2017年3月

 おはようございます!草津市議会議員の西村隆行です。
 2月27日から3月27日まで草津市議会2月定例会が開催されています。
 先日の3月7日が代表質問でした。質問内容と市長及び教育長答弁をご紹介します。
 代表質問は質問を一括でして、答弁も一括でありますので、わかりやすいように質問項目とそれぞれの答弁を分けて投稿しました。長文になりますが、よろしくお願いします。

 公明党の西村隆行です。
 今定例会開会日に行われました、橋川市長の新年度市政方針提案理由説明に対しまして、また、3期目の2年目を迎えられ今回上程されました過去最大の一般会計当初予算案について、これからの10年20年先の草津市を考えながら6点お聞きします。

質問:一般当初予算案について
 ○将来の草津市にとって必要な予算なのか伺う

 最初に、今定例会に橋川市長は「財政運営に関する本市独自の取組等について定め、財政規律を確保し、将来にわたって健全で持続可能な財政運営を行うことをもって、市民福祉の向上に資するため」の「草津市健全で持続可能な財政運営および財政規律に関する条例案」を上程されています。
 この条例案の第3条には「市長の責務」として「市長は、市民の信託に応えるため、予算編成権が自らにあることを自覚しつつ、前条に規定する財政運営の基本方針に基づき、将来にわたって健全で持続可能な財政運営を行うために必要な措置を講じなければならない。」
 また、第4条に「市長は、新たな行政需要を的確に捕捉するとともに、人口動態、社会経済環境の変化等を踏まえた重要性および緊急性のある施策に対して重点的に財源の配分を行わなければならない。」と規定しようと考えておられますが、今回の過去最大の一般会計当初予算案はこの条例案の観点からすると、将来の草津市にとって必要な予算なのでしょうか、お聞きします。

市長答弁
 ただいまの公明党、西村隆行議員の代表質問にお答えします。一般会計当初予算案についてのお尋ねでございますが、今回の一般会計当初予算案の主な増加要因は、市民の日常生活に密着した「クリーンセンター更新整備事業」で約59億8千万円、老朽化した公共施設の集約化と子育て支援の拠点機能も備える「(仮称)市民総合交流センター整備事業」で約9億2千万円、老朽化した施設を更新するとともに平成36年に開催される国民体育大会・全国障害者スポーツ大会に向けた基盤整備、さらに中心市街地のにぎわい拠点となる「野村公園整備事業」で約4億6千万円などの大規模事業の影響による投資的経費で約70億円の増額となったことに加え、待機児童解消に向けた保育所等の定員拡大等の影響により、児童福祉費をはじめとする扶助費で約12億9千万円の増額となったこと等によるものでございます。
これらはいずれも、本市が持続可能な基礎自治体として、まちの魅力や質を向上させ、喫緊の課題に対応するためには、手を打つ時期を逸することなく、「未来を切り拓き、未来を築く」施策展開が重要であり、どれも必要不可欠な事業であることから、結果として過去最大規模の予算になったものでございます。平成29年度当初予算案につきましては、「草津市健全で持続可能な財政運営および財政規律に関する条例案」および「財政規律ガイドライン」の各財政指標に留意するとともに、施策・事業の優先順位の的確な選択を行い、喫緊の課題解決に対応する事業をはじめ、早期に取り組むべき重点施策等に財源を戦略的に配分すること等を意図して編成したものでございまして、将来を見据えた予算になっていると考えております。

質問:第5次草津市総合計画第3期基本計画(案)について
 ○「第5次草津市総合計画第3期基本計画(案)」における「草津市健幸都市宣言」はあくまでも一つの施策なのか伺う

