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平成26年2月草津市議会定例会代表質問 西垣和美

1. 人口減少時代の住みやすく、幸福実現度の高いグランドデザインについて
〇20年後、30年後の草津市のグランドデザインについて
2.「管理体」から「経営体」の組織へ
〇政策立案できる人材育成について
〇政策法務の能力向上の体制について
〇発生主義への新地方公会計のための人材育成の必要性とコスト意識を持った事務事業評価について
〇インフラ資産(道路)のアセットマネジメントについて
〇人を育てることへの投資
〇行政情報の提供や情報共有のありかたから市民の主体的な参加推進について
3.子ども・子育て新支援制度について
〇ニーズ調査からの待機児童の解消についてと草津市独自の事業実施について
4.住宅開発における課題と今後の都市計画について
〇住宅開発における教育施設等のインフラ整備や緑の保全の観点から、今後の質の高い都市計画について
5.一人を救う、という視点の政治について
〇生活困窮者支援、認知症対策、地域包括ケアといった一人を救うという政治への考えについて
6.まちづくり協議会について
〇まちづくり協議会の指定管理の移行について
〇一定のルールづくりについて
7.市社協の中間支援組織について
〇市社協の中間支援組織としての役割や体制について
8.障害者差別解消法の成立に
〇草津市として、2016年の施行に向けての取り組みについて 伴っての今後の対応について
9.教育について
〇発達障がい児支援で、将来の就労を意識した取り組みについて
〇学校教育におけるESDについて
〇いじめ防止対策推法の対応について
〇教育委員会制度の改革について

○14番(西垣和美)
  公明党の西垣和美です。
  本年、市制60周年の記念の年に当たり、草津市がこれからの20年後、30年後の人口減少社会、超高齢社会に向けて、意識改革、政策発想の転換等、大きくかじを切っていくスタートの年となるよう、公明党を代表して質問いたします。
  まず、1点目です。
  人口減少時代の住みやすく、幸福実現度の高いグランドデザインについてお伺いいたします。
  市長が、開会日に施政方針でも触れられた住みよさランキングにおいて、草津市は近畿で第1位となり、特に快適度の部門では全国で第4位となりました。14位の利便度とあわせて上位の要因となった指標を見ると、転入・転出、人口比率や新設住宅着工戸数や小売業年間消費販売額等があります。
  指標から考えられることは、市長も先人への感謝の思いとして述べられたように、草津市が20年前、30年前にまちづくりの計画をした結果が、今、あらわれているということです。
  例えば、人口の流入の大きい南草津駅周辺の発展の礎となった立命館大学の誘致は、第2次総合開発計画、第3次総合計画での構想であり、30数年前の市の計画が、今、東洋経済の指標でいうところの住みやすさとしてあらわれているのだと思います。
  まちづくりは、当然20年、30年のスパンで、ようやく形としてあらわれるものだと思います。よって、20年後、30年後の草津市のグランドデザインを描いて、その姿に向けて、今、着手することが、次世代に対する政治家の責任でもあると思います。30年前、20年前は、辛うじてまだ富の分配の時代でもあり、今とは違うグランドデザインを描けたかと思います。これから先の人口減少社会において、住みやすくて幸福実現度の高いまちづくりのグランドデザインについての市長の所見をお伺いいたします。
  管理体から経営体の組織へというテーマで幾つか質問させていただきます。
  昨年度には、草津市第2次行政システム改革が策定され、持続可能な共生社会の構築を理念とし、その実現のために市民自治の活性化と地方政府への転換という二つの方向性を基本にして、地域経営のための公共の再編に向けての取り組みがスタートしました。
  課題として取り上げられているのは、将来的な財源不足、行政の役割の変容、生産年齢人口の減少です。将来的な財源不足の懸念の背景には、政府等の公的債務残高が1,000兆円を超えるという政府と地方自治体が直面している財政構造の悪化があります。
  その象徴にあるのが、臨財債と呼ぶ臨時財政対策債です。臨財債は、国から地方自治体に財源移転する地方交付税原資が税収減で不足する状況を地方債発行で穴埋めする方法ですが、つまり地方が借金をして立てかえをするという方法ですが、当初は2001年度予算限りの措置として導入されたものの、景気低迷により構造的に長期化し、結果、現在も続いています。
  草津市では、発行抑制を十分意識されているものの、その残高は全体市債残高の4割を占めるまでになっています。臨財債の恒常化の解決策として、国からの税源移譲を求めることで解決するかというと、交付税を赤字国債に頼っている現状、本末転倒であるかもしれません。
  平成26年度以降においては、アベノミクスの経済効果、消費税増税による地方消費税分の増加という歳入増の見込みあるものの、超高齢社会を迎えるに当たり中長期先の持続可能な社会の構築のためにも、何かあったときに政府が助けてくれると考えるのではなく、あの手、この手で知恵を絞る自治体が真の地方分権を実践していると評価されるものではないでしょうか。
  そのような中で、地方自治体は常にコストパフォーマンスの最大化を考えながら、みずから考えて実行する組織へと生まれ変わらなければなりません。そのみずから考えて実行する組織こそが、行政経営体であると思います。従来の行政体制は、国の定めたルールを正確に実施することに秀でたシステムであり、意思決定を行うのに幾度なくチェックを重ね間違いをしないことが重視され、評価は成果でなく活動といった、いわゆる行政管理体でありました。
  現時点では、草津市は、いまだ管理体であると思います。今後、草津市としても管理体から脱却し経営体としていくには、思い切った意識の改革が必要ではないでしょうか。以下、経営体の観点から質問いたします。
  政策立案できる人材育成について、お伺いいたします。
  特に、若い世代からの政策形成能力を育成することに重点を置くことが大事だと思います。政策立案において最も大事なことは、課題の発見だと言われます。今の組織風土において、課題発見型の組織であるのでしょうか。政策立案のためには、市民、地域のニーズを察知し、酌み取り、解決しようとして考え、政策立案に生かす、そういった意識を持つことが最も重要なのではないかと思っています。みずからが行政課題を積極的に発見し、草津市の実情に応じた解決策を検討できる職員の人材育成について、所見をお伺いいたします。
  政策法務の能力向上の体制についてお伺いいたします。
