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平成22年3月8日西村隆行議員代表質問(議事録より)

1.核不拡散条約(NPT)再検討会議使節団派遣費について
2.市長の目指されている子ども達像について
3.高齢者介護について
4.(仮称)未来研究所運営費について
5.脳脊髄液減少症について

◆15番(西村隆行君)
 公明党の西村隆行でございます。最後になりますが、よろしくお願い申し上げます。
 草津市議会公明党を代表いたしまして、今3月定例会に上程されました議案に対する質疑および市長の施政方針を受けて、施策の全般的な課題に対しまして質問をさせていただきます。
 質問を始めさせていただく前に、最近連続して起こりましたハイチ、チリでの大地震災害に対しまして、心からお見舞いを申し上げます。また、世界各国の支援のもと、一日でも早い復興をお祈り申し上げます。
 さて、来年度、市長は施政方針に御説明されたように、まちづくりの基本方向、「『人』が輝くまちへ」、「『安心』が得られるまちへ」、「『心地よさ』が感じられるまちへ」、「『活気』があふれるまちへ」の四つの柱の中から、「教育の充実」と「子育て支援の充実」と「高齢者福祉」の三つの重点テーマを選定されました。
 今回の私の質問は、この三つの重点テーマに沿って質問させていただきますが、最初にどうしても予算執行の意義が感じられない予算について、お聞きします。
 「人」が輝くまちへの主な事務事業の新規事業として、核不拡散条約(NPT)再検討会議使節団派遣費、136万2,000円が計上されています。平成22年度当初予算概要には、次のように説明がされておりました。
 「世界的に核兵器廃絶の機運が高まっています。草津市においても、平和市長会議の加盟都市として、昨年9月から、『草津市平和祈念フォーラム実行委員会』が、核兵器廃絶を求める署名活動を展開しています。この市民の熱い思いを受けとめ、平和市長会議の参加行動と連帯して、5月にニューヨークで開催されます『核不拡散条約(NPT)再検討会議』に草津市の使節団を派遣し、核兵器廃絶の重要性や恒久平和のとうとさを強く訴えます。」とございました。

もとより、世界平和のために核兵器廃絶は絶対に必要であることは、私たちも大きく訴えてまいりました。2月21日付の公明新聞に、「核拡散防止条約(NPT)再検討会議」について、次のような記事が載っておりました。
 それによりますと、20世紀の初頭以降、非戦闘員に対する攻撃禁止など、武力行使の方法を規制する国際人道法が確立し、さらに、種々の非人道的兵器の使用禁止を定めた国際条約も多く成立をしました。例えば、大量破壊兵器である生物・化学兵器は禁止条約があり、通常兵器では、対人地雷やクラスター弾を禁止する条約もできております。しかし、65年前の登場以来、非人道的と非難され続けてきた核兵器を禁止する条約は、いまだに成立しておりません。大気圏内での核爆発実験を禁じた部分的核実験禁止条約や、地域限定で核武装と使用を禁ずる非核地帯条約などがあるだけでございます。
 こうした状況の中、核兵器を抑え込むために、核兵器国をアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5カ国に限定した上で核軍縮を課し、それ以外の国には、原子力の平和利用の権利を認めるかわりに核保有を禁止する体制が、核拡散防止条約(NPT)であります。
 しかし、未加盟国が核開発をし、加盟国でも核疑惑国が存在しております。また、核兵器国の核軍縮も進んでおりません。その一方で、NPTが核拡散阻止に一定の成果を上げてきたことも否定はできません。NPTは、5年ごとの再検討会議で条約の履行状況を監視しております。今年は、その開催年に当たっております。
 2005年の前回会議は、核テロをおそれて核拡散阻止を訴える核兵器国と、核軍縮義務の履行を強く迫る非核保有国が対立したため決裂しております。
 しかし、今回は状況が一変しております。昨年4月にプラハで行われましたオバマ大統領の「核兵器のない世界」演説以降、核兵器国の中でも、核廃絶以外に核テロや偶発的核戦争の危機から逃れる方法はないとの認識が広がっております。昨年5月のNPT再検討会議準備委員会では、議論が前進いたしました。本番の再検討会議の議題も、わずか3日で決定いたしましたし、7月にはアメリカ・ロシア両首脳が大幅な核弾頭削減で合意、9月には国連安保理首脳会合で「核兵器のない世界」決議も採択されました。こうした一連の動きによって、核廃絶が国際政治の現実のテーマになることへの期待が高まっております。
