情報の発信

 27日付の京都新聞の滋賀版の地域ページにあった「彦根工生、全国大会へ」という記事で、彦根工業高校建設科の2年生の小野君という生徒さんが、福井で開かれる「高校生ものづくりコンテスト全国大会」木材加工部門に出場する、という内容がありました。
 小野君は、愛荘町に工房を持つ宮大工さん(78歳)からの直伝で、のみや、のこぎりを体得され県大会で2位、近畿大会では、優勝されています。
年齢の差が78歳と17歳という60歳も離れている師弟の姿を想像しながら、伝統工芸の後継者が少くなってきていることへの危機感を感じていていることもあり、若い方に日本の誇れる伝統技術の継承がなされていることに、安心を覚えました。
それだけに、小野君が、宮大工さんに弟子入りしたきっかけは何だったのだろう、と興味深々です。日本の伝統工芸品の精巧さ、ち密さは、世界に誇れる技だと思いますが、早くて安い、大量生産の時代の流れの中で、様々な分野での伝統の技術をもった職人さんがあと数人です、とか、あと一人です、とかという話を聞くたびに、悲しくなります。

 ついでにもう一つ、気になった記事を紹介します。同日付けの社説の「閣議の議事録」ですが、政府が閣議と閣議懇談会の議事録を作成し、原則として30年後に公開する方針を決めた、とありました。
 えっ!?これまでなかったの!?との話ですが、記事にも、行政の最終的な意思決定の場である閣議に議事録がなかったことは問題である、と記されてもありますが、それでもまだ前進した、とのことです。
 この作成のきっかけが、福島の原発事故への対応を協議した政府の会議が議事録を残していなかったことが判明したことによるものです。う~、怒れる怒れる(-_-)/~~
なかったこともしかりですが、30年後の公開、ということも、外交や安全保障で支障が出る、という理由はあるにしても、ちょっと、長過ぎ、と思いますよね。

 昨今、市民自治が叫ばれ、行政も市民参加、参画を推進し、情報公開を進めています。草津市も、「草津市自治体基本条例」の中で、政策過程における、市民参加と情報公開をうたっています。行政は、パブリックコメントという手法で、政策や条例を決めるときに、素案の段階(ほぼ出来上がった状態)で、市民の方々に、意見を募っていますが、これからは、政策が形成される過程そのものに、市民参加を進めていかなければなりません。
最初の課題設定、政策の立案、手法の選択、それぞれに意思決定される場面があります。今後はますます、各自治体がどのような市民参加の手法をとり、情報公開をしていくかが問われる時代です。
 ただし、現状は、市民の方々が市政にどれだけ関心を持っておられるか、パブリックコメントの数からみると、非常に少ないと感じます。まずは、情報発信から考えていかなければならないし、それは、議会も同じで、市民と議会の懇談会でも、議会の情報発信については、多くのご要望、ご意見がありました。
 議会改革の特別委員会も、11月より、再スタートします。これから一年間、頑張っていきます。
 ご意見やご提言、またよろしくお願いします。

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コメント(2)

議会改革に関しても一所懸命に取り組まれていますね。西垣さんのブログやFBで御意見を読ませて頂く、そのお陰で、全く政治音痴な私も意識をもつことができます。やはり、熱意のある人から伝播して行く原理は何ごとも同じようですね。議員さんが「議会改革」に情熱をもって取り組み続けるられることで私のようなものでも意識していきます。頑張って下さい。政治の大きな役割の(大きな)一つは「困っている人」へ政治の手をさしのべる事なのではいかと思います。市民の声は、議員さんがそいう意識で市内を歩く事がまず大きな議会革命につながる行為のように思います。貴党の最大の特徴でもある市民相談の取り組みや事ある毎に「総点検運動」はまさにその極ではないかと思います。又、一方で行政側が考えていることを、広く市民に公開して、市民に意見を聞くという点では、西垣さんも指摘されている「情報発信のあり方」には工夫が必要なように感じます。パブリックコメントへの参加が少ないとの指摘で、私も草津市のHPを見ましたが・・。全く政治的なかかわり、行政とのかかわりが日頃ない一般市民がどのようにパブリックコメントに参加すればいいのかなぁと第1印象でした。過去のパブリックコメントの報告をされいますが、やはり、みんなが問題意識があるテーマは少ないなりにも多くの意見がよせられていますよね。例えば「草津川の後地利用」なんかに関しては一番数が多いですね。パブリックコメント制度そのものは価値あると思いますが、それへのかかわり方(門のタタキ方とでもいうのでしょうか)そいう入り口をもう少し丁寧にして頂くだけでももっと声は出せると思いますが・・。それと、テーマの打ち出し方も「市民の生活のこういうところの大事な政策企画なんですよ」と呼び掛けるような努力もあってもいいのではないかなと思います。又、SNSの活用ももっと積極的にされてもいいのではないでしょうか。そうすれば正に生の声が聞こえますよ。ただ生の声を企画立案に反映させるのは、行政側や議員側にその感性が必要でしょうし、市民側の学習も必要でしょうね。しかし、理想的な事を言っても現実は、「熱い人」がいないと何ごとも変わりませんわ。

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