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2015年10月草津市議会定例会一般質問 西垣和美

1.今後の文化行政の取組みについて
◯文化行政を市長部局に移管することについて
◯野路小野山遺跡の活用の取組について
◯日本遺産申請について

2.多文化共生の推進について
◯職員の研修参加について
◯草津市多文化共生推進プランの策定について

3.質の高い就学前教育・保育の市の取り組みについて
◯現場からの声の要望事項の反映について
◯就学前教育にかかる予算措置の考え方について
◯教育委員会として、保幼小の連携、接続の施策について
◯教育委員会の就学前教育への基本的な考え方の共有と関わりについて

○16番(西垣和美)
  公明党の西垣和美でございます。
  まず、皆様も申し上げられましたように、新たな任期に向けまして、3期目のスタートに当たりまして、改めて市民の皆様から負託を受けたという責任の重さを重々に認識をいたしまして、行政の皆様と切磋琢磨しながら、ともどもに草津市政の発展に寄与していきたいと決意をしておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
  それでは、通告に従いまして質問を行います。
  まず、1点目でございます。
  今後の文化行政の取り組みについて、お伺いいたします。
  国が示しました地方創生の総合戦略の全体像の中に、地域産業の競争力強化としてインバウンド観光があり、今議会にも社会実験としての補正予算が計上されています。地域の観光資源を今後さらに発掘し、国内外に発信していくことが、シティセールスや地域の活性化にもつながると思います。
  そこで、今後の活用を推進するためにも、芸術や文化に関する事務を市長部局に移管することを提案いたします。
  現在、草津市では、草津宿本陣、野路小野山製鉄遺跡、芦浦観音寺の三つの国指定史跡があります。これらは、貴重な歴史的・文化的遺産であると同時に、観光資源になり得るものです。前回の6月議会において、中嶋昭雄議員からも芦浦観音寺を歴史観光の視点から、まち・ひと・しごと創生総合戦略への位置づけへの提案の質問がありました。
  野路小野山遺跡に関しては、発掘調査後は、京滋バイパスの高架下という地理的なこともあり、現在、ほとんど場所さえわからない状態です。野路公園整備が今後なされるのに伴い、野路小野山遺跡も整備されると伺ってはいますが、せめて今からでも看板を立てて、バイパスから見えるようにすれば関心を持ってもらえるのではないでしょうか。
  また、同じく草津宿本陣に関しましても、JR線に近いことを利用して、草津駅を通過するときに乗客から見えるように目立つ看板を立てることも、効果があるのではないでしょうか。
  このような啓発一つとっても、教育部局での考え方であれば、文化財保護という保護に重きが置かれ、観光としての視点での施策に及ばないことが多くあるのではないかと思います。文化財保護も大変重要だと認識しておりますが、今後の地域活性と総合的な観点から、文化行政を市長部局に移管することへの所見をお伺いいたします。
○議長(西田 剛)
  それでは、答弁を求めます。
  山本総合政策部長。
○総合政策部長(山本善信)
  文化行政につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律により、文化財の保護に関することを除き文化に関する事務を条例に定めることで、市長部局において管理執行することができるとされております。県内では、彦根市、近江八幡市、大津市の3市が市長部局で文化行政担当課を設置しているところでございます。
  文化財という本市の宝、地域の資源の活用につきましては、例えば、草津市中心市街地活性化基本計画にもございますように、歴史的な街並みを整備し活用、また中心市街地の活性化に取り組んでいるところでございますが、特に、今年度はシティセールスの取り組みの中で、史跡草津宿本陣と協力して、小学生の高学年を対象としたキッズシネマ塾を開催するなど、教育委員会部局と市長部局が連携して取り組みを進めているところでございます。
  また、教育委員会部局におきましても、草津宿街道交流館にて「TKD57総選挙」と銘打った独自イベントを開催するなど、文化財資源の積極的な活用を行っております。