 この潮流を核廃絶への確かな第一歩とするためには、今年5月の再検討会議で、核軍縮を着実に前進させる必要がございます。核兵器国は、1995年の再検討会議で「非核保有国には核兵器を使わない〝消極的安全保障〟を保障」し、2000年の同会議では「核廃絶の明確な約束」をいたしました。これらが、今年の会議でどう扱われるかを世界は注目しております。
 このように、大変重要な会議であることは認識させていただいているわけでございますが、果たして草津市から、この会議に使節団を高額の市税を投じて派遣することにどのような意義があるのでしょうか。
 もとより、このNPTに使節団を派遣しても会議自体に参加できるわけではないのであって、それよりは市民の皆様の熱い思いは広島・長崎に託して、同じ市税を使うなら、この核廃絶の意義を各公民館や各小・中学校で啓発活動をするとか、市内の全世帯にNPTの開催意義や草津市の平和に対する熱き思いを市民の皆様にお伝えできる広報活動を推進して、より多くの市民の皆様に周知する方がより効果的ではないでしょうか。
 昨年実施されました「事業仕分け」、大変話題になりまして、各地より行政視察が絶えないわけでございますが、この「事業仕分け」の観点からも、この「使節団派遣事業」は、果たしてどのような判定が下されるでしょうか。ぜひ、この予算の使い方の再考をお願いするものでありますが、お伺いいたします。
 次に、「人」が輝くまちへの「教育・青少年」への予算と、「安心」が得られるまちへの子ども・子育ての予算と平成21年度補正予算に関連して、市長の目指しておられる子どもたち像についてお伺いします。
 今回上程の予算には、拡大予算として、小学校グラウンド芝生化事業費1,116万6,000円から始まって、新規予算の未整備の市立小学校の音楽教室の冷房化を進める公立小学校冷房化事業費や、拡大予算の小学校校舎等整備費、小学校耐震補強事業費や市立中学校への整備予算や市立幼稚園への整備予算、また、中学校スタートアップナビゲーター配置費等、教育予算が大きく配分されています。
 また、拡大予算の児童育成クラブ施設整備費や、つどいの広場事業費や新規予算の家庭的保育事業費等、きめ細やかな予算配分となっております。
 さらに、平成21年度補正予算で、学校ICT環境整備費や安全・安心な学校づくり交付金事業費等、大きく教育予算を上程いただいておりまして、「草津市子どもが輝く学力向上プラン」の大いなる推進を期待するものであります。
 昨年の12月定例会におきまして、我が公明党の西垣議員から、「就学前教育」について質問がございましたが、その先進地として、先月、市民派クラブさんと一緒に熊本県教育委員会を訪問させていただきまして、幼・保、小・中連携に重きを置いた「肥後っこかがやきプラン」について研修を受けてまいりました。
 このプランは、平成15年に策定されました。当時の県知事の当プラン策定におけるあいさつには、次のようにございました。「熊本県では、すべての人が生活しやすい社会を形づくるというユニバーサルデザインの考え方を県政運営の柱に据え、県総合計画の目標である新世紀に生きる『ひと』が輝くくまもとを目指して、『子どもたちが健やかで豊かに育つ環境づくり』を積極的に推進しております。そこで、このたび就学前の子どもたちが、愛情豊かで思慮深い大人のかかわりによって生まれる安心感あふれる環境の中で、たくましく心豊かに育つことを願って、『肥後っ子かがやきプラン』を策定しました。」と、このように幼稚園や保育所を初めとし、家庭における乳幼児も含めた熊本のすべての就学前の子どもが、「生きる力の基礎」を身につけ、たくましく心豊かに育つ環境づくりを目指し、就学前教育のより一層の充実・振興を図るための総合的なプランとして、当プランを策定されました。
 当プランにより、熊本県教育委員会は、幼児期における教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、義務教育およびその後の教育の基礎を培う上で重要な役割を担っていると考えられ、子どもの生活の連続性および発達や学びの連続性を確保するために、それぞれの学校等の段階に応じて、その役割をしっかりと果たすとともに、各段階間の連携や円滑な接続を求められています。
