在、発達障害のある子どもたちは境界にある子どもたちも含めて、一クラスに6、5%と、実際には10%は在籍しているとも言われています。そのような実態の中で、相談の内容は、必然的に学齢期が多いかと思いますが、今、課題と言われているのが就労の問題です。芸能人のカミングアウトといったテレビの報道等の影響もあり、成人になってから診断される方も多いと聞きます。しかしながら、今の組織下では、発達支援については、子ども家庭部にしかありません。成人期の発達障害の支援については、現状どのようになされているのでしょうか?今後、しっかりと対応していくためには、組織の見直しが必要ではないでしょうか?

《答弁》草津市発達支援センターの成人期における相談状況としまして、平成28年度は18歳以上で53名の発達障害者等に対して相談支援を行っており、学校卒業後に就職することが難しい、仕事が続かない等の相談がございます。ご本人の主訴を適切に把握し、ご本人や家族が障害特性の理解を深め、自分らしい社会生活を見出していけるよう支援を行っております。その中から必要に応じて、商工観光労政課や障害者職業センター、働き暮らし応援センターりらく、障害者福祉センター等の関係機関と連携しながら、相談支援を行っているところでございます。
また、組織の見直しについてでございますが、成人期発達障害の支援体制の充実は重要であると認識しておりますことから、引き続き、関係部局と協議してまいりたいと考えております。

【再質問】市の組織編成の決定プロセスについて。

【答弁(吉本総合政策部長)】まず、各部局から、どういう業務をどういう体制で行うのかについてヒアリングを行います。それを踏まえて、来年度の組織体制、人員配置について協議しながら進めている。

【再質問】関係協議が、実務者のケア会議ではなく、市の組織として、この発達支援をどうやって担っていくのかという市の方向性を決めていく協議の場が必要ではないかと考えるが、いかがか。

【答弁(吉本総合政策部長)】 例えば発達支援の関係につきましても、多世代にわたって様々な関係部が関わってくるため、実務者協議だけではなくて、部長間でも協議をしながら対応しているところである。

④第一期障害児計画の策定にあたって事業者との協議について
《質問》本年は、草津市障害者計画の後期計画の策定と、併せて第5期障害福祉計画・第1期障害児福祉計画の策定時期にあたるものですが、策定にあたって、現状の課題把握のためや今後の目指すべき発達障害児者の支援の施策立案のために関係事業者との協議やヒヤリングはなされたのでしょうか?

《答弁》児福祉計画は、障害児通所支援等の数値目標と具体的な確保策を示す計画ですが、策定にあたっては、国から基本的な指針が示されており、障害者関係団体からのヒアリング等も求められていることから、児童発達支援事業者、放課後等デイサービス事業者等に対して、現状の課題や今後の事業展開を把握するためにアンケート調査を実施し、また一部聞き取り調査も実施しておりまして、障害児福祉計画の作成にいかしてまいりたいと考えております。

⑤福祉の専門職の正規雇用の必要性について
《質問》福祉に関わる専門職は、そのほとんどが嘱託職員となっています。これからも障がい児者の相談や支援体制は将来的にもますます必要になると思います。職員の雇用については、縮小の方向性ではありますが、指定管理の職員の処遇も含めて、今後はあえて、福祉における専門職の正規雇用が必要ではないでしょうか。相談は、政策立案の種の宝庫でもあります。今の形では、雇用の流動により、相談のノウハウや経験の蓄積が出来ないと思います。正規職員は事務分野だけでなく、相談や市民の生の声を聞く場がもっと大事だと思います。コンサルに頼らない市独自の政策立案にもつながるかと思います。今後市にとって、貴重な財産になるのだと思います。複線人事と併せて、今後の採用について、専門職の正規雇用が必要だと思いますが所見を伺います。

《答弁》行政課題の多様化かつ複雑化が進む中、組織力を向上させつつ、質の高い行政サービスを提供していくためには、各分野において専門的なスキルを持った人材を確保することが重要であります。とりわけ福祉分野をはじめとする特定の専門分野におきましては、急速な社会情勢の変化に対応するため、専門資格や高度な知識・経験を有する専門職の採用も必要であると考えており、行政需要の把握に努めつつ、職員定数も考慮したうえで、必要となる職員の採用を計画的に進めているところでございます。
このことから、人材育成基本方針に基づき、福祉分野をはじめとするエキスパート職員を育成する「複線型人事制度」の仕組みづくりに着手し、平成30年度からその運用を進めてまいりたいと考えております。
また、福祉部門における正規職員の採用につきましても、来年度の採用に向けて、社会福祉士や助産師などの有資格者の採用選考を進めているところでございまして、今後も引き続き、専門職の雇用について検討してまいりたいと考えております。

⑥ノーマライゼーションについて、教育委員会との理念共有について
《質問》障害者差別解消法による障害者の合理的配慮や地域共生社会の実現の方向性において、教育現場でのノーマライゼーションについて、教育委員会と発達支援センターとで理念の共有はなされているのでしょうか?