  今後につきましても、市長部局と教育委員会部局との連携をさらに強化し、文化資源をまちづくりへ生かす戦略的な取り組みを進めたいと考えておりまして、特に文化財の保護と活用につきましては表裏一体の関係があり、文化行政の一元化におけるメリット・デメリットを慎重に検討する必要がありますことから、現時点では市長部局に移すことまでは考えておりませんので、御理解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  御答弁から、今も十分に活用してやっているというような御答弁で、確かに草津宿本陣に関しましては、中心市街地にもありますので大変やりやすいというものがありますが、例えばほかの面で、例えばハード面といたしまして、その目的が違うという面で予算確保が難しい場面がないかというのは、例えば教育委員会でそのようにお感じになられることとかありませんでしょうか。
○議長(西田 剛)
  明石教育部長。
○教育部長(明石芳夫)
  予算確保につきましては、市長部局であれ教育委員会部局でありましても、必要な、所要の予算については年度当初に要求させていただいておりますので、予算に支障があるというふうには感じてはおりません。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  それじゃ、例えば先ほど少し例に挙げまし立て看板とか、例えば草津宿本陣を草津駅から見えるようにしようといったときに、それは観光のほうから出るのか教育委員会から出るのか、どちらになるんでしょうか。
○議長(西田 剛)
  答弁を求めます。
  馬場環境経済部長。
○環境経済部長(馬場和一)
  ある施設を観光資源と捉えるか教育的資源と捉えるか、いろんな考え方がございます。国の補助制度等もございますので、そういう補助制度等もにらみながら、どちらでやるのが市として最善なのかを考えまして、総務担当、教育担当とも協議をした中で、そういった対応を図ってまいりたいと考えております。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  実際、こういった場面では理想的なお答えになるんですが、現場といたしまして、実際そういう局面になると、少し、「いやこっちでしょう」、「あっちでしょう」みたいな話も少し聞いておりますので、その辺は戦略的にシティセールスの切り口として、どこにあろうが、そういったハード面、ソフト面がしっかりと生かされるのであれば、どこにあるということはないですけども、やはり時代的に、例えば国の戦略といたしましても、どちらかというと文化財というのは観光、シティセールスに結びつけるという面がありますので、先ほどおっしゃいましたメリット・デメリットをしっかり検討を今後もしていただきたいと思います。
  次に、日本遺産登録についてお伺いいたします。
  今、瀬田丘陵生産遺跡群一帯を中心に、日本遺産に申請しようと、大津の瀬田東学区の住民の方々が力を合わせて取り組んでおられます。瀬田丘陵の生産遺跡群や近江国府などは、我が国の古来の文化や政治、経済などの発祥の地として誇るべき歴史的な遺産です。
  瀬田丘陵遺跡群は、草津市と大津市をまたぐ遺跡群で、草津市も連携協力していくことが求められています。野路公園の整備とあわせての野路小野山遺跡をまちづくりに生かし、観光資源としても今後生かしていく視点を今から持っていかなければならないと思いますが、このことについて御所見をお伺いいたします。
○議長(西田 剛)
  明石教育部長。
○教育部長(明石芳夫)
  野路小野山遺跡は、我が国の古代製鉄技術の実態を知る上で貴重な遺跡として、国の史跡に指定されております。この史跡につきましては、歴史的・学術的価値を損なわないように整備を進めることは大前提でございますが、整備計画を策定する際には、貴重な歴史、観光資源としてまちづくりに反映していくことも大切であると考えております。
  また、整備がかなうまでにも、市民の方々に野路小野山製鉄遺跡の存在や、その歴史的役割などを知っていただく仕掛けづくりなども必要でありますので、文化財保護の分野だけではなく、観光資源と捉え、関係部局と連携して取り組みを検討してまいりたいと考えております。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  それでは、また日本遺産への登録の検討を強く推し進めていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(西田 剛)
  明石教育部長。
○教育部長(明石芳夫)
  国史跡野路小野山製鉄遺跡を活用し、日本遺産認定を受けますことは、草津市の歴史資産を、日本国内、世界へ発信する有効な施策となるものと認識しております。