 よって、就学前教育の振興・充実を図るとともに、人材育成の視点として、基本的生活習慣の定着を初めとして、「人権を大切にする心」、「ふるさと感」、「勤労観・職業観」等を就学前から系統的にはぐくむために、幼・保、小・中連携を推進されてきました。
 説明をしていただいた熊本県教育委員会義務教育課幼児教育係の職員さんは、中学の音楽の教師であり、中学生を教育するに当たり、その子の生活態度は中学生になってからでは培うことが不可能であると感じられていたとのことでした。
 教育委員会に配属されてからは、今回視察させていただいた「肥後っ子かがやきプラン」の重要性を感じられ、幼稚園や保育所を初めとし、家庭における乳幼児も含めた熊本のすべての就学前の子どもが、「生きる力の基礎」を身につけ、たくましく心豊かに育つよう、業務に励んでおられます。
 「三つ子の魂 百まで」とあるように、幼・保の時代の子どもたちにとって「生きる力の基礎」を身につけ、たくましく心豊かに育つ環境づくりが、いかに大事であるかを痛感させられました。
 また、このプラン策定のきっかけは何であったのかを質問したところ、「当時の知事の教育への強い思いがあったことがきっかけであった。」とも伺いました。
 本市においても、本年度の予算配分や施政方針で、教育への市長の強い思いが伝わるものであります。
 施政方針で、市長は作家の司馬遼太郎氏の「21世紀に生きる君たちへ」という著書の中の「自然への素直な態度と頼もしい人格を持ち、自分に厳しく、相手には優しい自己の確立」という言葉を紹介され、私たち大人が、こうした子どもが育つよう環境整備をしなければならないと主張されておられました。では、市長が目指されている草津市の保育園児・幼稚園児・小学生・中学生像は、具体的にはどのような子どもたちでしょうか。
 言うまでもなく、教育は国家100年の計と言われるように、すぐに結果が出るものではありません。が、だから教育こそはビジョンを持って、社会全体で取り組むべきものであると思います。
 本市においては、今後10年間の教育の指針を示す教育振興基本計画が策定されたところでありますが、市長が目指しておられる子どもたち像を育てるためには、今、草津市の教育の現場で何が課題であり、その課題解決のために必要な施策について、長期的視野のもとで御答弁をお願い申し上げます。
 先月24日に、私たち公明党は、昨年11月から12月にかけまして、全国47都道府県で「介護総点検」を実施いたしました。草津市内でも、多くの御意見、御要望をいただくことができました。
 例えば、介護をされている方からは、「介護する側が体調を崩したとき、急なサービスを受けたいときに受け入れてもらえるところがないのが不安です。」とか、「介護だけでなく、その家族全体の状況、例えば介護しながら障害を持つ人を見ながら、家族の病気がある場合とか、総合的に考えていただきたい。」等の御意見、御要望がございました。
 また、介護従事者の方からは、「肉体的にも精神的にも、ハードな仕事の割には社会的地位が低く、収入が低いです。これからますます高齢者が増え、要介護者が増える中で、我々介護職も安心して生活ができ、豊かな生活ができるよう保障してもらいたいと思います。このままでは、賃金が低いため離職する人がもっと増えると思います。」とか、「どのくらいお世話してあげることができるか、できることはやってあげようという考えで、心に余裕を持つことが大事ではないかと思います。その余裕が何げない変化をも感じとることができ、本当の訴えを聞くことができると思います。」等の大変貴重な御意見、御要望がございました。
 このように、草津市を初め全国10万人の国民の生の声をもとに、私たち公明党は「新・介護公明ビジョン」を発表いたしました。
 それは、「高齢者と家族が安心できる介護の実現を目指し、介護保険制度の抜本的な改革に取り組む」ことをもとに、安心して老後を暮らせる社会へ「12の提案」でございます。
 この「12の提案」を御紹介申し上げます。