 次に、昨年の11月定例会での一般質問で、今、橋川市長が積極的に取り組まれている(仮称)草津市健幸都市基本計画(案)について、昨年10月からの副市長2人体制はこの計画案に対してどのように機能していくべきかと考えているのかを聞きましたところ、市からは「市長のリーダーシップのもと、両副市長が連携し、それぞれの所管部門に対して迅速かつ的確な指示を行う等、健幸都市づくりに向けた取組も強化したところであり、来年度から計画に基づく本格的な取組の開始に向け総合政策として取組を進めていきます。」との答弁がありました。
 その観点から、今定例会に上程されている「第5次草津市総合計画第3期基本計画(案)」と草津市健幸都市宣言の関連についてお聞きします。
 「第3期基本計画(案)」の冒頭には次のような説明があります。それは「第5次草津総合計画では、中長期的な視野のもと総合的かつ計画的な行政運営を行うため、基本構想において『出会いが織りなすふるさと"元気"と"うるおい"のあるまち草津』を将来に描くまちの姿として掲げ、地方自治の新しい時代にふさわしい自律した草津のまちを目指しています。そのため、あらゆる分野で滋賀県全体を先導する中核的な都市としての自負と責任を持って、市民一人一人が生き生きと輝き、安心して暮らすことができるまちづくりを協働を軸に展開し、草津の人とまちに"ふるさと草津の心(シビック・プライド)"が育まれるよう取り組みます。」とあり、さらに「この基本構想の実現のため、市内外における状況を把握しながら、市民のニーズの変化をはじめ、市政を取り巻く様々な環境の変化に対応する等、市域の課題解決により、より良い市民サービスの提供を行うべく、市民や各関係団体との連携・協力のもと、草津市自治体基本条例に基づく市営運営の考え方や、草津市協働のまちづくり条例に基づくこれまでの協働のまちづくりの流れを踏まえ、第3期基本計画を策定しました。」とあります。
 本来、あらゆる分野で滋賀県全体を先導する中核的な都市としての自負と責任を持っている草津市であるならば、「草津市健幸都市宣言」のことがここで主張されているべきではないでしょうか。
 確かに、「基本構想および第3期基本計画に基づく草津市のまちづくりを先導、けん引するために、第3期基本計画期間中に重点的に取り組む4つのリーディング・プロジェクト(重点方針)」の一番目に掲げておられます。
 この「リーディング・プロジェクト(重点方針)」とは第5次草津市総合計画の「将来に描くまちの姿」である、「出会いが織りなすふるさと"元気"と"うるおい"のあるまち草津」を実現するため、また、第5次総合計画のまちづくりの仕上げの段階、次期総合計画へのつなぎの段階として、これまでの取組を継承しつつ、新たな展開も加えて、それぞれの分野を横断しながらも、草津市のまちづくりを先導・けん引する方針ですが、他の3項目、すなわち、「子育て・教育の充実」「"まちなか"を活かした魅力向上」「コミュニティ活動の推進」もすべて「草津市健幸都市宣言」に必要な要素でありますので、同列にしておくのは、いかがなものでありましょうか。
 さらに、今回上程されました議案の基になっている「第5次草津市総合計画第3期基本計画(案)」の概要版には比較的大きく「健幸都市」の文字が2か所表示されていますが、62頁におよぶ説明書の5頁から始まり60頁までの「分野別の施策」の中には全く表示がありません。
 そもそも、草津市健幸都市宣言の「住む人も、訪れるひとも、『健幸』になれるまち」とは、「出会いが織りなすふるさと"元気"と"うるおい"のあるまち草津」ではないのでしょうか。
 「第5次草津市総合計画第3期基本計画(案)」における「草津市健幸都市宣言」はあくまでも一つの施策でしょうかお聞きします。

市長答弁
 次に、第5次草津市総合計画第3期基本計画(案)についてのお尋ねでございますが、第3期基本計画で掲げたリーディング・プロジェクトである『「健幸都市」づくりの推進』は、市の総合政策として、全市的な取組へと発展させる必要がある最重点プロジェクトとして位置付けておりまして、横断的な取り組みが求められるものでございますことから、特に重点的に推進していくものとして、4つのリーディング・プロジェクトの1番目に位置付け、具体的な方針や取り組みの内容等につきましては、個別計画であります健幸都市基本計画の中に具体的に位置付けたところでございます。健幸都市基本計画における基本理念であります「住む人も、訪れる人も、健幸になれるまち」は、基本構想で掲げる将来ビジョン、「出会いが織りなすふるさと"元気"と"うるおい"のあるまち草津」を実現するための手法でございまして、第3期基本計画における最重点政策という位置付けで、取り組んでまいろうとするものでございます。