《答弁》全ての人が当たり前のことを当たり前に実現でき、生活や権利などが保障されるように社会環境を整備していこうとするノーマライゼーションの理念は、障害児者への支援やまちづくりの観点として大変重要であると認識しております。
発達支援センターにおいては、障害のある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら共に生きる社会を目指し、各種事業に取り組んでいるところでございますし、一方、教育現場においても、平成28年4月に障害者差別解消法の施行により、合理的配慮が求められるようになったことからも、教育委員会と発達支援センターにおいては、ノーマライゼーションの理念については、共有されているところでございます。

【再質問】当事者を取り巻く地域や周囲の人、同級生、保護者などへはどのように発達障害について周知しているか。

【答弁(中瀬教育部理事)】学校通信、学級通信等で学校の取り組みや考え方などを周知していたり、特別支援学級への出入りについて、ほとんどの学校で自由な出入りを促しており、休み時間に特別支援学級と通常学級の子どもたちが共に遊び、活動するといった取り組みを進める中で周知を進めている。

⑦子育て広場での相談機能について
《質問》保護者の困り感や不安について、もっと気軽に相談できる場所やほっと安心できる場所が必要だと思います。たとえば、来年4月にオープンする南草津駅の西友2階での子育て広場に、週に一回や二回程度の相談ができるような機能を持つことについて要望しますが、所見を伺います。また、地域共生社会の実現のためにも、地域にも発達障害と発達障害者に対する理解促進を進めて、地域での受け皿も必要かと思います。そのための具体的な施策についてお伺いします。

《答弁》(仮称)南草津駅前子育て支援拠点施設に、発達障害などの相談ができるような機能を持つことは必要と考えておりまして、常駐する予定の保育士等への相談の中で、関係機関と連携し、必要に応じて直接相談等、対応してまいりたいと考えております。 
また、地域共生社会の実現に向けては、行政による公的支援に加えて、地域住民や民間事業者、NPO法人等の多様な主体が地域課題を解決するため連携することが必要であると認識しているところでございます。このことから、まずは、発達障害と発達障害者に対する理解を深めることが重要で、その啓発を目的にした講演会を毎年度開催しておりまして、引き続き、地域の受け皿の拡大に努めてまいります。

⑧今後のめざすべき発達支援センターのあり方について
《質問》今後、民間事業者も増えてくると思われます。実際、児童発達の事業所や放課後等ディサービスや保育所等訪問支援の事業所が市内に数カ所あります。民間事業者との連携や役割分担は、今後、発達支援センターとして、草津市の発達障害児者の支援をどのように担っていくのか、にも関わってくるものです。民間事業所との連携についてと、これからの目指すべき発達支援センターのあり方について、お伺いします。

《答弁》障害児福祉計画の基本指針においては、民間事業所との連携については、児童発達支援センターを地域における中核的な支援施設として位置づけ、障害児通所支援等を実施する事業所と密接な連携を図り、重層的な障害児通所支援の体制整備を図ることが必要とされております。こうしたことからも、発達支援センターが中心となり、民間事業者の活用を図りながら、乳幼児期から成人期にかけて切れ目のない更なる支援ができるよう、関係機関とともに取り組んでまいりたいと考えております。

【再質問】実現のために、今どのような課題があるか。

【答弁】 連携が重要と考えている。障害児者への適切な支援のために、情報交換、密な連携で対応していきたい。

【再質問】今目指している発達支援センターの姿の実現のために、職員体制、組織体制、業務の見直などを全般的にしっかりと検討し、発達支援センターが10年、20年後に中核的な組織となるように今からきちんと構築していっていただきたいが、所見を伺う。

【答弁】 現在の発達支援センターは平成19年に先駆的に設置したものと認識しているが、このセンターが今後も障害児者の支援の中心となりながら、なおかつ、民間の力も連携していかなければならないと考えている。社会情勢、その他事業所等との連携をしながら、今後、障害児者をますます支えていけるようにしたいと考えている。

 他の項目については、録画中継を見て頂くか、3ヶ月後位に議会ホームページにアップされる議事録を見て下さい。

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