 2025年までに介護施設待機者を解消するために、介護3施設、すなわち特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設を倍増。特定施設、すなわち有料老人ホーム、ケアハウス、グループホームを3倍増に。在宅介護の支援を強化するために、24時間365日訪問介護サービスの大幅な拡充で、在宅支援の強化を目指す。ただし、介護保険料の上限を設け自己負担額を抑制すべき。また、3年間介護保険を利用しなかった元気な高齢者の介護保険料やサービス利用料の負担を軽減するシステムの導入。介護ボランティアに参加した高齢者には、さらに軽減するシステムを、さらに、家族介護者の休暇・休息を保障する一時的に施設や病院に預かってもらうレスパイトケア事業の拡大など、家族にリフレッシュしてもらうための事業を充実。介護保険制度の利用者負担の見直しのため、低年金・低所得者の負担軽減を進め、グループホーム等の利用を可能に。介護従事者の処遇改善をさらに拡充するために、介護従事者の処遇改善へ。介護職員処遇改善交付金の対象枠を拡大し、介護保険外の公的予算で継続。介護従事者の大幅給与アップなどの処遇改善につながる介護報酬の引き上げを行う。ケアつき高齢者住宅の大幅な拡充のために、さまざまな介護サービスや生活支援サービスをいつでも受けられる高齢者向け優良賃貸住宅や、高齢者専用賃貸住宅の整備充実とともに、公共住宅や空き学校などの活用で、ケアつき高齢者住宅を大幅に拡充。介護事業の抜本的な運営の改善のために、煩雑な事務処理の仕分けを行い、手続の簡素化、要介護認定審査の簡略化で、すぐに使える制度に転換する。また、特養ホームなどの介護施設の介護職員の配置基準を改め、現行の3対1から2対1に。さらに、要介護度を軽減させた介護事業所を介護報酬で評価する制度の導入。介護を支えるために公費負担を大幅に拡充するために、介護保険外の公的予算で介護予防事業をさらに充実。また、公費負担割合を5割から、当面6割に引き上げ、2025年には介護保険の3分の2を公費負担で賄う。
 以上が、「12の提案」でございますが、この提案に基づいて、今回の草津市の当初予算を見てみますと、「安心」が得られるまちへの新規事業として、認知症高齢者等居宅サービス支給限度額上乗せ事業費1,848万5,000円、拡大事業として、地域密着型サービス拠点等施設整備費補助金3億8,435万円、いきいき百歳体操推進費374万7,000円、徘回高齢者探索システム支援費92万円、緊急通報システム支援費638万円等の高齢者福祉予算が計上されていまして、非常に厳しい財政運営を強いられている草津市にとって、相当の努力をしていただいたと評価をさせていただきます。
 この予算は、「草津あんしんいきいきプラン第4期計画」に基づいて組んでいただいていると思いますが、このプランの第6章「重点プラン」の「2.本計画期間において重点的に取り組むべき課題」として、(5)介護保険施設等の適正な整備の推進の説明に、「本市において、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)や介護保険施設への入所待機者は依然として多く、施設サービス等の整備が求められています。現状として、本市では、施設サービスの供給量が比較的少ないこともあり、在宅を中心とする介護保険の理念を踏まえ、在宅で過ごせるようサービスの整備に努めつつも、施設サービスの必要な方が適切なサービスを利用できるよう、介護保険施設等の計画的な整備を進める必要があります。」とありますように、さらなる整備を進めていただきたいと思います。
 そのために、プランの第8章「計画の推進」の「2.計画の進行管理」に、「本計画を着実に推進していくためには、計画の進行管理の体制を構築することが重要となります。そこで、全市的な観点から計画の推進を図るために、『草津あんしんいきいきプラン委員会等』の組織などを活用し、市民や事業者、関係機関、地域、行政などから構成される委員会組織を設置します。また、庁内においても計画推進のための部局間連携の体制を充実します。これらの体制を基盤として、各年度における事業の実施状況、目標達成状況、今後の実施方針等を定期的に整理・検討し、計画の進行状況の点検・評価を行うことで、効果的かつ継続的な計画の推進を図ります。」とございましたが、より具体的に計画の進行管理をどのようにされていかれるのか、お伺いいたします。
 次に、新規事業として、(仮称)草津未来研究所運営費、1,161万4,000円が計上されていますことについて、お聞き申し上げます。
 平成21年3月定例会に計上されました(仮称)未来研究所準備費372万7,000円の説明として、「新しい時代の行政運営を行う自治体として、創造力や政策形成能力、さらには、市民力や地域力の向上を目指すため、将来的な行政課題を研究して、スピード感を持って、タイミングよく解決策を打ち出す必要があります。また、大学との連携を通じた地域人材育成の視点も含めて、地域課題の解決に向け、(仮称)草津未来研究所を立ち上げる準備をします。」とございました。
