2013年11月

データ収集について

 草津市議会議員の西垣です。
 早いもので、あと一か月で今年も終わります。
 年齢が高くなるにつれ、一年が過ぎるのが早くなる、というのは本当だと毎年実感の度合いも強くなっています。
 12月は、議会もあり、そして、議会基本条例の制定もあり、頑張りたいと思います。
 
 ただ今、議会質問作成に向け、情報収集しているところです。
 最近、特に感じるのが、自治体におけるデータ収集に関することです。それは、自治体は課題発見や政策立案において、もっと草津市のデータ収集し、そしてそのデータを分析することをもっと積極的に、また専門的に行うべきでないかと思っています。
 一見、情報を収集しているみたいにも思いますが、案外、データ収集せずして、立案されていることも散見されます。これまでは、大抵が国のひな形があったので、その多くが人口規模の数値で合わせたり、国が作った基準に合わせたりすれば良かったのですが、国の基準の中に参酌基準という、地域の実状に合わせても良いですよ、ということも多くなってきました。
 では、その地域の実状という説明責任は、どうやって示すのか、ということです。
 それが、私はデータ収集だと思います。多くは、アンケートという形で、市民の意識調査もされていて、草津市では、総合計画の評価の指標にもなっているのですが、これがまたかなりのアバウトな指標だと思っているところです。
 実態を知ることは大切ですし、また行政の先入観や誘導的なバイアスがかかるとそのデータに信憑性が低くなり、これも気をつけなければなりません。 
 また、表に出したくない情報は、そもそもアンケートという手法を取り入れない時もあるでしょう。
 でも、これからは、負の情報もしっかりと出していかないといけないし、マイナスな面を非難する時代でも無いと思います。
 例えば、いじめ、の認知件数の出し方も、そのときどきによって把握の仕方が違います。見つけることを良しとすれば件数が上がりますし、いじめがあるなんて学校の指導力の不足だと、いう認識があれば、より少なく見せたいでしょう。
 それは、目的が数字をどう見せたら、どう評価されるか、ということに視点がいつの間にか向いていることに起因すると思います。また、逆に見る側の認識も同じで、その評価の仕方で出す方も防御してしまうのではないかとも思います。
 データ収集の仕方は様々な手法がありますが、科学的に客観的にその課題に適したアンケートは専門的な技術が必要です。
 個人的には、データ収集の有効な手段として、GISが挙げられるかと思います。
 それと、その施策の対象となる当事者の意見収集です。
 GISは予算措置がかなり必要にもなるようですが、財源が安定した今の時期であれば、導入も可能かと思っています。
 いずれにしろ、各課が施策立案する際には、なるべくデータ収集を用いて課題を発見し、より適切な事業の展開をして頂きたいと思います。
 
 

 草津市議会議員の西垣和美です。
 今年は、夏から急に冬になったような気候で急激に気温が下がったせいでしょうか。
昨年に比べて紅葉の景色が、ひときわ色鮮やかと感じます。行楽地には行けませんが、身近な山や公園、街路樹でも、充分に楽しむことが出来ています。
 