  課題発見につながる話ですが、昨年の草津市未来塾において、西尾 勝氏が「分権時代の自治体職員の役割と心構え」と題して講演されました。その中で、条例制定権の拡張という話があり、地方分権の改革の成果が住民に還元されていないことの例として、これまで国の縛りがあったルールを地域の住民に合ったやり方に変えることができていないというものでした。
  過去の通達や通知も、技術的助言に変わりましたが、その通達・通知を知っているのは現場の仕事をしている人だけです。法令に違反はできませんが、国の解釈とは違う解釈もできるのではと投げかけられていました。これまでは、国の下請機関であり、粛々と通達・通知に従って法令を勉強しなくてもよかった時代でした。今や法令の解釈は国と対等であり、地域の住民の課題に合った、また課題の解決につながる条例の制定という視点での組織体制が求められると思います。
  他市のまちの課題解決のための条例制定の例として、箕面市の「ふれあい安心名簿条例」や「災害時における特別対応に関する条例」があります。個人情報保護法の壁からくる緊急連絡網や名簿づくりを市が責任を持ってかかわっていこうとの条例や、非常時のルールを無視していいというルールや安否確認の仕組みづくりという内容です。
  本市においても、今後、法規担当以外の部での政策法務能力の向上を具体的にどう進めていくのか、お伺いいたします。
  発生主義への新地方公会計のための人材育成の必要性とコスト意識を持った事務事業評価について、お伺いいたします。
  複式簿記発生主義会計の新公会計制度導入に向けた検討についてお尋ねいたします。
  草津市の財政状況は、県内でも第1位、近畿でも有数の健全財政を維持しています。しかしながら、今後、草津市はクリーンセンターの建てかえ、草津川跡地利用等々、大型の公共施設の建設ラッシュを控えています。それだけに、今後も今以上に健全な財政運営が求められます。その財政運営をより堅実なものとするツールが、複式簿記発生主義会計です。
  施設をつくる場合、発生主義によって将来にわたるコストの計算が可能となります。単式簿記現金主義会計では、1会計年度の歳入と歳出を記載し、予算どおりに適切に執行されたかどうかを表現できる一方で、財産や債務の有無や事業ごとのコストが見えないという欠点があります。複式簿記発生主義会計は、現金主義ではあらわしにくい固定資産などのストック情報や減価償却も含む事業のフルコスト情報をリアルタイムで明示でき、税金が何に、どの程度使われているのかなど、市民に対して財政状況の分析をわかりやすく公表でき、コスト感覚の共有も可能といたします。
  昨年7月、国は地方自治体に対して固定資産台帳の整備と民間企業並みの複式簿記導入を求める方針を固めました。折しも、今議会には、使用料・手数料の見直しが上程されています。その際に、どのような数字を根拠に市民に説明をするのでしょうか。人件費や必要経費といった直接経費は当然ですが、管理費や施設費等の間接費用は隠れたコストとも言われ、直接には認識されません。フルコストをもとに料金の設定の説明がされることで、よりコストへの共有を持ってもらえるのではないでしょうか。今後の人口減少時代にあって、公共施設の適正な規模の判断にも使われます。
  このように、複式簿記発生主義会計の導入が望ましいと思いますが、国の財務諸表の整備がどんな形をとるのか検討中でもあり、今後、システムが変わったとしても決算書を使える人がいないと何もなりません。そのためには、すぐに着手すべきは簿記の資格を持つ人材育成です。
  実際、下関市や北上市においては、1割近くの職員さんが日商簿記3級の資格を取っているとのことです。人材育成には時間がかかります。具体的には、簿記の資格を持つ職員の育成が今後の公会計の方向への第一歩と思いますが、所見をお伺いいたします。
  また、事務事業評価に、より正確なコスト意識を導入すべきだと思いますが、所見をお伺いいたします。
  次に、道路におけるインフラ資産のアセットマネジメントについてお伺いいたします。
  新年度予算に、市道長寿命化修繕費として1億5,482万円が計上され、うち国庫支出金として6,300万円が計上されています。公共施設の更新時期を迎え、国としても建てかえではなく修理・保全へのシフトがなされ、これまでは新設の建設費でしか補助金が出なかったものが、維持管理についても補助の対象となったことは心強いものです。
  市内の市道総延長が、現在、約510キロメートルあるとのことですが、これまでは維持管理予算は前年度実績に基づく一定額、あるいは、シーリングをかけられて現状維持でよしとした予算措置であったと思います。日常、道路に関しての相談は非常に多くあります。子どもから高齢者まで誰もが使う一番身近な日常の生活と密接であり、また、これからの高齢社会を迎えたときに、車椅子やつえの使用が多くなると想定されることで、歩きやすい歩道といったバリアフリーの確保も、より必要になると思います。
  今後、例え国の補助金がなくても、新規建設も維持管理も含めて、全体として最適な予算配分をみずからの判断で行えるような仕組み、いわゆるアセットマネジメントが必要だと思います。その上で、今後の道路の維持管理への適正な予算措置が必要だと思いますが、所見をお伺いいたします。
  人を育てることへの投資について、お伺いいたします。
  草津市が、今後、真に自己責任のもと自立する地方政府となるためには、経営体の組織でなければなりません。そのためには、言うまでもなく人が財産となります。まさしく、人の財――人財です。飛躍した言い方かもしれませんが、それに投資することは人財という基金を積んでいることと同じだと思います。ハード整備への基金は目に見えてわかりやすいですが、人の育成はすぐには効果が出ないために、また人件費という目に見える数字は減らす対象となりがちです。今後、地方が生き残るためには、20年後、30年後のための人材育成にある程度投資をすべきだと思います。視察研修も必要であれば積極的に活用し、もっと他市を実際に見て外を知ることも大事だと思います。
  あわせて、人が育つ組織風土への工夫も必要であり、また業務改善運動に参加することも一つかもしれません。人材育成の投資についての市長のお考えをお伺いいたします。
  次に、行政情報の提供や情報共有のあり方から市民の主体的な参加推進について、お伺いいたします。
  ある首長が話された中で、これからのまちづくりに関してのフォームの転換について、キーワードを聞きました。それは、「市民に」から「市民が」、「民意に沿う」から「民意を形成する」、「啓発」から「提案」へ、「説明」から「問いかけ」へ、「計画」から「実践」へ、「全てから」から「一人から」へ、「秘密」から「公開・開示」へと、これらのキーワードは、今後のまちづくりにおいて市民が主体的にまちづくりにかかわる上で大変重要な視点だと思います。