 また、質疑、一般質問の中で、杉江議員の質問に対する市の答弁には、「これから人材育成も含めまして政策研究に取り組んでまいりますが、大学とも連携をしつつ、従来のコンサルティング業務に委託をしておりますような内容につきましては、でき得る限り庁内的な中の議論をしながら、コンサルティングの支援も一部いただくことはあるかと思いますが、できるだけ内部で自ら考え行動していくような、そういう力をつけてまいりたいというふうに考えております。」と答弁されておられました。
 また、平成22年度から稼働させるのは早過ぎないかとの質問に、「平成22年度からの本格稼働の時期のコスト等についてのお尋ねだと考えておりますが、今回考えております研究所は、財政的負担が少なく、また、市政参画の仕組みとなる市民研究員も導入しやすいという観点から、財団法人や任意団体ではなく、あくまでも行政内部に従来から必要であった政策研究と、それから人材育成に取り組むという観点で、内部組織型の研究所として取り組んでまいりたいと考えております。したがいまして、経費的には、人件費と事務費や人材育成の調査・研究等に係る費用などが主なものになると考えております。」と答弁されておられました。
 よって、平成21年度には草津未来研究所準備室が設置されていたのですが、今回の予算計上を見ますと、いよいよ「未来研究所」として出発されようとしております。
 また、市長の施政方針でも、「県内では初めてとなる本市のシンクタンク機能として期待するところでございまして、地方分権社会や少子・高齢社会などに対応しつつ、『将来的に持続可能なまち 草津』の実現に向けて時代を先取りし、実践的かつ戦略的な政策を展開するため、政策研究と人材育成を目的として設置するものであります。」と説明がありました。
 そこでお聞きします。この1年間で十分準備は整ったのでしょうか。また、職員さんの日常業務の中での「未来研究所準備室と連携して考えました。」とか、「ただいま未来研究所準備室と一緒に検討しておりまして。」のようなことをお聞きしないのですが、職員さんへの周知徹底はこれからになるのでしょうか。また、時には市長の政策への御意見番としての厳しい対応もとられることがあった場合でも、市長として真摯な態度で、その意見を聞かれようと思っておられるのか、伺います。
 最後に、冒頭に御紹介しましたように、市長は「教育の充実」と「子育て支援の充実」と「高齢者福祉」の三つの重点テーマを選定されました。
 今回の私の代表質問は、この三つの重点テーマに沿って質問させていただいておりますが、今、子どもたちに起こっている「脳脊髄液減少症」についてどのように対応されておられるか、お聞きします。
 平成19年5月31日付の文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課からの「学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応について」という事務連絡を御存じでしょうか。
 この事務連絡によりますと、近年、スポーツ外傷等の後に、脳脊髄液が漏れ出し減少することによって、立つことによって増強する頭痛、すなわち起立性頭痛などの頭痛、頚部痛、めまい、倦怠、不眠、記憶障害などのさまざまな症状を呈する「脳脊髄液減少症」と呼ばれる疾患が起こり得るのではないかとの報告が、一部の研究者からなされているそうであります。
 この疾患については、医学的な解明が進められている段階であり、スポーツ外傷等を原因として起きるかどうかも含め、いまだ定まった知見や治療法が確立しておりませんが、専門家の間で科学的な研究が行われているそうでございます。
 各学校やその設置者においては、このような報告がなされていることや、専門家による研究が実施されていることを踏まえ、事故が発生した後、児童・生徒に頭痛やめまい等の症状が見られた場合には、安静を保ちつつ医療機関で受診をさせたり、保護者に連絡して医療機関の受診を促すなどの適切な対応が行われるようお願いされています。
 また、事故後の後遺症として通常の学校生活を送ることに支障が生じているにもかかわらず、周りの人からは単に「怠慢である」等の批判を受け、十分な理解を得られなかったことなどの事例があるとの指摘がされております。