  そのためには、さきに認定されています大津市、彦根市など6市の「琵琶湖とその水辺景観」と同様の申請方法となりますシリアル型の分類タイプにより、大津市と連名で申請することとなりますが、その申請には、歴史的経緯や地域の風土に根差し、世代を超えて受け継がれる伝承、風習を踏まえ、関係する史跡で構成されるストーリーが必要であります。
  今後、申請に向けましては、野路小野山製鉄遺跡を含む瀬田丘陵生産遺跡群として、源内峠遺跡、山ノ神遺跡の国指定史跡を有する大津市との連携が不可欠でありますことから、大津市への働きかけをしてまいりたいと考えております。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  そのように認識していただければ十分でございますので、またよろしくお願いいたします。
  それでは、次の2番目の項目に移らさせていただきます。
  多文化共生の推進についてです。
  この9月に、立命館大学の留学生による全国初の外国人だけの機能別消防団が任命されました。一般的に、災害時要援護者であると考えられている外国人みずからが、外国人被災者を支援する機能別消防団員に任命されることで、助けを求める側から助ける側へとなることは、これからの多文化共生社会の推進を行っていく上で大変大事な視点だと評価されます。
  草津市は、現在、おおよそ2,000人の外国の方が住んでおられます。人口割合から見ると1.5%で、全国的な平均であります。しかしながら、他市とは違う特性として、BKCの立命館大学の留学生が多いということです。
  立命館大学は、文部科学省事業「国際化拠点整備事業」のグローバル30に採択された13大学のうちの一つです。留学生30万人計画の達成を目指し、留学生受け入れ環境の整備、産業界との連携や国際連携の推進などに取り組み、日本の大学の国際化をリードしています。
  草津市においても、大学に近い南草津周辺に外国人の方が多く住み、また最近の特徴として、留学生は帰ってしまうというイメージがあったのですが、滞在の長期化、定住化が進み、日本で就職し結婚して、家族とともに草津市に住み続ける人がふえてきていると聞きました。
  このように、草津市として外国人の方もまちづくりの一員としてかかわり、多様性が認められ、誰もが暮らしやすい多文化共生社会のなお一層の推進が必要だと思います。
  現在は、草津市国際交流協会、(通称)KIFAに国際交流の事業を委託しておられるかと思いますが、行政としても、今後、町内会を初め、市民の方々への周知とコーディネート役として積極的に連携協力していくことが求められていると思います。まずは、時代の先端の流れを知ることが大事であり、職員の方が多文化共生の研修に参加していかれることが必要かと思いますが、所見をお伺いいたします。
○議長(西田 剛)
  山本総合政策部長。
○総合政策部長(山本善信)
  多文化共生に関する研修参加についてでございますが、多文化共生については、職員を対象とした人権研修のテーマとするなど、職員として各種施策を実施する上で高い意識を持つことの重要性を認識しているところでございます。
  今後におきましても、御提案をいただきました研修機関を積極的に活用するなど、職員の多文化共生に関する意識をより一層高め、その推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  やはり一つの施策を実施する場合には、まず人材育成が必要だと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。
  それでは、次ですね、また総務省が2006年に地域における多文化共生推進プランを策定し、各地方自治体において多文化共生の推進に係る指針、計画を策定することを求めています。
  草津市としても現状を踏まえ、互いの違いや文化を認め、安心して生活ができる多文化共生の地域社会を築いていくため、草津市多文化共生推進プランの策定が必要ではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。
○議長(西田 剛)
  吉本まちづくり協働部長。
○まちづくり協働部長(吉本勝明)
  草津市多文化共生プランの策定についてのお尋ねでございますが、国におきましては、平成18年に地域における多文化共生プランを策定し、今後のグローバル化の進展をにらみ、多文化共生のまちづくりを進めているところでございます。