  政策決定の市民参加の手法の主なものとして、パブリックコメントや審議会等での市民公募があります。しかしながら、結果として、まだ少数の参加に終わっていることが多いようです。市民参加が進まない原因を行政情報の提供と情報共有の観点から考えると、行政情報、特に政策形成過程の情報が市民に提供されてなく、市民から提供される意見や提言などの情報を共有するという意識がなかったのではないでしょうか。いわゆる、当事者意識をどう実感してもらうのかが大事だと思います。
  草津市においては、市民参加条例が平成24年度に策定されました。その中で、政策立案において検討段階から市民の意見が反映できるよう、政策形成過程における各過程での情報提供の必要性が書かれています。
  今議会では、草津市協働のまちづくり条例案、草津市自転車の安全で安心な利用の促進に関する条例案が上程されています。これらの条例策定において、パブリックコメント以外の市民参加の手法をどのようにとられたのか、また情報提供をどのようにされたのか、お伺いいたします。
  情報提供は、市民の視点に立った市民にとってわかりやすいものであるべきですし、また情報開示は請求されて提供するのではなく、市政の情報は市民の財産という認識で、あらゆる市政情報の提供が求められるものです。
  先ほども申し上げましたが、今議会において、使用料・手数料等の見直しが示されていますが、この改定となった根拠を説明するのには、どのような情報の提供をされるのでしょうか、お伺いいたします。
  また、もう1点、さらに市民にわかりやすい情報提供を要望したいものに、指定管理者の評価があります。民間の力や知恵をかりて公共の施設を管理運営する指定管理者制度の管理者への評価は、日ごろよりのモニタリングが必要です。そのモニタリングによって適正な管理運営、良好なサービスの提供を行っているかを監視監督し、次年度以降の業務内容等に反映させるためです。現在もモニタリングを実施し、その結果の評価シートを公表されていますが、さらなるわかりやすい形での説明を要望したいと思います。
  例えば、福岡県大野城市では、施設カルテ、施設の管理運営に関する評価シート、施設の管理運営に関するチェック項目、事業報告書といった、さまざまな視点での施設管理の状況が、誰が見てもわかりやすい形で公表されています。また、次期指定管理の公募の是非の理由の説明も示されています。
  本市においても、指定管理施設の中で非公募とする施設も多くありますが、その理由の根拠となるものの説明や利用状況等が市民にはわかりません。草津市としても、予算の説明書や会議資料のアップ等、わかりやすい情報提供に努められておられるのですが、今後さらなる市民参加の手法の一つの観点から、市民へのわかりやすい情報提供・開示について、どのようにされるのか。そして、あわせて指定管理者の管理運営に関する情報の開示についての改善への所見をお伺いいたします。
  子ども・子育て新支援制度について、お伺いいたします。
  平成26年度は、子ども・子育て新支援制度の平成27年度の始動に向けて、市町村にとって大変重要な年でもあります。ニーズ調査に基づき、実際の事業計画を策定しなければなりません。
  まずは、最優先課題である待機児童の解消がありますが、ニーズ調査もされた結果、草津市の事業の方向性について、また、ニーズ調査からの草津市独自の事業実施についてお伺いいたします。
  また、幼児教育の質の向上について、どのような手段で担保されようとするのか、お伺いいたします。それで、教育委員会として就学前教育のかかわりをどう持たれるのか、お伺いいたします。
  住宅開発における課題と今後の都市計画について、お伺いいたします。
  地の利もあり、滋賀県の湖南地域は住宅の開発は衰えることはありません。草津市は、結果として、保育所の待機児童、学童の待機児童、学校の教室が足りないといった教育のインフラ整備が追いつかない状況です。緑の保全や景観の視点、インフラ整備におけるコストの問題、慢性的な交通渋滞といった負の状況も発生しています。
  流入人口の多さで活気があるという利点も大きいと思いますが、最近、特に会う人ごとに、「どこまで草津市は開発を進めていくのだろうか」と、懸念される意見をよく耳にします。持続可能な範囲の開発としていくためにも、ビジョンを持って、まちのデザインを描くのは市長の役目だと思います。
  住んでよかった、住んでみたいと思うまちづくりは一朝一夕にはできませんが、デザインはすぐに描けるものと思います。次世代に残したいまちの姿はどんなまちなのでしょうか。草津市もどこかで方向転換をして、右肩上がりのようなまちでなく、質の高い都市を目指しての都市計画をつくっていく時期だと思いますが、所見をお伺いいたします。
  一人を救うという視点の政治について、お伺いいたします。
  少子・高齢社会、無縁社会、貧困、非正規雇用といった成熟社会の課題でもある生きづらい人が多く存在する時代にあって、生活困窮者の支援を、個人の問題でなく社会として支えていくという時代に突入しています。
  具体的には、生活困窮者自立支援法や認知症対策、地域包括ケアシステムの構築といったことが、市町村が行うべき義務として法律等が整備されました。従来の大多数の利益が優先といった考え方でなく、1人を救済するといった思想の転換が必要だと思います。
  野洲市では、1人を救えない制度は誰も救えないとの理念で、パーソナルサポートを先駆けて実施されています。また、民間においても、地道に草の根的に障害者や生活困窮者への支援を行い、ノウハウを持っているNPOの組織もあります。
  草津市として、これらの制度設計をどのようにされるのか、また、そのための人材の育成や民間のノウハウをかりることへの連携・協力体制をどのように捉えるのか、また市長として1人を救う政治へのお考えをお伺いいたします。
  まちづくり協議会について、お伺いいたします。
  まちづくり協議会が全学区に設立し、今後の指定管理に向けて、新年度においては学区で事務局に1人から2人へと、1人増の雇用がまちづくり協議会でされます。
  短期間で全学区に協議会が設立したことは評価するものですが、短期間での設立により弊害も出てきていると思います。丁寧な説明と合意形成の必要を、今、改めて感じます。
  まちづくり協議会と自治連合会との違いは、全住民対象の地域の包括性の担保と諸団体との連携、地域の課題をみずから解決をするといったことだと思います。まちづくり協議会は、地域の団体、個人の連合体であり、決してピラミッド型でないことは今さら言う必要はないのでしょうが、まだまだお互いの話し合いが現場では必要だと思います。