質問:持続可能な開発目標について
 ○市長の取組の考えをお聞きし、草津市の教育施策にどのように取り入れていくべきと考えておられるのか伺う

次に、 我が公明党の山口代表は今国会における参議院での代表質問に次のように確認をされています。
 それは「人間の安全保障」として、「深刻化する貧困や飢餓、感染症など国境を越えた脅威から人々を守る「人間の安全保障」――その理念に立脚した持続可能な開発目標2030アジェンダ(SDGs)がスタートして1年が経過しました。
その取り組みを促進するため、わが国は、NGO、NPO等の多様な主体と連携しつつ、積極的な貢献を果たすべきです。
具体的には、わが国の知見・経験を生かした『防災の主流化』を進めることが重要です。『1ドルの防災事前投資が7ドルの復興コストに匹敵する』といわれるように、防災は、人命を守るだけではなく復興コストを抑制し、貧困撲滅と持続可能な開発に寄与します。
また、『誰一人取り残さない』とのSDGsの理念は、広く未来を担う子どもたちの心に深く刻んでほしい重要な考え方です。そのため、教育の中に、具体的には学習指導要領に基づいてSDGsに関する学習を進めることを強く求めたい。」と。
この質問の中の「防災の主流化」とは、各国政府が、「防災」を政策の優先課題とし、全ての開発政策・計画に「防災」を導入して「防災」に関する投資を増大させることを主旨としている言葉です。

