代表質問終わりました

 草津市議会議員の西垣和美です。
 5日に無事、初めての代表質問終わりました。今議会から、会派の人数によって時間の配分が変わりました。基礎時間20分+一人5分で、公明党会派は二人ですので、20分+10分で30分の持ち時間でした。
 最大会派の草政会は、20分+8人=60分の持ち時間でしたが、35分の質問。もともと、制度が変わったのは、最大会派さんが、民意を表すのに、人数が多いとその分時間が必要、と主張されたのです。それに対して、代表質問は、大きくは政策をテーマにするので、個別の意見の反映ではない、と他の会派とも抵抗しましたが、数の上で、このようになりました。結果は、なぜか、時間は必要なかったみたいです。

 かなり長いですが、質問と答弁を記載します。
 1.≪人口減少時代の住みやすく幸福実現度の高いグランドデザインについて≫
 本年、市政60周年の記念の年にあたり、草津市がこれからの20年後、30年後の人口減少社会、超高齢社会に向けて、意識改革、政策発想の転換等、大きく舵を切っていくスタートの年となるよう、公明党を代表して質問いたします。

 市長が開会日に施政方針でも触れられた「住みよさランキング」において草津市は近畿で第1位となり、特に快適度の部門では全国で第4位となりました。利便度と併せて、上位の要因となった指標をみると、転入・転出人口比率や新設住宅着工戸数や小売業年間商品販売額等があります。指標から考えられることは、市長も、先人への感謝の思いとして述べられたように、草津市が20年前、30年前にまちづくりの計画をした結果が今、表れているということです。たとえば、人口の流入の大きい南草津駅周辺の発展の礎となった立命館大学の誘致は第2次総合開発計画、第3次総合計画での構想であり、30数年前の市の計画が今、東洋経済の指標でいうところの「住みよさ」として表れているものだと思います。まちづくりは、当然20年、30年のスパンでようやく形として表れるものだと思います。
よって、20年後、30年後の草津市のグランドデザインを描いて、その姿に向けて今、着手することが次世代に対する政治家の責任でもあると思います。30年前、20年前は辛うじて、まだ富の分配の時代でもあり、今とは違うグランドデザインを描けたかと思います。これから先の人口減少社会において、住みやすくて、幸福実現度の高いまちづくりのグランドデザインについての市長の所見をお伺いします。

 人口減少時代の住みやすく、幸福実現度の高いグランドデザインについてのお尋ねでございますが、グランドデザインとは、まちの将来像のあるべき姿として、どのように考えるのかという意味でのご質問であると認識いたしております。
 その意味で申し上げますと、第5次草津市総合計画基本構想において、将来ビジョンを「出会いが織りなすふるさと"元気"と"うるおい"のあるまち草津」として表現し、将来に描くまちの姿としており、この表現の中には、ふるさと草津への誇りに基づく高いこころざし、草津の気風、文化などに対する親しみと憧れ、人々が生き生きと輝いている出会いと交流、さらなる未来を拓こうとする自負と責任により得られる将来像や、琵琶湖のほとりの自然環境と人々の活動の調和によって生み出される美しさ、心地よさといった、うるおいと生活の豊かさなどの実現に向けた思いが込められており、これらは20年、30年後においても引き継がれるべき将来のまちの姿ではないかと考えております。
 従いまして、私といたしましては、これから先の人口減少、高齢社会といった将来を見据えて、すべての市民が社会の一員として元気とうるおいを持っていきいきと御活躍いただけるよう、教育と福祉に重点を置き、社会的資源を有効活用しながら、憩いや安らぎに溢れ、市民がわがまちに誇りを感じていただけるまちを目指し、そのような施策を推進してまいりたいと考えております。