  指定管理者への移行も、まちづくり協議会の発展形が指定管理者制度であればよいのですが、現状は指定管理ありきで、指定管理の意向に合わせた制度や手法が先にくるのは、本末転倒であると思います。今、丁寧にやるべきは、まちづくりを担う人材育成や安定運営が先だと思いますが、現状の課題と指定管理への移行について所見を伺います。
  また、公金を扱う以上は、例えば会計処理、民主主義的な意思決定、情報公開、議事録の作成といった基本的にクリアしなければならないことの統一したルールが必要ではないでしょうか。
  草津市社会福祉協議会の中間支援組織について、お伺いいたします。
  協働のまちづくり条例案に記載のある中間支援組織については、草津市社会福祉協議会が福祉の中間支援組織として想定されているとのことですが、現在の形では、市社協が担うという中間支援組織の役割が具体的にイメージできません。求められている中間支援組織の具体的な姿、役割についてお示しください。そして、その役割を果たすためには、現状の体制でその機能が果たせるのか、それとも現状と違う体制なのでしょうか、また具体的には、まちづくり協議会との連携なのか、学区・地区の社協との連携なのか、どのような支援の形であるのか、お伺いいたします。
  障害者差別解消法の成立に伴っての今後の市の取り組みについて、お伺いいたします。
  昨年の6月に閉会した第183回通常国会で、障害者に関する二つの法案が可決されました。一つは、障害者雇用促進法の改正案、もう一つは新法である障害者差別解消法です。
  この法律では、行政機関による障害者に対する差別的取り扱いを禁止し、また社会的障壁の除去を実施するための合理的配慮を要求しています。障害者差別解消法は、国連の障害者権利条約の国内での根拠となる強力な法律です。この法律で画期的なのは、合理的な配慮をしないことも差別であるということ、もう一つには、発達障害が明記されていることです。
  公立の学校も、法律に明記されている行政機関等となります。施行は、3年後の2016年4月に予定されていますが、草津市として、この法律の成立を受け、福祉、雇用、教育、その他関係部局間の連携と今後どのように取り組まれていかれるのか、所見をお伺いいたします。
  次に、教育について何点かお伺いいたします。
  発達障害児支援における将来の就労を意識した取り組みについて、お伺いいたします。
  発達障害を持つ子どもが、学校を卒業した後、一番苦労をするのが就労だと言われています。そこで、小学生以上の障害がある子どもたちが、地元の会社や商店で働く「ぷれジョブ」という活動を紹介します。
  具体的には、障害がある小学校高学年から高校生くらいまでの子が、週1回1時間程度、地域の会社や店舗で仕事を体験できるよう支援する活動です。仕事体験は、6カ月程度で、ボランティアのジョブサポーターが付き添い、事業者は無償で協力する仕組みです。
  全国ぷれジョブ連絡協議会の西 幸代代表世話人は、「障害のある子に大切なのは、地域社会で生きていく力を育むこと、職場体験は自信につながり、地域の人も障害者の状況を理解する、ともに支え合う社会になっていければ」と語っています。さきの障害者差別解消法の理念もあり、発達障害児の就労を意識した「ぷれジョブ」の取り組みについて、所見をお伺いいたします。
  次に、学校教育におけるESDについてお伺いいたします。
  先月2月10日、草津市の笠縫東小学校と渋川小学校に、環境省の副大臣と政務官の視察がありました。ESDのモデル校の視察で、いずれも子どもたちがすばらしい発表をし、副大臣、政務官ともに大変感動されていました。モデル校として渋川小学校で取り組んでいるESDの実践については、体系立てられた総合的な環境学習です。
  ESDとは、持続可能な開発のための教育の頭文字をとったものです。ユネスコの定義では、私たちとその子孫たちが、この地球で生きていくことを困難にするような問題について考え、立ち向かい、解決するための学びです。ESDは、持続可能な社会の担い手を育む教育ですとあります。
  ESDは、2002年の国連総会において、「国連持続可能な発展のための教育の10年」とすることが決議され、本年が最終年となりますが、環境、経済、社会の各側面からの総合的な学習であり、生きる力や人格形成、社会性、多様な共生社会の視点と、子どもの発達や持続可能な社会の構築への人材育成ができるカリキュラムだと思います。
  草津市において、このESDの理念、視点を持った教育を全ての学校に導入することについての所見をお伺いいたします。
  いじめ防止対策推進法の対応について、お伺いいたします。
  さきの通常国会において、いじめ防止対策推進法が成立しました。この法律では、いじめは単なる人間関係のトラブルでなく、決して許されない反社会的行為であると位置づけた点に、最大の意義があります。いじめを防ぎ解決する責任は、教育現場のみにとどまらず、行政や地域、家庭の大人全体で共有すべきだという強いメッセージです。
  地方自治体に対しては、地域いじめ防止基本方針の策定に努めるようにとなっていて、学校に対しては、その学校の実情に応じた同様の基本的な方針の策定を求めています。
  さらに、学校の設置者及びその設置する学校が講ずべきいじめの防止等に関する措置や重大ないじめについては、市町村らへの報告を学校に義務づけたのも大きな特徴です。また、インターネットを使ったいじめへの対策が盛り込まれました。これらの教育委員会の認識と対応について、お伺いいたします。
  教育委員会制度の改革について、お伺いいたします。
  教育委員会制度の改革が、現在、議論をされていますが、現行の教育委員長と教育長を統合した新教育長のポストを設けることなどで一応の合意を見、政治的中立性を保つために、教育行政に最終的な権限を持つ執行機関の役割を教育委員会に残すことでも一致したところです。
  しかしながら、首長の権限の強化で意見が分かれています。国の議論はさておいて、草津市として、これまでの市長と教育委員会の連携、あり方から、教育委員会と首長の関係についてどのようにあることが望ましいと思われるか、また、あるいは思ってこられたのか、そして、教育行政における市長がとる責任とはどのようなものか、御所見をお伺いいたします。
  以上で、公明党を代表しての代表質問を終わらせていただきます。
○議長(中島一廣)
  それでは、ただいまの14番、西垣和美議員の質問に対して答弁を求めます。
  橋川市長。
○市長(橋川 渉)
  ただいまの公明党、西垣和美議員の代表質問にお答えします。
  人口減少時代の住みやすく幸福実現度の高いグランドデザインについてのお尋ねでございますが、グランドデザインとは、まちの将来像のあるべき姿として、どのように考えるのかという意味での御質問であると認識をいたしております。