 そのため、各学校においては、必要に応じ、教職員が連携しつつ、個々の児童・生徒等の心身の状態に応じて、学習面を含め学校生活のさまざまな面で適切に配慮されるよう依頼されております。
 この「脳脊髄液減少症」については、2月26日の衆議院予算委員会第4分会で、我が公明党の衆議院議員より、「学校現場での周知をさらに」との質問をしておりまして、文部科学大臣は、「学校関係者、保護者に知らしめる観点で、文部科学省のホームページを変えるよう指示した。」と答弁されておられました。
 また、滋賀県議会も「脳脊髄液減少症の研究、治療等の推進を求める意見書」を国に送っておられます。その中に、この疾患に対する認識が徐々に広がり、この疾患の研究に取り組んでいる医師らによって、新しい診断法や脳脊髄液が漏れていることが確認された場合、漏れている穴をふさぐために、患者さん御本人から採取した血液を硬膜外に注入する治療方法(ブラッドパッチ療法)の有用性が報告されています。さらに、滋賀県のホームページには、平成21年9月未現在の県内における脳脊髄液減少症の診療病院を公表されております。
 草津市おきましても、この脳脊髄液減少症の認識を新たにしていただいて、確実な対応を求めるものでありますが、市の見解をお伺いいたします。
 以上、いろいろとお伺いいたしましたが、第5次草津市総合計画にございます「出会いが織りなすふるさと"元気"と"うるおい"のあるまち 草津」を目指すべく、12万1千市民の皆様の安心と安全を守っていける草津市をつくっていくとの強い決意のもと答弁していただきますようお願い申し上げます。
 以上で終わります。
 ありがとうございました。

○議長(大脇正美君)
 それでは、ただいまの15番、西村議員の質問に対して答弁を求めます。
 橋川市長。

◎市長(橋川渉君) 登壇
 ただいまの公明党、西村隆行議員の代表質問にお答えします。
 核不拡散条約(NPT)再検討会議使節団派遣費についてのお尋ねでございますが、草津市では、昭和63年の「ゆたかな草津 人権と平和を守る都市」宣言以来、この宣言の趣旨に基づき、「人権と平和研修ツアーの実施」や「草津市平和祈念フォーラムの開催」、「平和市長会議への加入」等、さまざまな平和への取り組みを実施してまいりました。
 その中で、草津市平和祈念フォーラム実行委員会が昨年より実施されております核兵器廃絶を求める署名活動では、目標である人口の1割の1万2,000名を超え、平成22年3月1日現在で、1万3,049名の署名をいただいている状況でございます。この結果は、多くの市民の皆様が平和に対する高い意識を持っておられているということのあらわれだと感じております。
 オバマ米大統領の核兵器廃絶に向けたプラハ演説やノーベル平和賞の受賞により、核兵器廃絶に向けた世界的な機運が急速に盛り上がっており、2010年は、核兵器廃絶に向けた大きな節目の年だと考えております。
 こうした状況のもと、市民の皆様の熱い思いの中で、恒久平和の実現に向けた具体的な行動の一つとして、5年に一度開催される核兵器廃絶に向けた世界的な取り組みであるNPT再検討会議に参加することは、恒久平和の願いを市民に強くアピールするものと考えております。
 また、同時に、世界じゅうから集まった各都市や平和活動をされている人々が、その力を結集して、全世界に向けて恒久平和と核兵器廃絶の必要性を訴えることは大変意義があると考えておりまして、草津市から積極的に活動・発信し、NPT再検討会議へ使節団を派遣することといたしたところでございます。
 NPT再検討会議への使節団派遣後は、毎年9月23日に開催されます「いのち・愛・人権のつどい」において報告させていただくほか、集客施設や市の主要行事でのパネル展示や市のホームページ、広報くさつでの掲載など、あらゆる機会を通じて市民の皆様にお伝えし、平和への啓発を進めていきたいと考えております。
 次に、「市長が目指す子どもたち像」についてのお尋ねでございますが、すべての子どもが、自分自身の中に豊かな成長・発達への力と可能性を持っています。私は、一人一人の子どもが自らの力と可能性を十分に発揮し、社会や人々のために貢献し、自己実現を図っていけるように育ってほしいと思います。
 そのために、「伸び伸びと生きる力の基礎を培う保育園・幼稚園」、「義務教育としての基礎的な力を培う小学校」、「将来の自立に向けた力を培う中学校」というそれぞれの発達段階に応じて、希望を持って自分らしく努力を続ける子どもたちの姿こそ、私たちが目指すべき子ども像と考えます。