2.≪「管理体」から「経営体」の組織へ≫
 昨年度には草津市第2次行政システム改革が策定され、持続可能な共生社会の構築を理念とし、その実現のために、市民自治の活性化と地方政府への転換という二つの方向性を基本的にして「地域経営のための公共の再編」に向けての取り組みがスタートしました。課題として取り上げられているのは、将来的な財源不足、行政の役割の変容、生産年齢人口の減少です。
将来的な財源不足の懸念の背景には、政府等の公的債務残高が1000兆円を超えるという、政府と地方自治体が直面している財政構造の悪化があります。その象徴にあるのが、臨財債と呼ぶ「臨時財政対策債」です。臨財債は、国から地方自治体に財源移転する地方交付税原資が税収減で不足する状況を地方債発行で穴埋めする方法ですが、当初は、2001年度予算限りの措置として導入されたものの、景気低迷により、構造的に長期化し、結果、現在も続いています。草津市では、発行抑制を十分意識されているものの、その残高は全体市債残高の4割を占めるまでになっています。
臨財債の恒常化の解決策として、国からの税源移譲を求めることで解決するかというと、交付税を赤字国債に頼っている現状、本末転倒であるかもしれません。
H26年度以降においては、アベノミクスの経済効果、消費税増税による地方消費税分の増加という歳入増の見込みはあるものの、超高齢社会を迎えるにあたり、中長期先の持続可能な社会の構築のためにも、何かあった時に政府が助けてくれると考えるのでなく、あの手この手で知恵を絞る自治体が、真の地方分権を実践していると評価されるものではないでしょうか。
そのような中で、地方自治体は常にコストパフォーマンスの最大化を考えながら、自ら考えて実行する組織へと生まれ変わらなければなりません。
その自ら考えて実行する組織こそが、「行政経営体」であると思います。
従来の行政体制は、国の定めたルールを正確に実施することに秀でたシステムであり、意思決定を行うのに、幾度なくチェックを重ね、間違いをしないことが重視され、評価は「成果」でなく「活動」といったいわゆる「行政管理体」でありました。現時点では、草津市はいまだ「管理体」であると思います。今後、草津市としても、「管理体」から脱却し「経営体」としていくには、思い切った意識の改革が必要ではないでしょうか。
以下、経営体の観点から質問致します。

〇政策立案できる人材育成について
 特に若い世代からの政策形成能力を育成することに重点を置くことが大事だと思います。政策立案において、最も大事なことは、課題の発見だといわれます。今の組織風土において、課題発見型の組織であるのでしょうか。政策立案のためには、市民、地域のニーズを察知し、くみ取り、解決しようとして考え、政策立案に生かす、そういった意識を持つことが最も重要なのではないかと思っています。 自らが行政課題を積極的に発見し、草津市の実状に応じた解決策を検討できる職員の人材育成について、所見をお伺いします。

 次に、「政策立案できる人材育成」についてのお尋ねでございますが、本市の人材育成基本方針においても重要な位置付けをしており、多様化する市民ニーズに対応するために、若い世代から政策立案に求められる課題発見・解決能力を培い、政策形成能力の向上を職員に求めているところでございます。
 また、本市が取り組む「人材育成評価制度」におきましては、職員一人ひとりが職員力を高めるための「行動評価」、グループとしての遂行能力等を高めるための「チーム評価」、所属長が職員力・組織力の向上を図るマネジメント能力を評価する「職場マネジメント評価」、そして副部長以上の経営層が市総合計画、重要施策などの実現に寄与する組織目標の業績と組織のマネジメントを評価する「経営マネジメント評価」をそれぞれの職と役割に応じて実施しており、その一連の過程において行政課題の発見とその解決に向けた目標設定および進捗管理を行っているところでございまして、これらの業務やマネジメントを通じて人材育成を図っているところでございます。 今後も市民サービスの向上を図っていくためには、職員一人ひとりの意欲と能力を高めるとともに、個々の職員の能力を最大限に発揮できるようにすることで、組織全体の力を高めていく必要があると認識しているところでございます。