  その意味で申し上げますと、第5次草津市総合計画基本構想において、将来ビジョンを「出会いが織りなすふるさと"元気"と"うるおい"のあるまち草津」としており、この表現の中には、ふるさと草津への誇りに基づく高い志、草津の気風、文化などに対する親しみと憧れ、人々が生き生きと輝いている出会いと交流、さらなる未来を開こうとする自負と責任により得られる将来像や、琵琶湖のほとりの自然環境と人々の活動の調和によって生み出される美しさ、心地よさといった、潤いと生活の豊かさなどの実現に向けた思いが込められており、これらは20年、30年後においても引き継がれるべき将来のまちの姿ではないかと考えております。
  したがいまして、私といたしましては、これから先の人口減少、超高齢社会といった将来を見据えて、全ての市民が社会の一員として元気と潤いを持って生き生きと御活躍いただけるよう、教育や福祉に重点を置き、草津市の持つ社会的資源を有効活用しながら、市民が我がまちに誇りを感じていただけるまちを目指し、今のうちからそのような施策を推進してまいりたいと考えているところでございます。
  次に、政策立案できる人材育成についてのお尋ねでございますが、本市の人材育成基本方針においても重要な位置づけをしており、多様化する市民ニーズに対応するために、若いときから政策立案に求められる課題発見、解決能力を培い、政策形成能力の向上を職員に求めているところでございます。
  また、本市が取り組む「人材育成評価制度」におきましては、職員一人一人が職員力を高めるための「行動評価」、グループとしての遂行能力等を高めるための「チーム評価」、所属長が職員力・組織力の向上を図るマネジメント能力を評価する「職場マネジメント評価」、そして、副部長以上の経営層が市総合計画、重要施策などの実現に寄与する組織目標の業績と組織のマネジメントを評価する「経営マネジメント評価」を、それぞれの職と役割に応じて実施しており、その一連の過程において、行政課題の発見とその解決に向けた目標設定及び進捗管理を行っているところでございまして、これらの業務やマネジメントを通じて人材育成を図っているところでございます。
  今後も市民サービスの向上を図っていくためには、職員一人一人の意欲と能力を高めるとともに、個々の職員の能力を最大限に発揮できるようにすることで、組織全体の力を高めていく必要があると考えているところでございます。
  次に、政策法務の能力向上の体制についてのお尋ねでございますが、政策法務能力は、本市の人材育成基本方針においても職員に求められる重要な能力の一つとして位置づけをしており、採用後約10年間は定期的に政策法務能力研修へ職員を派遣しているところでございます。
  本市におきましては、このところ市独自の条例を制定しており、これらは、まさに政策法務の実践を行っているものであり、これまでの研修の成果や条例の制定過程での議論を通じて政策法務能力の向上が図られているものと考えております。
  現在、人材育成基本方針の見直しを行っておりますが、政策法務能力については、自治体の自己決定と自己責任の必要性や、同時に条例制定権の拡大や法令解釈の重要性が指摘されている中で、今後ますますその重要性が増すと考えられることから、各職場内で政策法務能力に係る人材育成を図ることはもちろん、研修受講対象者の拡大や、より高いレベルの研修の受講などにより、さらなる能力の向上を図ってまいります。
  次に、発生主義への新地方公会計のための人材育成の必要性についてのお尋ねでございますが、現在、本市においても、これまでに取得した資産や負債、行政サービスに要した経費等の実態を明らかにするため、総務省方式改訂モデルに合わせて財務書類4表を作成し、財務状況を適切に開示しております。
  また、個々の職員が業務に携わる中で公営企業会計に従事する職員については、外部機関が行う「公会計担当職員研修」に毎年度参加し、その他の職員も「複式簿記の基礎研修」等にも参加しております。
  現在、国において新地方公会計制度の推進に向けた検討が行われておりますが、その動向を注視しながら、先進地の取り組みも参考にし、コスト意識の向上を図るためにも、発生主義会計に対応できる職員の育成に努めてまいりたいと考えております。
  次に、コスト意識を持った事務事業評価についてのお尋ねでございますが、第5次草津市総合計画では、計画の進捗管理の一環として、事務事業レベルでの実効性、効率性を踏まえた施策レベルでの評価を「施策評価」として実施しております。
  本年度からスタートいたしました第2期基本計画に位置づけた全ての事業は、原則として予算における事業区分と整合を図っており、事業と予算の連動を強く意識した中で事業推進を行い、施策評価の中で改善に向けた方向性の検討を毎年度行ってまいります。
  コスト意識の導入によるさらなる市民サービスの向上につながる評価手法につきましては、本市におけるこれまでの取り組みを踏まえ、また先進事例等の研究も行いながら、よりよいものになるよう、引き続き改善を行ってまいります。
  なお、本市が保有する公共施設に関しましては、現在、建物情報や維持管理費、事業運営費といったコスト情報、利用状況等のデータ整理を行っており、市民ニーズに対応した施設の有効利用、また、施設運営における財政運営への影響を踏まえた施設マネジメントに取り組むため、今後の公共施設のあり方、検討への基礎資料として「草津市公共施設白書」を作成しているところでございます。
  次に、道路のインフラ資産のアセットマネジメントについてのお尋ねでございますが、近年、高度経済成長期に集中的に整備された道路の老朽化対策を進めるべき状況となっており、また、今後発生が予想される巨大地震に備え、東日本大震災における被災状況も教訓としつつ、「命の道」となる道路が災害時にも機能を発揮することができるための対策が求められております。
  このような状況の中、市民生活や経済活動の基盤である道路の適正な管理を図るため、平成25年に道路法の一部改正で、予防保全の観点も踏まえて、道路の維持修繕に加えて点検を行うべきことが新たに明確化されたものでございます。
  本市におきましては、平成24年度に橋梁長寿命化修繕計画を、平成25年度には舗装修繕計画を、さらに平成26年度では道路附属物修繕計画を策定し、計画的にアセットマネジメントに取り組んでまいりたいと考えております。
  議員御指摘のとおり、道路の維持管理は大変重要であると認識しており、適正な予算措置及び執行を行い、計画的な道路の維持管理に努めてまいります。
  次に、人を育てることへの投資につきましては、「組織は人なり」と申しますが、議員御指摘のとおり、草津市が経営体の組織であるためには、その組織を構成する職員の育成が重要でございます。
