「閉会日」

 先ほど、草津市議会10月定例会が閉会しました。決算認定・補正予算案等27件と請願1件と議員提出議案2件を可決いたしました。  議員提出議案のうち意見書第4号「国民生活の破壊につながるTPP参加に反対する意見書(案)」には、TPPに対して大きく意見がわかれていますので、一方的に「国民生活を破壊」するとは決め付けられないので、この意見書第4号を採択することには反対しました。くわしくは次に、意見書第4号と私が討論させていただいた反対討論の内容を紹介させていただきます。  「意見書第 4 号」 国民生活の破壊につながるTPP参加に反対する意見書(案)  野田内閣は、11月のAPEC(アジア太平洋経済協力機構)首脳会議に向けて、TPPに参加する動きを強めています。これに対しJAをはじめとする農林水産業団体や日本医師会、消費者団体など広範な団体からTPP参加に反対する運動が起こり、国会には350人を超える国会議員が紹介議員となりTPP交渉に反対する請願が提出されました。 TPPは、関税の原則撤廃を行い、農産物の輸入を完全に自由化し米の生産では9割減少、食料自給率は40%から13%(農林水産省試算)と激減し、農林漁業と国民の食料に大打撃を与えます。また命を支える食料の大半が外国頼みになり、国土も環境も荒廃してしまいます。 さらに、東日本大震災で大きな被害を受けた東北3県の農林水産業は基幹産業としても大打撃を受け、TPP参加の強行は、被災者の生活と生業再建の基盤を壊し復興への希望さえも奪うものです。また、農業以外にも「非課税障壁」撤廃の名の下に、食の安全、医療、金融、保険、官公需、公共事業の発注、労働など、国民生活のあらゆる分野に深刻な影響をもたらすものです。 TPP参加によって日本で「恩恵」を受けるのは、自動車・電機などの一部の輸出企業だけで、その利益と引き換えに国民の命や暮らし、農業や食料、地域経済を壊し、国の主権を売り渡すものです。 よって、日本の農業と地域経済、食の安全を守る立場から下記のことを強く求めます。   記   1.農業・地域経済、国民生活の破壊につながるTPPに参加しないこと。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 「意見書第4号に対する反対討論」  今定例会に上程されました、意見書第4号「国民生活の破壊につながるTPP参加に反対する意見書(案)」に対しまして、草津市議会会派、草政会、市民派クラブ、新生会、プロジェクトK、公明党を代表しまして反対の立場から討論いたします。  野田政権は、今月11日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)において環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加することを表明されました。  確かにTPPが国民生活にとって利益をもたらすものなのか、そうではないのかが明確にされていないのに交渉に参加することに対して国民の多くが疑問を呈されている状況です。  TPP参加に大いなる不安をいだいている方々の間ではいくつかの疑問が呈されています。  例えば、TPPに参加した場合の農業への影響については、いかに農業を強化・維持するか、財源を含めた具体策を示さなければ農家の皆さんの不安は解消できないとか。  また、TPP参加交渉で公的医療保険は議論の対象になっていないと政府は説明するが、米国が民間保険や医薬品のあり方などで日本に門戸開放を求める可能性は十分あり、その国民の心配に、どう対応するかという政府の基本姿勢をもっと説明するべきだとか。  また、TPPを米国と日本の実質的な貿易ルールだと考えると、TPPだけが選択肢なのかどうかも考えないといけないとか。  また、アジアを含めた国際社会の中で、日本がどういう戦略で貿易ルールを整えていくのか。その大きな戦略の中でTPPがどんな位置付けを果たすのか、もっと説明しなくては駄目だとか。  ところが、TPP参加に賛成している方々からは次のような意見が起こっています。  それは、経済効果に関しての意見です。  10年前に比べた輸出量は日本が1.1倍だが、韓国は2.8倍になっています。日本が輸出の勢いで韓国に差を付けられた背景の一つが、貿易自由化の出遅れと言われており、関税を取り払い、域内貿易の活性化を狙うTPPは、遅れを取り戻せるかの試金石になるのでないかという意見があります。  貿易自由化の恩恵は輸出で稼ぐ大企業だけではなく、TPP参加で税関手続きが簡素になれば、中小企業にも海外市場開拓の道が開けます。さらに中小企業がつくる部品は、大企業の最終製品に組み込まれて間接的に輸出されることが多くなるので、海外の関税撤廃や手続きの簡素化で、直接輸出だけでなく国内の輸出企業への出荷も増えることによって、TPP参加の恩恵は、中小企業にも広く及ぶとの意見もあります。  このように情報が錯綜し、判断が難しい状況の中、意見書第4号は、TPPについて総合的な立場での利益不利益を判断するまでもなく、一方的に国民生活が破壊されると断じています。  また、TPP参加によって「恩恵」を受けるのは、自動車・電機などの一部の輸出企業だけとの意見も一方的な見方ではないかと大いに疑問を感じるわけです。  今必要なことは、政府においては国民に明確な情報を提供し、TPP参加による利益、不利益の説明、そして、不利益をどう克服していくか、現場の意見を把握しながら慎重にTPP参加に対する議論を深めていくことであります。  よって草津市議会会派、草政会、市民派クラブ、新生会、プロジェクトK、公明党としては、意見書第4号に反対いたします。                              2011年11月14日

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