  また、県におきましても、滋賀県における多文化共生を進めるため、平成22年に滋賀県多文化共生推進プランを策定され、平成27年には改訂をされたところでございます。
  そのような中で、本市におきましては、外国籍住民の方が約2,000人おられ、これは本市の人口の約1.5%を占めておりますことから、外国籍の方々との交流や国際理解を深める活動を担っておられる草津市国際交流協会におかれまして、今後のあるべき姿を示したビジョンを平成23年に策定されたところでございます。
  そのビジョンにおきましては、国際交流、国内交流、国際理解及び多文化共生を3本柱とされており、具体的な取り組みとしましては、姉妹都市、友好交流都市との交流はもちろんのこと、外国料理を通じた交流会等を開催され、一人でも多くの市民の方が国際理解を深められるよう取り組まれますとともに、国家や民族の異なる人々が互いの文化の違いを認め合い、対等な関係を築き上げ、ともに地域で生活していけるよう、浴衣を着ての七夕まつりや新春の集い等を開催され、本市における多文化共生を目指した取り組みを進めておられるところでございます。
  市といたしましては、現時点では、多文化共生推進プランの策定は考えておりませんが、外国籍住民の方々も地域の一員としてともに暮らしていけるよう、草津市国際交流協会と連携や協力をしながら多文化の共生のまちづくりを目指して取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  策定の必要を考えていらっしゃらないということなんですが、多文化共生の定義の中で、私がキーワードとなると思う言葉に、文化的違いを認め合い対等な関係ですね、その上で地域社会の構成員としてともに生きていく――まちづくりの一員としてですね――そういった場合に、現状、国際交流協会のみの動きでは、なかなか大きな広がりであるとか地域住民との連携というのが難しいということをお聞きしております。やはり行政がしっかりと一緒に協働をしながら進めていくことで多文化共生が進んでいくと思います。
  今、多文化共生の推進についてはどこの部署、どこが担当しておられるんでしょうか。
○議長(西田 剛)
  吉本まちづくり協働部長。
○まちづくり協働部長(吉本勝明)
  多文化共生につきましては、現在、草津市国際交流協会が、それを担っておられまして、市としましては、そこと連携協力しながら取り組んでいるということでございますから、担当部署としましては、まちづくり協働部であると考えております。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  その事務分掌を見ておりますと、いわゆる多文化交流に関することとか調整役ですね、推進というのは一言もありません。ですから、ある意味、今の動きというのは、まちづくり協働部における動きは、ある意味、行政的解釈におけば正解だと思うんですが、そこを市が一歩、多文化共生社会の構築の推進に係る事業も一緒にやっていくんだということであれば、やはりこれはプランを策定することによって市も一緒にその推進にかかわっていけるということがあると思います。今のままでは単なる交流にとどまっておりまして、その多文化共生の社会の構築にまで至らないと思います。
  そういった意味で、多文化共生の推進プランの策定が必要ということと、あと組織・機構の事務文書的な位置づけですね、多文化共生の事業を推進する上での組織的な位置づけも必要だと思いますが、そのことについて何か御所見があればお伺いいたします。
○議長(西田 剛)
  吉本まちづくり協働部長。
○まちづくり協働部長(吉本勝明)
  まず、多文化共生についてでございますが、多文化共生は、まちづくり協働部のみでするのではなくて、全庁的に取り組んでいく案件であると考えております。
  そのような中で、まちづくり協働部としましては各部のプラットホームとして、その役割を果たしてまいりたい。そういうことによって、全庁的に取り組むことによって本市における多文化共生のまちづくりができるものと、このように考えているところでございます。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  現状で課題がなければ、私もこういった質問はいたしません。いわゆる全庁的取り組みであるとか、推進する上でのいろいろな行政との連携がとりにくいといった、それはある意味、交流にとどまるし、KIFAさんにお任せしているという、そういったいわゆる理念を一緒に共有ができていないということが、私としては一つのネックかと思います。