  本市では、職員の大量退職に伴い大幅な新陳代謝が進んでおりますことから、社会環境の急激な変化に対応できる職員の早期育成などが、組織的な喫緊の課題となっております。
  今年度、第2次草津市行政システム改革の取り組みにおいて、現在の「人材育成基本方針」の見直しを行っておりますが、今回の見直しのポイントは、「協働を実現するための人材育成」、「組織力の向上、働きやすく能力を発揮できる職場環境づくり」、「職員力の向上」の三つを考えております。
  職員一人一人が、自律的・自発的な能力開発に努める組織風土を醸成するため、「人事管理」、「職場運営」、「職員研修」の各分野での取り組みを進めることによりまして、組織の活性化とそれを構成する人材の育成の両面において、惜しむことなく必要な投資を行ってまいりたいと考えております。
  次に、草津市協働のまちづくり条例案及び草津市自転車の安全で安心な利用の促進に関する条例案の策定過程における市民参加、情報提供の実施についてのお尋ねでございますが、市民参加条例において、市民参加の対象となる政策を実施する際には、課題の発見、立案、実施、評価の各段階において必要な市民参加の手法を選択することを定め、市民が円滑に市民参加の機会を得ることができるよう、必要な環境整備及び情報提供に努めているところでございます。
  このたび提案をさせていただいております協働のまちづくり条例案及び自転車の安全で安心な利用の促進に関する条例案の市民参加の手法につきましては、課題の発見、立案段階において、専門家、関係者、公募の市民等で構成する審議会等において、条例の必要性や課題解決に向けた取り組み、条文化すべき事項について検討いただいたほか、政策形成過程の情報が市民の方々に行き届くよう、市のホームページにおいて審議会等の議論の内容を会議録等により公表するとともに、パブリックコメントを実施する際には、市のホームページ、広報紙の活用、また、各公共施設に資料を配架し、周知を行ったところでございます。
  さらに、協働のまちづくり条例案におきましては、まちづくり協議会連合会の方との協議も重ねてまいりましたし、自転車の安全で安心な利用の促進に関する条例におきましては、市民の方々が参加される交通安全教室などにおいて情報提供を行うなど、幅広く市民参加の手法を取り入れてきたところでございます。
  また、条例制定後には、市の広報やホームページ、パンフレットの配布などによる周知を行うほか、条例に掲げる事項の進捗管理を行うために審議会等を設置するなど、できる限りの情報提供や市民参加の推進に努めてまいります。
  次に、使用料・手数料等の見直しの情報提供につきましては、今年度、使用料・手数料等の見直しを、公募市民や学識経験者等で構成する行政システム改革推進委員会に諮り進めてきましたことから、現在、市ホームページの会議・審議会情報に当委員会の審議経過と見直しの基本的方針等の資料を公開をしております。
  また、今回改正を予定している使用料・手数料等については、市民に御負担をお願いするものでございますことから、市民への周知期間を設け、周知の方法として、広報くさつやホームページだけでなく、貸館施設等の窓口で、見直しの考え方、見直しの基準、使用料等の設定の基礎となった計算式など、詳細な改定に係る経過や改定内容について情報提供を行ってまいります。
  次に、市民参加の手法の一つとして、市民へのわかりやすい情報提供・開示につきましては、市民参加条例において、執行機関は市民が円滑に市民参加の機会を得ることができるよう、必要な環境整備及び情報提供に努めなければならないと規定しており、市民の皆様が情報を得られるよう、市の広報、ホームページ、フェイスブック、報道機関への発表など、さまざまな媒体を活用し情報を提供しているところであり、施策に応じて、ワークショップやタウンミーティングなどの手法も加えながら市民参加を進めてきたところでありますが、今後も市民へのわかりやすい情報提供に心がけ、政策形成過程においても情報共有を進めるなど、一層の市民参加の推進に努めてまいります。
  なお、市民参加の手続が十分だったのか、適切に情報を公表できていたのかなど、市民参加の評価につきましては、協働のまちづくり・市民参加推進評価委員会を設置して検証してまいりたいと考えております。
  次に、指定管理者の管理運営に関する情報の開示についてのお尋ねでございますが、現在、本市では、平成21年に作成いたしました「評価マニュアル」に基づき、「履行の確認」、「サービスの質の評価」、「サービスの安定性の評価」という三つの視点で、毎年度、受託者側の指定管理者と発注者側である本市の双方から評価を行い、その内容を市のホームページで公開しております。
  また、公募、非公募につきましては、指定管理者選定委員会の審議の中で意見を聞いており、その経過及び結果は、議事概要にまとめホームページで公開しております。
  しかしながら、評価シートにつきましては、他市の先進的な取り組みと比較いたしますと、具体性やわかりやすさという面では改善すべき点もあると認識しておりますので、他市の事例等を参考にしながら見直しを行い、その情報の開示とともに、さらなるサービスの向上に努めてまいります。
  次に、ニーズ調査からの待機児童の解消についてのお尋ねでございますが、平成27年度からの「草津市子ども・子育て支援事業計画」の策定のため、昨年、ニーズ調査を実施したところ、子どもを持つ母親の就労希望の増加など、共働き家庭で子どもを育てている世帯の増加の傾向があらわれており、全国的には少子化が進んでいる中、本市におきましては子どもの数は増加しており、転入等の人口移動も多いことから、今後とも保育ニーズや放課後児童クラブのニーズも、より高まっているものと考えております。
  今後は、本市の人口推計やニーズ調査の結果を踏まえ、多様な保育ニーズや社会の変化に対応できる新しい時代の幼稚園、保育所、認定こども園や放課後児童クラブのあり方や提供体制の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
  また、ニーズ調査からの市独自の事業実施についてでございますが、前回調査と比べ不安や負担を感じる人は減少しているものの、サークルなどの活動に参加されていない方について、同年齢の子どもの親とのつき合いが余りなく、不安度も高い傾向があらわれておりますことから、親子が集い交流できる場所として、地域子育て支援センター、つどいの広場、サークルなど、地域における子育て支援のさらなる充実に取り組んでまいりたいと考えております。
  他の市独自の取り組みについても、今後、ニーズ調査のクロス分析等を進めるなど、市民ニーズをより的確に把握し、子ども・子育て支援事業計画における施策として取り上げてまいりたいと考えております。