この山口代表の質問に安倍首相は「、(SDGsについて)誰一人取り残さないとの理念は、広く未来を担う子どもたちの心に深く刻んでほしい。2020年度から開始される新しい学習指導要領に基づく教育課程や教材の改善、充実を推進していく。」と答弁をされておられました。 
 ここでその17項目の目標を紹介します。
「目標1 貧困をなくすこと 世界中の、あらゆる形の貧困を終わらせる」
「目標2 飢餓をなくすこと 飢餓(長い間食べられず、栄養が足らなくなること)をなくし、生きていくために必要な食料を安定して手に入れることのできる権利を保障し、栄養状態を良くして、持続可能な農業をすすめる」
「目標3 健康であること 何歳であっても、健康で、安心して満足に暮らせるようにする」
「目標4 質の高い教育 だれもが平等に質の高い教育を受けられるようにし、だれもが生涯にわたってあらゆる機会に学習できるようにする」
「目標5 ジェンダーの平等 すべての人が性を理由に差別されないようにし、すべての女性や女の子に力を与える」
「目標6 清潔な水と衛生 水と衛生的な環境をきちんと管理して、だれもが水と衛生的な環境を得られるようにする」
「目標7 再生可能エネルギー 価格が安くて、安定して発電でき、持続可能で近代的なエネルギーすなわち、薪や炭などを燃料とするエネルギーではなく、電気やガスなどのより新しいエネルギーをすべての人が使えるようにする」
「目標8 適切な良い仕事と経済成長 自然資源が守られ、みんなが参加できる経済成長を進め、すべての人が働きがいのある人間らしい仕事をできるようにする」
「目標9 新しい技術とインフラ 災害に強いインフラをつくり、みんなが参加できる持続可能な経済発展を進め、新しい技術を生み出しやすくする」
「目標10 不平等を減らすこと 国と国の間にある不平等や、国の中での不平等を減らす」
「目標11 持続可能なまちと地域社会 まちや人びとが住んでいるところを、だれもが受け入れられ、安全で、災害に強く、持続可能な場所にする」
「目標12 責任を持って生産し、消費すること 持続可能な方法で生産し、消費する」
「目標13 気候変動への対策 気候変動や、それによる影響をとめるために、すぐに行動を起こす」
「目標14 海のいのちを守ること 持続可能な開発のために、海や海の資源を守り、持続可能な方法で使用する」
「目標15 陸のいのちを守ること 陸のエコシステムすなわち、生態系。自然の生き物と、生き物が暮らす環境とが、バランス良くなりたっている仕組みを守り、再生し、持続可能な方法で利用する。森林をきちんと管理し、砂漠がこれ以上増えないようにし、土地が悪くなることを止めて再生させ、生物多様性すなわち、たくさんの種類の生き物が複雑に関わり合い、様々な環境に合わせて生きていることが失われることを防ぐ」  
「目標16 平和で公正な社会 持続可能な開発のため、平和でみんなが参加できる社会をつくり、すべての人が司法すなわち、法律に基づいて裁判や手続きを利用でき、地域・国・世界のどのレベルにおいても、きちんと実行され、必要な説明がなされ、だれもが対象となる制度をつくる」
「目標17 目標のために協力すること 実施手段すなわち、目標達成のために必要な行動や方法を強化し、持続可能な開発に向けて世界の国々が協力する」
以上が17の目標であります。これはお子さん向けの「私たちが目指す世界 子どものための『持続可能な開発目標』~2030年までの17のグローバル目標」から紹介いたしましたが、確かに草津市だけでは達成できないことではありますが、今から少しでも取り組んで行かなければならないことと確信します。
平成26年2月定例会の西垣和美議員の代表質問に、「持続可能な開発目標」の前身の一部としての、学校教育におけるESDについて次のように質問されています。
「先月2月10日、草津市の笠縫東小学校と渋川小学校に、環境省の副大臣と政務官の視察がありました。ESDのモデル校の視察で、いずれも子どもたちがすばらしい発表をし、副大臣、政務官ともに大変感動されていました。モデル校として渋川小学校で取り組んでいるESDの実践については、体系立てられた総合的な環境学習です。
ESDとは、持続可能な開発のための教育の頭文字をとったものです。ユネスコの定義では、私たちとその子孫たちが、この地球で生きていくことを困難にするような問題について考え、立ち向かい、解決するための学びです。ESDは、持続可能な社会の担い手を育む教育ですとあります。
ESDは、2002年の国連総会において、『国連持続可能な発展のための教育の10年』とすることが決議され、本年が最終年となりますが、環境、経済、社会の各側面からの総合的な学習であり、生きる力や人格形成、社会性、多様な共生社会の視点と、子どもの発達や持続可能な社会の構築への人材育成ができるカリキュラムだと思います。
草津市において、このESDの理念、視点を持った教育を全ての学校に導入することについての所見をお伺いいたします。」とありました。
このときの市の答弁は「現行の学習指導要領では、持続可能な社会の実現を目指して主体的に社会に参画する資質や能力の育成が求められており、本市では全ての学校において進められております。
さらに、各校においては、地域の特色を生かした教材を開発したり地域の人々とのつながりを構築したりするなどの取り組みを推進しております。
特に、県教育委員会の「しが環境教育リーディング事業」の指定校では、ESDの理念に基づいて、学区の特徴を生かし、地元の大学、企業、町内会等と連携した学習プログラムを実践され、市のスペシャル授業では、自分たちのふるさとである学区について詳しく調べ、その成果を子どもたちがパネルディスカッションで交流し、講師として招聘した文部科学省課長補佐・学校教育官から高い評価を受けた学校もあるなど、今後に期待できるものは大きいと考えております。
教育委員会といたしましては、市内の各校がこれらの先進的な実践に学ぶ機会を設けるとともに、それぞれの学校においても、地域や子どもの実態に即しながらESDの理念を生かした教育がより一層推進されるよう、指導及び支援をしてまいりたいと考えております。」とありました。
この経緯から、「持続可能な開発目標」に対して橋川市長の取組の考えをお聞きし、草津市の教育施策にどのように取り入れていくべきと考えておられるかお聞きします。
教育長答弁
「持続可能な開発目標について」のお尋ねでございますが、未来を担う子どもたちの育成にあたって重要な要素であり、本市教育においても、持続可能な社会づくりの担い手を育む教育の実現に向けて、「だれもが平等に質の高い教育を受けられるようにし、だれもが生涯にわたってあらゆる機会に学習できるようにする」ことに取り組まなければならないと考えております。第2期の教育振興基本計画にはこの要素が盛り込まれており、「子どもの生きる力を育む」「学校の教育力を高める」「地域に豊かな学びを創る」の三つの基本方向を踏まえ、その目標である豊かな心と健やかな体の育成、確かな学力の育成、生涯学習・スポーツの充実、文化・芸術の振興などに着実に取り組んでいるところです。また、学校教育においては、子どもたち一人ひとりが、人生を切り拓き、幸福な生涯が実現できるよう、引き続き、ESDの視点も大切にしながら進めてまいりたいと考えております。

質問:高齢者の方々の交通事故対策における免許自主返納について
 ○高齢者の方々の交通事故対策につながり、「草津市健幸都市宣言」の政策にもリンクすると思われる高齢者の方々の免許自主返納 の推進についての市長の考えを伺う