  やはり共生推進プランによって、行政もともどもに理念を共有していくことによって、本当にその事業が推進すると思うので、草津市がそういった多文化共生については単なる啓発にとどめる、理解にとどめるといったお考えであれば、私はそれでいいと思いますが、本当にそれでいいんでしょうか。
  草津市長のブログを見ておりますと、多文化共生で草津市のホームページを検索しますと、一番ヒットするのは市長のブログです。多文化共生KIFAのこういった会合に参加して、こう思いましたというのは、多文化共生の推進を連携してとっていかなければならないといった決意が必ず書いてあります。そういった市長の思いもありますので、今後ですね、草津市においての多文化共生社会の推進については、いま一度、検討して取り組んでいただければと思いますので、ここで市長に意見を求めたいところですが、とどめておきます。私の意見、御検討いただきたいと、希望ある御検討をいただければと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
  このことは、引き続き、またしっかりと私自身も審議を見ていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  では、3点目に移ります。
  質の高い就学前教育・保育の市の取り組みについてです。
  本年度から、子ども・子育て支援の事業計画がスタートしました。草津市としても、待機児童の解消を優先施策として、鋭意、保育所整備を進めているところです。また、来年度からは初めての認定こども園がスタートし、順次、公立の幼稚園・保育所が認定こども園として整備される計画となっています。
  子ども・子育て支援新制度においては、教育・保育の質の向上や保育の量の拡大が求められています。質の高い就学前教育・保育の取り組みへの要望は、過去にも議会質問をいたしましたが、いまだにその具体的な姿が見えません。
  例えば、尼崎市においては、市と教育委員会が新制度の本格施行を一つの契機と捉え、就学前の子どもの生きる力や生涯にわたる人間形成の基礎を培う上で、重要な役割を担っているとの共通認識に立っています。
  その上で、就学前の子どもの教育・保育の基本的な考え方について、市民が共有することも必要であるとの認識に立ち、市長と教育委員会委員長とで、子ども・子育て審議会に対し、市の就学前の子どもの教育・保育についてのあり方について諮問を行い、就学前の教育・保育についての基本的な考え方を平成26年12月に策定されています。
  このように、市と教育委員会が同じ視点に立って就学前教育の重要性や基本的な考え方を市民と共有していくというスタンスに、大変共感を得ました。新制度が始まり、質の向上をどのような形で具現化していくのか、ソフト面でのあるべき姿や目指す方向性のビジョンの共通認識を持つことはもとより、環境整備でのハード面も必要であると思います。そのためには、やはり予算の確保が必要だと思います。
  欧米で、子どもの発達を長期にわたって追跡調査した研究成果が発表されています。それは、質の高い幼児教育・保育は潜在成長力を高める最も効率的な戦略であり、子どもが成人した時点での税負担能力を高め、社会政策費用を抑制するというものです。幼児教育・保育への投資が社会全体にもたらす経済的効果は、その後の就学期、就学後への投資より、はるかに大きいという研究成果が出ています。
  草津市として、平成29年度からスタートする草津保育所と中央幼稚園が一体となる幼保連携型の認定こども園は、それぞれの既存の施設を改修するものですが、これまでとは違う機能を持つことから、今ある施設以上の改修が必要だとも思います。現場の声からの要望にどのように応え、質の高い幼児教育・保育を確保していかれるのか、お伺いいたします。
○議長(西田 剛)
  望月子ども家庭部長。
○子ども家庭部長(望月英司)
  草津保育所と中央幼稚園の施設の改修における現場からの声の要望事項の反映についてでございますが、現在、平成29年度の認定こども園開園に向け来年度に改修工事を行うため、現場の保育士、幼稚園教諭とも設計協議を重ね、実施設計業務を進めているところでございます。
  当該施設は、鉄筋コンクリート造2階建ての建物でありまして、構造上、増築を行うことが容易ではないことから、基本的には既存施設の範囲内で、また築25年が経過し劣化部分も見られることから、老朽化箇所の改修も行いながら、認定こども園としての機能が十分発揮できるよう、現場の声を聞き施設整備をしてまいりたいと考えております。