  次に、幼児教育の資の向上についてのお尋ねでございますが、質の高い幼児教育・保育には、ゼロ歳児から就学前の一貫・連続した教育・保育が重要であると認識しており、それらを意識した人材育成等の取り組みが必要と考えております。
  具体的には、乳幼児教育を充実させるため、より専門的な知識・技術を身につけるような理論的研修や、公開保育等により他の幼稚園教諭や保育士の取り組みから実践力を学ぶ研修も実施しているところでございます。
  今後も、幼児教育の資質向上のための職員の資質等の向上にはどのような取り組みが有効なのかを検討し、研修内容のさらなる充実に努めてまいります。
  次に、住宅開発における課題と今後の都市計画についてのお尋ねでございますが、本市では、平成32年を将来目標とした都市計画の基本方針である「草津市都市計画マスタープラン」を策定し、将来想定人口等を考慮しながら、社会情勢に鑑みた定期的な計画の見直しを行っております。特に住宅開発については、平成24年に開発の手続及び基準の条例化を行い、規制を加えながら計画的なまちづくりを進めております。
  また、一定規模以上の民間開発については、地区計画、緑地協定や景観計画に基づく町並みの形成により、住んでよかったと思っていただけるまちづくりを誘導しております。本市の特性である都市空間と農用地空間の共存を目指し、さらに質の高いまちづくりを構築できるよう努めてまいります。
  次に、一人を救うという視点の政治についてのお尋ねでございますが、近年の社会的なつながりの希薄化は、経済的な困窮や高齢による要介護、さまざまな障害など、生活上のリスクを抱えた個人を支えるセーフティネットの弱体化につながっていると危惧しているところでございます。
  こうした中、市はもちろんのこと、ハローワークや社会福祉協議会といった関係機関、NPOや民生委員・児童委員、市民ボランティアといった地域に存在するさまざまな支援組織等が連携しながら、当事者一人一人の事情や思いに寄り添いつつ、包括的な支援を行うことが、1人を救う定義ということで、大変大事であると考えております。
  このため、本市におきましても、生活困窮者支援のための新たな仕組みを構築するため、平成27年度からの生活困窮者自立支援法の施行を待たずに、来年度からモデル事業を実施し、民間のノウハウや経験・知識等も最大限に活用しながら、支援体制の構築に取り組んでまいります。
  また、高齢者が身体機能の低下や認知症等を抱えながらも、地域で自分らしい暮らしを続けられるよう、介護、医療、住まい、予防、生活支援といったさまざまな分野にかかわる関係機関等が連携しながら、高齢者を支える地域包括ケアシステムの構築にも、より一層取り組んでまいります。
  このように、さまざまな施策を連携しながら進めていくことによりまして、地域で暮らす全ての人が、さまざまな困難を抱えながらも、「生命と健康と暮らしが守られ安心して暮らせるまち草津」を目指して取り組んでまいりたいと考えております。
  次に、まちづくり協議会についてのお尋ねでございますが、まちづくり協議会は、これからの少子高齢・人口減少時代を見据え、持続可能なまちづくりを進めていくための「自分たちの地域は自分たちでつくる」という住民主体の組織であり、町内会や各種団体の方々や、さらには個人が参加・協力しながらまちづくりを進めていただいているところであります。
  本市においては、各まちづくり協議会が設立されてから二、三年が経過しましたが、以前から活動している町内会や各種団体の会議等にあわせて、まちづくり協議会の会議等があることによる役員の皆様の負担感が生じていることや、まちづくり協議会がまだまだ地域に浸透していないということが課題としてございます。
  このことから、各まちづくり協議会におかれましては、規約の改正や組織の変更をしながら、地域における合意形成の中、これらの課題解決に取り組んでいただくとともに、安定的な運営に取り組まれているところであります。
  また、地域の人材の掘り起こしや人材育成にも取り組んでおられ、市といたしましても、まちづくり協議会の安定的な運営や人材育成は非常に大切であると認識しておりますので、できる限りこれの支援をしてまいらなければならないと考えております。
  次に、指定管理者制度の導入につきましては、市民センター・公民館を地域のまちづくりの活動拠点として自主的に管理運営いただき、自立した地域のまちづくりに努めていただくためには、指定管理者制度の導入が必要だと考えており、まちづくり協議会連合会の皆様とともに協議・検討を重ねているところでございます。
  また、まちづくり協議会へ交付しております交付金につきましては、その使途について一定のルールを設けておりますが、本議会に提案しております「協働のまちづくり条例」におきましても、まちづくり協議会の認定要件としての透明性の確保、民主的な運営を掲げているところでございます。
  次に、草津市社会福祉協議会の中間支援組織としての役割や体制についてのお尋ねでございますが、協働のまちづくり条例案におきまして、中間支援組織は市民と市との協働によるまちづくりを円滑に進めるため、市民と市の間に立って支援を行う組織として位置づけております。
  市社会福祉協議会におきましては、今日まで地域福祉を推進する民間の団体として、住民が組織する各学区・地区・区社会福祉協議会とともに福祉のまちづくりを進めていただいており、また、ボランティアセンターを設置・運営するなど、市民活動との協働・支援にも取り組んでいただいております。
  今後におきましても、市が進めてまいります福祉のまちづくりの分野において、これまで培ってきたノウハウやネットワークを生かし、地域における課題の解決に向けた仕組みづくりの支援や人材育成、また、もう一つの中間支援組織として想定しております市コミュニティ事業団との連携などにより、市と市民との協働のまちづくりが、より円滑に進めていけるものと考えております。
  こうしたことを踏まえまして、市社会福祉協議会では、今年度からコミュニティ事業団との人事交流や連携強化に向けた検討を始めるとともに、地域福祉活動の支援を強化するため社会福祉士の資格を持った職員の採用を行っており、体制強化に努められているところでございます。
  また、地域に対する支援のあり方につきましては、各地域により組織の位置づけが異なりますが、基本的には、まちづくり協議会における地域福祉活動分野の中核を担う組織が学区・地区・区の社会福祉協議会であると考えており、市社会福祉協議会はサポート体制の充実を図ることにより、地域福祉活動を推進してくものと考えております。
  次に、障害者差別解消法の成立に伴っての今後の対応についてのお尋ねでございますが、法の趣旨に基づき、全ての市民が障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現に向けて取り組んでいくことは、大変重要であると認識しております。