〇政策法務の能力向上の体制について
 課題発見につながる話ですが、昨年の草津市未来塾において、西尾勝氏が「分権時代の自治体職員の役割と心構え」と題して講演されました。その中で、条例制定権の拡張という話があり、地方分権の改革の成果が住民に還元されていないことの例として、これまで国のしばりがあったルールを、地域の住民に合ったやり方に変えることができていない、というものでした。過去の通達や通知も技術的助言に変わりましたが、その通達、通知を知っているのは、現場の仕事をしている人だけです。法令に違反はできませんが、国の解釈とは違う解釈もできるのではと投げかけられていました。これまでは、国の下請け機関であり、粛々と通達、通知に従って、法令を勉強しなくても良かった時代でした。今や、法令の解釈は国と対等であり、地域の住民の課題に合った、また課題の解決につながる条例の制定という視点での組織体制が求められると思います。
他市のまちの課題解決のための条例制定の例として、箕面市の「ふれあい安心名簿条例」や「災害時における特別対応に関する条例」があります。個人情報保護法の壁からくる緊急連絡網や名簿づくりを市が責任を持って関わっていこうとの条例と、非常時の「ルールを無視していい」というルールや安否確認の仕組みづくりという内容です。
本市においても、今後、法規担当以外の部での政策法務能力の向上を具体的にどう進めていくのか、お伺いします。

 次に、「政策法務の能力向上の体制」についてのお尋ねでございますが、政策法務能力は、本市の人材育成基本方針においても職員に求められる重要な能力の1つとして位置付けをしており、採用後約10年間は定期的に政策法務能力研修へ職員を派遣しているところでございます。
本市においては、このところ、市独自の条例を制定しており、これらはまさに政策法務の実践を行ったものであり、これまでの研修の成果や条例の制定過程での議論を通じて政策法務能力の向上が図られていると考えております。
現在、人材育成基本方針の見直しを行っておりますが、政策法務能力については、自治体の自己決定と自己責任の必要性や、同時に条例制定権の拡大や法令解釈の重要性が指摘されているなかで、今後ますますその重要性が増すと考えられることから、各職場内で政策法務能力に係る人材育成を図ることはもちろん、研修受講対象者の拡大やより高いレベルの研修の受講などにより、更なる能力の向上を図ってまいります。

 
〇発生主義への新地方公会計のための人材育成の必要性とコスト意識を持った事務事業評価について
 複式簿記・発生主義会計の新公会計制度導入に向けた検討についてお尋ねいたします。
 草津市の財政状況は、県内でも第一位、近畿でも有数の健全財政を維持しています。
 しかしながら、今後草津市は、クリーンセンターの建て替え、草津川跡地利用等々、大型の公共施設の建設ラッシュを控えています。それだけに、今後も今以上に健全な財政運営が求められます。その財政運営をより堅実なものとするツールが、複式簿記・発生主義会計です。施設を作る場合、発生主義によって将来にわたるコストの計算が可能となります。
 単式簿記・現金主義会計では、一会計年度の歳入と歳出を記載し、予算どおりに適切に執行されたかどうかを表現できる一方で、財産や債務の有無や事業ごとのコストが見えないという欠点があります。複式簿記・発生主義会計は、現金主義ではあらわしにくい固定資産などのストック情報や減価償却も含む事業のフルコスト情報をリアルタイムで明示でき、税金が何にどの程度使われているのかなど、市民に対して財政状況の分析をわかりやすく公表でき、コスト感覚の共有も可能とします。
 昨年7月、国は地方自治体に対して固定資産台帳の整備と民間企業並みの複式簿記導入を求める方針を固めました。折しも、今議会には、使用料、手数料の見直しが上程されています。その際に、どのような数字を根拠に市民に説明をするのでしょうか。人件費や必要経費といった直接経費は当然ですが、管理費や施設費等の間接費用は、隠れたコストとも言われ、直接には認識されません。フルコストをもとに、料金の設定の説明をされることで、よりコストへの共有を持ってもらえるのではないでしょうか。今後の人口減少時代にあって、公共施設の適正な規模の判断にも使われます。
このように、複式簿記・発生主義会計の導入が望ましいとは思いますが、国の財務諸表の整備がどんな形を取るのか、検討中でもあり、今後、システムが変わったとしても、決算書を使える人がいないと何もなりません。
そのためには、すぐに着手すべきは、簿記の資格を持つ人材育成です。実際、下関市や北上市においては、1割近くの職員さんが、日商簿記3級の資格を取っているとのことです。人材育成には時間がかかります。具体的には簿記の資格を持つ職員の育成が今後の公会計の方向への第一歩と思いますが、所見を伺います。また、事務事業評価に、より正確なコスト意識を導入すべきだと思いますが、所見を伺います。