次に、高齢者の方々の交通事故対策における免許自主返納についてお聞きします。
「月刊 公明 2017年3月号」の立正大学心理学部教授の所 正文氏の「高齢ドライバーの交通事故対策を考える~免許自主返納への道筋と交通行政に望むこと~」という記事によると、我が国の交通事故死者数は交通安全に携わってこられた方々の努力によって年々減少しており2016年には4000人を下回ったと報道されています。
ところが65歳以上の方々の交通事故死者数に占める割合は年々上昇しており、2016年には54%台となっているとのことです。
いくら超高齢者社会を迎えているとはいえ、65歳以上の交通事故死者数の割合が65歳以上の方々の人口比率26.7%の2倍以上であるとのことは尋常ではないし、また、高齢者が自動車事故の加害者になるケースが増えてきていると警告されています。
そこで滋賀県の2015年の交通事故発生状況について調べてみると、年齢層別死者数で判明したことは65歳以上の割合は73人中39人でなんと53.4%を占めておりました。特にその中で自動車運転中の方が14人もおられました。
草津市はまだまだ高齢化率が低いのですが、高齢者交通事故に対する何らかの対策に取り組んで行くには決して早いことはないと思っております。
ご紹介した所教授は、その記事に中で、我が国同様に高齢化社会に突入し、一足早く車社会を実現してきた欧州先進諸国の取組を次のように紹介されています。
それは、欧州社会では、高齢者の方々は自分自身が危険と感じたら、自主的に運転免許書を手放す方が多く、同時に自主返納へと導く交通社会環境が整っていることです。その大前提として、交通社会において、自動車が決して優遇されておらず、歩行者、自転車、公共交通機関、そして自動車が交通参加者として対等な社会基盤が形成されていると言われています。
例えば、イギリスでは、市内のあちこちに監視カメラが設置され、駐車違反やスピード違反が厳しく監視されていて、当然違反者には罰金が科され、納付が遅れれば、次々に延滞料金が加算されるシステムが全てのドライバーに一律に適用されているそうです。また、住宅街の道路は、一定間隔ごとにコブ状に盛り上がり、あるいは、道路中央に2本のポールが立ち、一方通行となっていて、これにより必然的にスピードが出せない構造になっているそうです。
そして、ドイツの市内では、自動車と路面電車が遭遇する場合では、基本的に路面電車に優先権が与えられ、街中を移動する場合には、マイカーよりも路面電車を利用した方が短時間で移動できる仕組みになっているそうです。
さらに、欧州の場合、地方都市といえども、一定の公共交通機関が整備されていて、運転を断念しても、高齢者にとってその後の生活にあまり不便が生じていないと紹介されています。
この記事の終わりに、所教授は高齢ドライバー激増時代を目前に控えた現在、欧州の交通社会の状況も踏まえ、次のような提言をされています。
それは、我が国に根強くはびこる自動車優先主義を改めることで、歩行者、自転車、公共交通機関、そして自動車は、交通参加者として対等であるという考え方を交通政策の根幹に据える必要があり、運転断念を強いられた人たちへのさまざまなケアであり、ドライバー本人に対して、老いを受け入れる方向で優しく助言指導できる専門家を育成していく必要があるということでした。
確かに、草津市独自では達成できないことでもありますが、「草津市健幸都市宣言」の基本施策である「出かけたくなるまちづくり」の内容の「歩いて暮らせるまつづくり、安全・安心に配慮した公共空間の整備、賑わい・潤いの向上に向けたまちの環境づくり」 に合致する提言ではないでしょうか。
この、高齢者の方々の交通事故対策につながり、「草津市健幸都市宣言」の政策にもリンクすると思われる高齢者の方々の免許自主返納の推進についての橋川市長のお考えをお聞きします。