  また、来年度からの認定こども園開園に向け、平成26年度より、保育士、幼稚園教諭等で構成する草津市就学前教育・保育検討委員会におきまして、年齢別カリキュラムの内容検討を行っております。保育所と幼稚園のよいところを取り入れた共通カリキュラムを作成するなど、質の高い幼児教育・保育の確保を目指してまいりたいと考えております。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  今、おっしゃったように、取りまとめでずうっと聞いておりますけれども、少し聞いたところでは、遊戯室の確保であったり、また給食の配膳室といったものの確保であったり、また、事務量の負担軽減の事務員の事務職専門の方の配置といったこともあるというふうに――その場で出しているかどうかわかんないですけど、現場の声として、私自身は聞いております。
  園庭が狭いのは、本当にこれは現実もそうなんですけども、なかなかそういったハード面といったものが、予算の限りがある中で、どこまで認めていただけるのかなあといったことは、ちょっと次の質問にもかかわることですので、次の質問に移ります。
  現在、策定中の地方創生の人口ビジョンの目標設定も踏まえた上で、草津市として就学前教育・保育に係る今後の予算措置についてのお考えをお伺いいたします。
○議長(西田 剛)
  望月子ども家庭部長。
○子ども家庭部長(望月英司)
  次に、就学前教育・保育に係る今後の予算措置の考え方についてですが、現在、策定中の地方創生の人口ビジョンにおいて目標とする出生数の増加に向け、子どもを産み育て、住み続けるまちを実現していくためには、子ども・子育て支援の充実が必要な要素となります。
  とりわけ、生涯にわたる人格形成の基礎を培う就学前の教育・保育の充実は重要であり、国においては、待機児童解消加速化プランの実施や就学前教育・保育の質の改善等、重点的な財政支援が行われております。
  市では、平成28年度予算編成方針において、子育て支援の充実を重点施策の一つとして位置づけているところでありまして、具体的には、昨年度末に策定しました草津市子ども・子育て支援事業計画に基づき、就学前の教育・保育の質的・量的拡充に向けて、待機児童解消や幼保一体化、3歳児幼児教育の拡充等を重点的に進め、需要量に応じた確保方策を実現するため必要な予算確保を行い、事業実施に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  確かに、今、おっしゃっていただいたように、量的の拡大について予算措置で精いっぱいだなということも、よくよく認識をしているところですけども、ですが、ようやく草津市といたしましてもスタートする認定こども園を先行する園におきまして、いかに質の高い教育・保育を提供できるかという中で、後に続く園のモデル園とする中で、財源がないから諦めざるを得ないという状況があっては、私としては本当に次世代にかえって損失じゃないかなということを思っております。
  しかしながら、現場としては財源とか税金ということを言われれば何も言えないといったことも認識はしておられるということで、そのはざまでどうしたらいいのかなと思っておるんですけども。例えばですね、望月部長もよくおっしゃっていらっしゃるんですけど、ちょっとお伺いしたいんですけども、消費税増税に伴った、いわゆる国の増収の財源ですね、それは全額社会保障費に使っていくということがなされました。その中に、子ども・子育て支援新制度の財源措置がなされたわけですが、これはどういった意味があるのでしょうか。
○議長(西田 剛)
  望月子ども家庭部長。
○子ども家庭部長(望月英司)
  今、御紹介ありましたように、消費税の中に社会保障というところで、子ども・子育て、あと年金の部分ですね、それと医療の部分が入ってきたかと記憶しとるんですけども、子ども・子育ての部分を消費税に充てられたということは、恒久財源として国としての立場も明らかにされた分で、子育てというものは恒久的な財源を充てて確保しながら手当てをしていくという大きな心構え、意気込みであるものであると思いますので、私ども草津市におきましても、重点課題の一つとして、昨年に引き続き、まだずっと位置づけをしているところでございます。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  部長がおっしゃったとおりでありまして、いわゆる子育ての施策というものは、年金、医療、介護と同じく社会保障の政策として位置づけられたということで、子どもの育ちを地域社会全体で支えるという位置づけが、しっかりとなされた理念というものが明確になったと思います。