  そのため、実施すべき措置については、今後、国が具体的事例等を示すとされておりますが、その範囲は、建物や交通のバリアフリー化を初め、医療や教育、雇用など、日常生活、社会生活における幅広い分野にわたるものでございます。
  市といたしましては、国の動向を注視しつつ、平成28年4月の法施行を見据え、庁内の幅広い関係課や関係機関等が連携しながら、差別解消に必要な施策の策定、実施に取り組んでまいりたいと考えております。
  差別を解消するためには、何よりも障害者理解が重要であります。法に基づく施策に取り組んでいくことはもちろんのこと、啓発活動もより一層充実させ、障害のある人もない人も誰もが生き生きと輝けるまちを目指して取り組んでまいります。
  次に、発達障害児支援で将来の就職を意識した取り組みについてのお尋ねでございますが、本市では、発達障害児への支援については、まず早期発見、早期支援のため施策の充実を図っており、就労支援については、就労関係機関とのネットワークづくりを中心として、相談・支援を行っております。
  また、保育所、幼稚園、小中学校では、特別支援教育の中で、学習はもちろん、基本的な生活習慣や家庭でのお手伝い、地域の方との触れ合い、職場見学など、さまざまな体験活動を通して、子どもの年齢や状況に応じた自立できる力を育む取り組みを展開しております。
  今回、御紹介のあった「ぷれジョブ」の取り組みにより、職業体験を通じて地域の方と互いに理解を深め、ともに生きていく社会をつくっていくことは非常に大切なことでございます。このような取り組みを進めるためには、地域企業、地域住民、保護者、学校との連携が必要となることから、「ぷれジョブ」のような取り組みについて、調査研究してまいります。
  次に、教育委員会制度の改革についてのお尋ねでございますが、教育行政は、政治的中立性や安定性、また継続性の確保を重視した中で現在の教育委員会制度がございます。これは、戦前の教育行政への反省も含め、一般行政から分けることで政治的な影響力が直接には及ばず、また直接民意を反映できるような地方教育行政の仕組みをつくろうとする思いが込められているものと受けとめております。
  本市の教育行政は、教育委員会が中心ではありますが、オール草津で教育の向上に取り組んでおり、市長と教育委員会の関係において、現行制度に特に不具合を感じていることはございません。また、予算の編成やその執行、市行政の総合調整を通じて、市長としての教育に対する責任を全うし、同時に、市長としての私の思いも教育行政に十分に反映されております。
  いずれにいたしましても、市長と教育委員会が十分な連携をとることで、効果的な教育行政を行うことは可能だと考えているところでございます。
  他の御質問につきましては、教育長が答弁をいたしますので、よろしくお願いを申し上げます。
○議長(中島一廣)
  三木教育長。
○教育長(三木逸郎)
  教育委員会として、就学前教育のかかわりをどう持つかについてのお尋ねでございますが、小1プロブレム等の課題を解消し、子どもの連続的な成長発達を促すためには、就学前の段階、義務教育段階、それぞれの教育を担う者が連携していくことが重要であると認識しております。
  このことから、これまでから保育所・幼稚園と小学校の職員、教員間での保育や授業の相互参観や合同研究会、あるいは小学校入学前後の連絡会等を行ってまいりました。また、子ども同士でも交流活動の機会を設けるようにしてまいりました。
  さらに、教育研究所では幼児教育を扱った研修講座を計画し、小学校教員とともに幼稚園教員も受講しております。同じく、教育研究所が行う研究奨励事業には幼稚園の部門も設けており、成果発表では小学校教員等との交流が行われるようにしています。今後の幼児教育と保育の一体的な提供に向けても、教育委員会として十分かかわってまいりたいと考えております。
  次に、学校教育におけるESDについてのお尋ねでございますが、現行の学習指導要領では、持続可能な社会の実現を目指して主体的に社会に参画する資質や能力の育成が求められており、本市では全ての学校において進められております。
  さらに、各校においては、地域の特色を生かした教材を開発したり地域の人々とのつながりを構築したりするなどの取り組みを推進しております。
  特に、県教育委員会の「しが環境教育リーディング事業」の指定校では、ESDの理念に基づいて、学区の特徴を生かし、地元の大学、企業、町内会等と連携した学習プログラムを実践され、市のスペシャル授業では、自分たちのふるさとである学区について詳しく調べ、その成果を子どもたちがパネルディスカッションで交流し、講師として招聘した文部科学省課長補佐・学校教育官から高い評価を受けた学校もあるなど、今後に期待できるものは大きいと考えております。
  教育委員会といたしましては、市内の各校がこれらの先進的な実践に学ぶ機会を設けるとともに、それぞれの学校においても、地域や子どもの実態に即しながらESDの理念を生かした教育がより一層推進されるよう、指導及び支援をしてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますよう、お願い申し上げます。
  次に、いじめ防止対策推進法が制定されたことについてのお尋ねでございますが、教育委員会といたしましては、この法律が学校においては、教員はもちろんのこと、保護者や児童生徒のいじめの問題に対する意識を大きく変え、いじめの問題を地方公共団体、あるいは社会全体が責任を負うべき社会的な問題であるとした点で、大きな意義があると認識しております。
  学校では、既に、いじめの問題を含む学校生活の中で生じる諸問題に対処するために学校問題対策委員会を設置しております。今年度中に、学校ごとの「いじめ防止基本方針」を定めることにしております。
  今後、市のいじめ防止基本方針を策定しますが、その過程で関係部局とも連携し、必要な組織・機関の設置を検討するとともに、それらの効果的な運用についても検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますように、お願い申し上げます。
○議長(中島一廣)
  これにて、14番、西垣議員の質問を終わります。

市民相談

皆様の思いを承りました。

4月度の市民相談の分野別
道路関係 7
医療介護関係 3
障がい者の方に関すること 4
お金に関すること 4
市役所関連 5
法律関連 0
教育 5
交通 0
その他 11
合計 39

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