市長答弁
次に、高齢者の運転免許自主返納の推進についてのお尋ねでございますが、はじめに、本市の平成27年の交通事故発生状況を報告させていただきますと、年間の交通事故による死者数は6人で、その内、65歳以上の高齢者は3人おられ、その内の1人が、自動車運転中での交通事故でありました。市といたしましては、悲惨な交通事故を一件でも減らすことは急務であると考えており、交通事故を未然に防いでいくための方策の一つに、高齢者の運転免許証自主返納制度がありますが、この制度は、あくまで運転者の自主的な行動が求められるものであり、そのためには、まずは運転者本人に交通安全に対する自覚を促していくことが第一であると考えております。今年の3月12日には、道路交通法の一部改正が行われ、75歳以上の方には、認知機能検査等が厳しくなるなど、この改正について、「広報くさつ」での案内や、市内各公共施設でのチラシ設置等で、周知に努めているところでございます。
また、「ケアマネージャー連絡会議」において、県警本部職員を講師に招き、改正道路交通法や運転免許自主返納高齢者支援制度を理解したうえで、高齢者やその御家族からの御相談に対応しております。今後、高齢者の運転免許証の返納を推進するためには、議員御指摘のとおり、返納後の生活に不便さを感じさせない公共交通機関の充実や、歩行者や自転車の安全、安心に配慮した公共空間の整備が必要であり、また、滋賀県警察で実施されています「運転免許証自主返納高齢者支援制度」でのサービスを検討してまいりたいと考えております。

質問:障害者の方々の造形活動すなわちアール・ブリュットに対する施策について
 ○アール・ブリュットについてはどのように取組んで行こうと市長は考えておられるのか伺う

次に、橋川市長の障害者の方々の造形活動すなわちアール・ブリュットに対する 施策についてお聞きします。
アール・ブリュットとは日本語に訳される場合には一般的に「生の芸術」とされ、「美術の専門的な教育を受けていない人が、伝統や流行などに左右されずに自身の内側から湧きあがる衝動のまま表現した芸術」と解釈されています。
滋賀県においては、「『アール・ブリュット~滋賀からの発信~』として2010年3月から翌年1月まで、フランス・パリ市のアル・サン・ピエール美術館で開催された「外部リンク アール・ブリュット・ジャポネ」展では、滋賀県をはじめ20都道府県から、主に障害がある人たちの絵画や陶芸など約800点が展示され、好評を博しました。
滋賀県には、『この子らを世の光に』と障害者福祉に力を尽くされた糸賀一雄氏をはじめとする多くの先人の努力により、先駆的な取組が進められ、福祉施設等における造形活動の中から、多くの作品が生み出されてきた歴史があります。その作品の中から、アール・ブリュットと呼ばれる作品も数多く表出しています。」
こうした歴史や風土、障害児・者福祉施設における造形活動、地域性など優れた特性や条件を持つ滋賀が、福祉と文化芸術をつなぐ取組を進め、アール・ブリュットの拠点として、国際的に意義ある役割を担い、また、アール・ブリュットが県民の誇る文化となるよう、その素晴らしさを内外に発信していきます!」との目標が表明されています。
先月の2月10日から12日にわたって大津市内の会場で開催されました、「障害のあるなしにかかわらず誰もが住みやすい地域を作ることを目的とした「アメニティーフォーラム21」に参加してまいりました。
この「アメニティーフォーラム21」は、数多くのプログラムが同時進行で開催され、参加者はそれぞれの関心のあるプログラムを選び受講していくというシステムになっており、全国から1000人以上の方々が参加されておられました。
私も、できる限り多くのプログラムを受講させていただき、「障がいをお持ちの方々は素晴らしい可能性をも持っておられる」という考えを新たにしたところです。
そこで、配布された資料の中に公益財団法人である糸賀一雄記念財団の「ほほえむちから 福祉のこころとかたち」というブックレットがあり、それを読ませていただいた観点からお聞きします。
ご存知のように、糸賀氏は「なるべく早い機会に、適切な指導体制にはいるということが、その子の生涯の幸不幸にかかわってくる」との認識から「早期発見・早期療養システム」を推進されました。
また、「重い障害があっても一人ひとりがかけがえのない生命を持つ大切な存在であり、その生きる姿への人々の共感や共鳴が社会を変えていく力になる」と信じ、「そうした子どもを持つ親たちが子どもとともに育ち行動することで社会の変革につながると考え「手をつなぐ育成会」の設立に尽力されました。
さらに、知的障害者のための法律制定の必要性を認識され、現在の「知的障害者福祉法」の前身である、「精神薄弱者福祉法」の策定に尽力されました。
そして、障害者の方たちの造形活動を認められ、現在の障害者の方々の造形活動が大きく広がりをみせている礎を築かれました。
今ご紹介しました、4つの項目のうち、障害者の方々の造形活動についてはまだまだこれからであると思っております。今回の「アメニティーフォーラム21」においても滋賀県知事はじめ、多くの知事が推進を提案されていました。また、市長室のまわりにもアール・ブリュットで有名な澤田さんの作品が展示されています。
今、草津市では来る6月定例会上程予定で「草津市文化振興条例(案)」を作成すべく取り組んでおられまして、現在、今月末までの期間、パブリックコメントを募集されておられます。
条例案の第12条には「市は、高齢者、障害者等の社会参加を促進するため、これらの者の自主的な文化活動を支援するとともに、参加しやすい環境の整備に取り組むものとする。」とあります。
この障害者の方々のアール・ブリュットについてはどのように取組んで行こうと、橋川市長考えておられますかお聞きします。
教育長答弁
次に、障害者の方々の造形活動すなわちアール・ブリュットに対する施策についてのお尋ねでございますが、近年では、国内外でアール・ブリュットの日本人作家の評価が高まっていることなどから、平成32年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、我が国の文化や魅力を世界に示すため、アール・ブリュットを全国的な取り組みにする動きがあるほか、滋賀県においても、障害者アート公募展である「ぴかっtoとアート展」を開催され、国の内外で大きな広がりが見られます。そのため、現在、制定に向け取り組んでおります草津市文化振興条例案では、高齢者、障害者等の文化活動について規定しているところでございますが、アール・ブリュットの推進につきましては、その具体的な施策の一つとして検討しており、来年度の(仮称)草津市文化振興計画の策定作業の中で詳細を詰めてまいりたいと考えているところでございますので、御理解賜りますようお願い申しあげます。

