景観は共有の財産

11月26日、第一回目の「草津市景観計画策定委員会」が開催されました。
草津市の景観施策については、議会質問等で要望もしてきましたので、もちろん傍聴に行ってきました。

15名の委員の紹介のあとに、選任された委員長から、就任の挨拶の冒頭、景観条例を策定する上で2点の大事な視点について話されました。
一つは、人は見かけによらない、と言われるが、景観は外観、目に見える外観、表れた形でその理念がわかる、という話しをひかれ、景観はみんなの共有の財産である、ということ。土地や建物は確かに個人の財産です。が、個人の財産であっても、景観は公共のものである、という理念が大事であるということです。
二つ目に、景観条例は、他の法律と違って自治体の委任条例であり、各自治体で意思決定をして決めていく条例であるということ、つまり地域独自の自らの視点での方向性を持つもの、持てるもの、そのためには、住民の意思のもとで決められるべき条例である、ということでした。
この2点については、大いに共感でき、これから景観条例を作っていく上で、しっかり押さえていってほしい点であります。国の景観法にも、景観は「国民共有の財産」と謳われています。私たちも、旅行等で他市に訪れた時、その地域に降立ったときの風景から、その地域の文化や住んでいる人たちの生活の匂いを感じるものです。

周囲の環境と調和が取れている中、もし一つの建物でも奇抜な色や形で調和が乱れるような建物があれば、その周辺の景色が壊されてしまいます。また、一度壊してしまった風景は元に戻すことが不可能であったり、大変な時間と労力が必要です。風景や景色は、過去から引き継がれたものであり、また、未来にも残していくべき共有の財産であることは、誰もが否めないことだと思います。
だからこそ、行政の押し付けでない、住民の意思でもって、その地域独自の景観をどのように形成し、守り、残していくのか、という住民の意思による視点が大事です。その住民の意思をどのようにくみ上げ、条例に反映させていくのか、委員会では、その点も、種々意見が出ました。今後に期待したいと思います。

10月から11月にかけて実施された市民アンケート結果からは草津市の景観で魅力を感じる景観、という問いに第一番目として「対岸の山々を背景に琵琶湖を望む景観」が上がっていました。
多くの市民の方々は、琵琶湖からの景観に魅力を感じておられるようです。

草津市はコンパクトな町でありながら、山あり、湖あり、田園あり、近代的な都市部etc...あり、とほとんどの要素が揃っているまちだと思います。

その琵琶湖の景観について、委員のかたから考えさせられる発言がありました。
居酒屋での談話で、あるマンションに住んでいる人が「今日も琵琶湖がとてもきれいに見えて本当に良かった」という話に、別の人が「マンションが建ったお蔭で、自分たちは琵琶湖が見えなくなった」というやり取りで気まずいムードになった、ということです。
景観において、高さについては、かなり問題になることは、京都の高さ規制や、マンションの建設反対運動からも周知のことです。出来るだけ、土地の効率的な利用を促進しようとすれば高度利用が図られ、そのために周辺の住民の環境や眺望の権利が侵される、という問題が生じます。
私も、建物の高さは景観に非常に影響が大きいと感じています。

この問題については、行政にとっても大変頭が痛いことであり、草津市もこの判断をどうしていくのかが問われると思います。

景観についてはこの高さだけでなく、たくさんの視点があります。
これまでは草津市として、あまり視点(認識)がなかった景観についてようやく行政が着手したことに多いに期待するものであり、注視していきたいと思っています。

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