 昨夜遅くにNHKの再放送番組を見ました。テレビはあまり見ないほうで、ましてや連続ドラマはほとんど見ないのですが、唯一、数か月前から見ている連続ドラマがあります。人気のあるNHKの「トンイ」です。
 時間帯も、日曜日の23時からなので、仕事で見られないということもなく、毎週継続して見られるという条件もありますが、構成が一時間の中でうまくされていて、いつもあと終わり5分というところで、手に汗握る展開になり、この続きが見たい!と思わせる終わり方です。また、時代ものなので、衣装や食事、当時の生活や文化を大変興味深く見ています。
 で、終わるのが0時で、日付が変わってからは、朝の連続ドラマの一週間分が5分のダイジェストで版で、その週の話がわかり、これもつい続きで見ています。その後は、必ずドキュメンタリー系の番組の再放送で、テーマによってこれもつい見ていることが多いです。
 と、かなり前置きが長くなりましたが、昨夜の番組が、「認知症800万人時代 "母と息子 3000日の介護記録"」でした。
 これは、元NHKディレクターの相田洋氏が、お母さんの認知症発見から最期を看取るまで、在宅介護の一部始終を3000日にわたり、撮影し続けたものです。大変、貴重な記録であり、 番組ではこの映像記録をもとに、医療や福祉など第一線の専門家が、日本の認知症介護の現実と課題について議論をされていました。
 この番組を通じて思ったことは、介護は、特に認知症の介護は家族の頑張りや愛情だけでは、介護者も、介護される側も、良い状態でいられることは難しい、ということでした。家族の愛情の中に、専門的な知識やアドバイスを取り入れ、利用できる制度は利用してこそ、互いに良い状態の最期が迎えられる、ということを実感しました。まさしく、国が2025年を目指していっている地域包括ケアの姿です。
 その記録をみると、コメンテーターの医師が言っていましたが、「明るい介護」、というものがぴったりでした。とは言っても排便を触ってシーツから部屋から大変な状況ということもあり、時には本気で怒っている映像もありながら、全体として何でも言い合えて、お母さんは大変幸せな最期を迎えられたと思います。生前から、この家で死にたい、と言っておられた願いを叶えるために、途中で同居もされ、主に息子さんがお母さんの移動や着替えをされていて、その補助に奥さんがされ、夫婦力を合せて介護をされていました。これも、どちらか一方に押し付けない介護で大事だと思いました。
 24時間体制で、介護をされていた訳ですが、途中途中で、それぞれの専門の方が、こういう時は、この制度を使えば家族の負担が減らせた、また、お母さんがもっと楽になった、という場面が隋所にあり、実際の記録に沿って、具体的な制度を提示されていて、大変勉強になりました。
 例えば、排便を触る、ということに関して、それぞれの専門家の方々が、食事の工夫、排便のタイミングをリズム化して、起こる事態を未然に防ぐということや、排便を触るのは認知症の症状というよりは、おむつの中で気持ちが悪いので、つい取り除きたいために触ってしまう、といった意見がありました。そういったアドバイスは、本来は、ケアマネージャーや看護師からあるべきだといったことや、また、最後のほうで、嚥下障害をおこし、それから誤嚥性肺炎を起こすのですが、その時も、医学的な見地からの正しいアドバイスがあれば、未然に防げたこともある、家族は、栄養のことを思って一生懸命に食べさせるのですが、それがかえって症状を悪化させていたことであったとか、そして、最後、肺炎で入院をされるのですが、最後は家で、という思いで、病院に自宅に連れて帰りたい、と申し出た時の医師の言葉によって判断ができず、結果として、病院で息を引き取られました。それは、「自宅に帰ったら、何もできない、ということを覚悟して下さい」と言われ、何も出来ない、という医師の言葉で最期まで入院を選択されたわけです。
 それに対しては、訪問看護師の専門家が、治療とケアは違う、ということを言われていました。治療は、出来ないけれど、ケアは自宅でできる、ということを言われました。その伝え方によって、家族はどうイメージして良いかわからないので、この伝え方は、大事と言われていました。
 また、介護保険制度も、当時なかったものもあり、制度も実態に沿うようには変わってはきています。
 この番組を通じて感じたことは、包括ケアの必要性です。そのことは、既に言われていることですが、つまり医療、介護、福祉、地域が一体となったケアです。言うはやすくで、現実はこの連携がまだまだうまく取れていません。特に、介護と医療の連携が難しいと聞いています。
 草津市においては、6中学校区ごとに、地域包括ケアセンターの設置を今年の7月からスタートしたところです。国が理想とする30分以内に駆けつけられる、という設置ではあり、各センター、大変親切に対応されていると聞いてもいますが、今後の、困難を抱えた方々の相談支援も含めての、包括支援センターの『包括』ということの担保をどうするのか、具体的な取り組み、認知症の対応はどうするのか、といった議論はまだまだこれからです。
 また、認知症の初期対応をチームで集中的に支援する国のモデル事業も始まっているようです。
 これから、どの自治体も認知症対策については、真剣に取り組んでいかないといけません。
 
 
 
 
 

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