質問:監査制度の独立性と専門性について
 ○草津市として監査制度の独立性と専門性について必要と考えているか伺う
○これまでの取組とこれからの取組を伺う

最後に監査制度の独立性と専門性についてお聞きします
第31次地方制度調査会の答申に次のようなところがあります。それは「監査主体の独立性とは、監査を受ける者から独立して監査機能を発揮することであると考えれば、外部監査制度の充実や外部の専門的知見の活用等、外部の視点からの監査を充実することや、監査の実施に当たっての監査委員の権限を拡充することによって、監査の独立性の向上につながると考えられる。」というところです。
平成26年3月14日の予算審査特別委員会において、「外部監査」導入について質問したところ、市の答弁は「今後の考え方でございますけども、今の監査委員制度の見直しも地方自治法の抜本改正の中でたたき台の一つとして挙がっております。この見直しはまだその議論が済んでない状況でございますのでその辺を注視して、今後の方向性を見出していきたいと考えているところでございます。」というものでした。
草津市として監査制度の独立性と専門性については、必要と考えておられるのでしょうかお聞きします。
そして、先ほどの答申を踏まえた地方自治法改正案については詰めの作業が総務省で進められていますが、地方自治体の監査を支援する協同組織創設は当面見送り、各自治体が内部統制の強化に向けて監査基準をつくる際の指針を国が設ける方針を盛り込む方向と言われておりますが、草津市としては平成26年3月14日の予算審査特別委員会での答弁以降、また、第1次行政システム改革推進計に挙げられていた外部監査導入の計画があったと思いますが、国の方針を待っていただけでしょうか、草津市として何か取り組まれたのでしょうか、また、これからはどのように取組まれていかれるのでしょうかお聞きします。

市長答弁
 次に、監査制度の独立性と専門性についてのお尋ねでございますが、監査制度が備える独立性と専門性の向上は、市政の健全性および透明性の確保のため有益であると考えており、一部の事務事業には個別外部監査制度を導入しております。次に、本市における外部監査制度の導入につきましては、現行の監査委員監査制度を外部の目から補完するという観点から有用であると認識しておりますが、包括外部監査制度につきましては、地方自治法上義務付けのない自治体への導入が進んでいない状況も把握しているところでございます。包括外部監査制度の導入の是非に関する具体的な方向性は定まってはおりませんが、導入事例における様々な意見・評価、地方自治法の改正の趣旨や費用対効果などの面から引き続き研究を行ってまいります。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。これからもがんばりますのでよろしくお願いします。
                                  2017年3月9日午前9時51分

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