  また、一方、それと地方創生の総合戦略の草津市人口ビジョン(案)でも、出生率を上げていくということがありますけれども、草津市は人口がまだふえ続けているということがあります。また、ゼロ歳から4歳児の人口も多いということなんですが、これはやはり流入人口が多いということで社会増の影響が大きいという分析になっておりますし、出生率が低い、どちらかというと、県の平均よりも低いといった中で、いかに、今後、自然増を引き上げていくかといったものが、国に言われたからやるんじゃなくて、草津市の将来の持続可能な都市形成を目指して、この子育て施策といったものは本当に重点課題だと思いますし、戦略目標としても第1番目に掲げてありますので、認識は十分に持っていらっしゃると思います。
  子育て施策、今、部長がおっしゃったように重点施策の一つという認識なんですけども、じゃあどうしようか、その質の高い幼児教育・保育を確保するための線引きを誰がどこで引くのかというところだと思います。
  税金は、やっぱり限りがあります。だから、部長とか担当部局が、ここまでという線引きがあるのはいたし方がないんですけれども、しかしながら、教育の専門職は現場の方です。行政の方は、事務のプロです。ですから、なるだけ税金を使わないようにするといったものと教育の質の確保といったもののせめぎ合いの中で、誰がどこで線引きをして、ジャッジをするのかといったことで、現場の声を聞くと、諦めざるを得ないといったことがたくさんあると聞いている中で、それはやはり市長判断になると思うんですね。
  税金をどこまで使えるか、質の高い幼児教育、就学前教育については、どこまで現場と一緒になって共感をして使えるかといったことは市長判断になると思うんですけれども、また市長におかれましても子どもは社会のクリスタルということで、テーマで当事者の方とも懇談しておられますが、そういった中で就学前教育に関する予算措置についての市長の思いをお伺いしたいんですけれども、もし思いがあれば、よろしくお願いいたします。
○議長(西田 剛)
  橋川市長。
○市長(橋川 渉)
  子育て支援の充実、あるいは教育の充実というのは、私にとりましても最大の重点施策として捉まえて、これまでも実施をしてまいりました。「子どもを産み育てるのなら草津市」と言われるようなまちづくりを目指してまいりたいと、改めて思っておるところであります。
  そういった中で、予算の配分をどこに重点的に選択と集中をしていくかというのは、最終的には私の段階での調整、判断になって、それを議会にお示しをし、御審議を願うということになろうかと思います。
  そういった中におきまして、三現主義という言葉もございましたが、現場の声も大切にしながら、今後の子育て支援、あるいは就学前教育の充実に向かった予算の編成に当たってまいりたいという思いでございます。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  ということで、満額回答までは望みませんが、しっかりとまた現場のお声を、意見を反映された施策を、予算措置をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  それでは、次に教育委員会との連携についてお伺いいたします。
  幼児期から小学校への接続が大変大事であるということは十分認識がされていることですが、教育委員会として、新たに子ども・子育て支援新制度スタートに伴い、保幼小の連携、接続をどのような施策で対応されていくのか、お伺いいたします。例えば、接続カリキュラムの作成等、具体的に対応されていることや予定があれば、お伺いいたします。
○議長(西田 剛)
  宮地教育部理事。
○教育部理事(学校教育担当)(宮地 均)
  教育委員会といたしましては、新たな子ども・子育て支援制度につきまして、子どもの豊かな育ちと学びを確かなものとしながら、生涯にわたって必要な生きる力の基礎を培い、心豊かで、たくましく生きる子どもの育成を図る上で有効な制度と捉えております。保幼小の交流などの施策を重視し、教職員間の交流や子ども同士の交流を一層充実させたいと考えております。
  今年度は、学校経営管理研修会を保幼小中合同で実施をいたしまして、管理職レベルで幼児期から義務教育修了までの教育について、協議や研修を行っているところでございます。