 こうした子どもたちを育てるために、今、教育現場で何が課題かと申しますと、第1に「大人社会への信頼を培うこと」であると考えます。両親や学校の先生、地域や社会の大人に対して尊敬や信頼の心を持てないようでは、子どもの未来への夢をはぐくむことはできないと思います。
 第2に、「すべての子どもに生涯を生き抜く力の基礎をしっかり身につけさせること」です。社会性や学力など生きる力をしっかり身につけさせなければ、子どもの可能性を発揮させるといっても絵そらごとになってしまいます。
 第3に、「子どもの学びを支える教育環境の充実を図ること」です。子どもの成長を阻害する心理的・社会的要因がさまざまな形であらわれている中にあっては、安心・安全で、質の高い教育や支援が受けられる環境を充実していく必要があります。
 こうした課題解決のためには、子どもたちが自然に大人への尊敬と信頼感を抱けるような家庭、地域、学校にしていくことが大切であり、学校教職員の資質や指導力の向上とともに、家庭や地域における子どもとのかかわり方の改善と啓発を図る施策が必要であると考えます。
 また、一人一人の子どもに十分な力を身につけさせるためには、さらなる教育内容や指導方法の改善・充実を図る施策が求められます。あわせて、安全・安心な学校づくりや、ハード面・ソフト面にわたる環境整備が必要であると考えます。
 草津市教育振興基本計画には、こうした観点から、教育の振興・充実を図るための施策を掲げたところでございまして、その実現のために、平成22年度当初予算、21年度補正予算におきましても、教育費に重点的な配分を行ったところでございます。
 次に、「草津あんしんいきいきプラン第4期計画」の進行管理についてのお尋ねでございますが、この計画は「すべての市民が人として尊重され、一人一人がいきいきと輝き、安心して暮らすことのできるまちづくり」という基本理念のもと、たとえ介護が必要になっても、住みなれた地域で安心して暮らすことのできるまちづくりを推進するための施策を盛り込んでおり、この施策の実現のためには、計画を適切な進行管理のもと推進していく必要があると考えております。
 この計画を推進するための組織といたしましては、介護サービス事業者、被保険者および保健医療関係者等で構成しております「草津あんしんいきいきプラン委員会」や「地域密着型サービス運営委員会」を設置しております。
 介護保険施設等の整備を進めるに当たりましては、「草津あんしんいきいきプラン委員会」を昨年9月と今年2月の計2回、また、「地域密着型サービス運営委員会」を昨年9月と今年1月の計2回開催し、事業の実施状況や目標達成状況などの進捗状況、さらには施設への入所待機者の状況等を踏まえた上で、事業の実施や今後の方針などについて検討いただいたところでございます。
 また、進行管理につきましては、「草津あんしんいきいきプラン委員会」、「地域密着型サービス運営委員会」、さらには「地域包括支援センター運営協議会」で、それぞれ連携をとりながら、各分野において事業の実施状況等の検証を行い、今後の方向性等を検討していただいているところでございます。
 今後におきましても、より密な連携を持って意思疎通を図りながら事業の検証を行い、第5期以降の計画を継続性のあるものにするため、「草津あんしんいきいきプラン委員会」を中心に、各委員会を系統づけて、事業の推進と進行管理および次期計画の策定を行ってまいります。
 次に、(仮称)草津未来研究所運営費に係る御質問のうち、まず準備体制についてでございますが、今、地方自治体を取り巻く状況は、地方分権社会の到来や少子・高齢化など、大きく変化しており、国におきましても、地方分権改革推進委員会の勧告を受け、地域主権戦略会議を設置し、地方分権改革推進計画や地域主権戦略大綱の策定に向け取り組むなど、地方分権への取り組みを加速しているところであります。
 このような中で、本市といたしましては、「地方政府」という言葉に代表されるように、地域のことは地域が解決するという強い意志を持ち、地方分権の新たなステージへと展開していく必要があると考えております。
 このことから、草津の持つ高いポテンシャルを生かしつつ、地域の課題解決に向け、また、新たな未来社会への見取り図を示しつつ、戦略的な政策を展開するため、(仮称)草津未来研究所準備室を設置し、シンクタンクとしてのあり方や機能について検討を重ねてまいりました。そして、去る3月3日には、(仮称)草津未来研究所検討委員会より調査報告書を提出していただいたところであります。