  また、保幼小の滑らかな接続に向けて、小学校入学時の相談体制を充実したり、幼保と小学校が協力して作成する「アプローチカリキュラム」を踏まえ、小学校入学後の「スタートカリキュラム」の見直しを図ったりする予定であります。
  今後も、市長部局と教育委員会との連携をより一層密にして、草津市子ども・子育て支援事業の成果が発揮できるように努めてまいりたいと考えております。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  幼稚園の所管が、子ども家庭部の補助執行になってから、やはり幼稚園の現場の方としては、教育委員会としてのかかわり方が少なくなったという実感を持っておられるわけです。そういったカリキュラム作成ですけども、まず学びとか発達というのは連続性のものですので、保育園とか幼稚園の先生方は、実際現場に来て、実際5歳児の子どもってどんな発達、どんな学びをしているかということを現場に見に来てほしいというお声もあります。
  例えば、夏休みの期間に5日間見に行くとかですね、現場に入って。だから、1年生になったから全員が横並び、一斉にこれができるといったことは不可能なことであって、その子にとっては連続性のものですので、そういったところの接続をしっかり実感しながら見ていくことが大事だなということも伺っております。
  特に、接続について送り出す側と受け入れる側との接続とか連携の関心に差があるということも言われておりまして、その中では、やはり発達の連続性といったものの捉え方が違うのかなということがありますので、今後とも、さらにまた推し進めていただければと思います。
  最後にですね、さきに紹介いたしました尼崎市のような就学前教育への基本的な考え方を教育委員会としてどのように共有し、かかわっていかれるのか、お伺いをいたします。
○議長(西田 剛)
  宮地教育部理事。
○教育部理事(学校教育担当)(宮地 均)
  教育委員会では、就学前教育への基本的な考え方を草津市子どもが輝く学校教育充実プログラムに掲載し、共通の理解のもと、幼保小の円滑な接続を推進していくように努めております。
  具体的には、保幼小の公開授業や連絡会、研修会を通して交流し合い、相互の保育・教育内容を理解することが大切であると考えております。そこで、平成26年度の草津市子ども・子育て支援事業計画策定に当たり、子ども・子育て審議会に参加し、就学前教育について検討してきたところでございます。
  さらに、本年度は、玉川幼稚園と玉川小学校が共同で幼稚園と小学校をつなぐ効果的な実践を研究し、モデル校として授業研究会を開催する予定でございます。この研究成果を踏まえまして、市内全ての小学校で幼保と小学校の連携を進めてまいりたいと考えております。
○議長(西田 剛)
  西垣議員。
○16番(西垣和美)
  最後の質問は、理念というか就学前教育の基本的な、どのように草津市の子どもを目指すかという考え方の共有の質問だったんですけれども、接続というよりかは大きな意味での就学前教育の考え方ですけども、例えば第1回の子ども・子育て会議で、委員の方から質の確保という点について、幼稚園教育が、どこに、どのように組み込まれていくのかといった御意見とか、また日本の中学生の自己肯定感が低い。それを踏まえて、就学前教育をどのようにするのかといった御意見もありました。そういったことも踏まえて、やはり就学前教育を充実させることが――先ほどの予算確保とも連携しますが――それが就学後も、しっかりとした学び、生きる力につながっているということを、私が申し上げることはないと思うんですけれども、そういったことをやはり常に共有をしてビジョンをしっかり、カリキュラムじゃなくて理念を共有していっていただきたいというのが、私の現場からのお声を聞いた上での思いを持っているところです。
  まだまだスタートしたばかりですので、これからも鋭意その就学前教育との連携、また目指す子どもの姿を就学前教育から描いていっていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
  以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。
  ありがとうございました。

市民相談

皆様の思いを承りました。

4月度の市民相談の分野別
道路関係 7
医療介護関係 3
障がい者の方に関すること 4
お金に関すること 4
市役所関連 5
法律関連 0
教育 5
交通 0
その他 11
合計 39

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