 研究所の設置に当たっては、自治体内シンクタンクとして十分に機能するための仕組みが最も重要であり、立命館大学を初め滋賀県内における知の集積を最大限生かすための運営方法を中心に検討を進めてまいりました。その結果、所長や副所長、さらには総括研究員等の人的な連携や共同研究等について、立命館大学との協議が整いましたことから、この4月より、人事配置も含め、研究所の設置を予定いたしております。
 なお、このように大学全体と連携する自治体内シンクタンクは、全国初の試みであり、立命館大学を持つ草津の特性を生かした政策展開をと考えております。
 次に、職員への周知についてでありますが、21年度における検討委員会の検討内容につきましては、2月に部長会議に報告をさせたところであります。
 この4月からは、研究所として本格的な活動を行う予定をいたしておりますことから、研究所としての位置づけや役割、さらには研究テーマ等について部長会議に諮り、その機能の周知を行う予定であります。
 また、ニュースレターによる情報提供やコンサルティング機能として、旧草津川の廃川敷地基本構想策定を初めとする各部横断的にまたがる計画の策定支援などを通じて、役割や存在意義を、市民の方々や職員にも見える形にしていくことが重要であると考えております。
 次に、(仮称)草津未来研究所の体制といたしましては、学識経験者の方々を中心に、所長や顧問、副所長、さらには、客員研究員等に就任していただく予定をいたしております。これらの皆様からは、研究所の運営はもとより、市政に対する助言や提言もいただきたく考えているところであります。
 そのような助言や提言には、アドバイスのみならず、議員御指摘のように、厳しく叱咤激励いただくこともあるかと存じますが、そのような御意見も真摯に受けとめ、執行機関の長として的確な判断をしてまいりたいと考えております。
 「脳脊髄液減少症」について、どのような対応をしているのかについてのお尋ねでございますが、教育委員会におきましては、文部科学省の事務連絡を受けまして、平成19年6月19日付で、「学校(園)におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応について」と題し、市立各幼稚園・小・中学校長に周知を図ったところでございます。
 また、昨年8月には、県主催の研修会に養護教諭や関係教諭が参加し、この疾病への対応について理解を深めるとともに、この疾病が不登校に似た症状を呈することから、学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への理解と適切な対応について、周知・徹底が図られたところでございます。
 現在のところ、市内の公立幼・小・中学校に「脳脊髄液減少症」の幼児、児童、生徒の在籍はありませんが、さまざまな機会を通して、この疾病に対する学校関係者の理解を深めていきたいと考えております。
 一方、国におきましては、2007年度から開始された研究班による「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」事業が進められているところですが、診断基準や診療指針(ガイドライン)、治療法が確立されていないのが現状であり、患者支援の会等からも、この診断基準、診療指針の早期策定、さらには、治療法の認定と保険適用を求める要望が、先月、国になされたことは承知いたしております。
 こうした状況の中、本市といたしましても、ホームページ等で、滋賀県が公表しております脳脊髄液減少症の診療病院の情報提供や、広く市民に「脳脊髄液減少症」を正しく理解いただけるよう啓発の推進に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますよう、お願い申し上げます。

○議長(大脇正美君)
 これにて、15番、西村議員の質問を終わります。
 以上で、本日の議事日程は全部終了いたしました。

市民相談

皆様の思いを承りました。

4月度の市民相談の分野別
道路関係 7
医療介護関係 3
障がい者の方に関すること 4
お金に関すること 4
市役所関連 5
法律関連 0
教育 5
交通 0
その他 11
合計 39

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