 次に、発生主義への新地方公会計のための人材育成の必要性についてのお尋ねでございますが、現在、本市においても、これまでに取得した資産や負債、行政サービスに要した経費等の実態を明らかにするため総務省方式改訂モデルに合わせて財務書類4表を作成し、財務状況を適切に開示しております。
 また、個々の職員が業務に携わる中で必要となる場合、公営企業会計に従事する職員ですと外部機関が行う「公会計担当職員研修」に毎年度参加し必要な知識を身につけておりますし、その他の職員も「複式簿記の基礎研修」等にも参加しております。
 現在、国において新地方公会計制度の推進に向けた検討が行われておりますが、その動向を注視しながら、先進地の取り組みも研究し、職員の育成にも対応してまいりたいと考えております。
コスト意識を持った事務事業評価についてのお尋ねでございますが、第5次草津市総合計画では、計画の進捗管理の一環として、事務事業レベルでの実効性・効率性を踏まえた施策レベルでの評価を「施策評価」として実施しております。
 本年度からスタートいたしました第2期基本計画に位置付けた全ての事業は、原則として予算における事業区分と整合を図っており、事業と予算の連動を強く意識した中で事業推進を行い、施策評価の中で、改善に向けた方向性の検討を毎年度行ってまいります。
 コスト意識の導入によるさらなる市民サービスの向上につながる評価手法につきましては、本市におけるこれまでの取り組みを踏まえ、また先進事例等の研究も行いながら、よりよいものになるよう、引き続き検討を行ってまいります。
 なお、本市が保有する公共施設に関しましては、現在、建物情報や維持管理費、事業運営費といったコスト情報、利用状況等のデータ整理を行っており、市民ニーズに対応した施設の有効利用、また、施設運営における財政運営への影響を踏まえた施設マネジメントに取り組むため、今後の公共施設のあり方、検討への基礎資料として「草津市公共施設白書」を作成しているところであります。


〇インフラ資産(道路)のアセットマネジメントについて
 新年度予算に、市道長寿命化修繕費として、1億5482万円が計上され、内、国庫
支出金として6300万円が計上されています。公共施設の更新時期を迎え、国としても建て替えでなく、修理、保全へのシフトがなされ、これまでは、新設の建設費でしか補助金が出なかったものが、維持管理についても補助の対象となったことは大変心強いものです。
市内の市道総延長が、現在約510kmあるとのことですが、これまでは、維持管理予算は、前年度実績に基づく一定額、あるいはシーリングをかけられて、現状維持で良しとした予算措置であったと思います。
日常、道路に関しての相談は非常に多くあります。
子どもから高齢者まで誰もが使う、一番身近な、日常の生活と密接であり、また、これからの高齢社会を迎えた時に、車いすや杖の使用が多くなると想定されることで、歩きやすい歩道といったバリアフリーの確保もより必要になると思います。今後、たとえ国の補助金がなくても、新規建設も維持管理も含めて、全体として最適な予算配分を自らの判断で行えるような仕組み、いわゆるアセットマネジメントが必要だと思います。その上で、今後の道路の維持管理への適正な予算措置が必要だと思いますが、所見をお伺いします。

 次に、道路のインフラ資産のアセットマネジメントについてのお尋ねでございますが、近年、高度経済成長期に集中的に整備された道路の老朽化対策を進めるべき状況となっており、また、今後発生が予想される巨大地震に備え、東日本大震災における被災状況も教訓としつつ、「命の道」となる道路が災害時にも機能を発揮することができるための対策が求められています。
 このような状況の中、市民生活や経済活動の基盤である道路の適正な管理を図るため、平成25年に道路法の一部改正で、予防保全の観点も踏まえて、道路の維持修繕に加えて、点検を行うべきことが新たに明確化されたものであります。
 本市においては、平成24年度に橋梁長寿命化修繕計画を、平成25年度には舗装修繕計画を、さらに平成26年度では道路附属物修繕計画を策定し、計画的にアセットマネジメントに取り組んでまいりたいと考えております。
 議員ご指摘のとおり、道路の維持管理は大変重要であると認識しており、適正な予算措置および執行を行い、計画的な道路の維持管理に努めてまいります。

〇人を育てることへの投資
 草津市が今後、真に、自己責任のもと、自立する地方政府となるためには、経営体の組織でなければなりません。そのためには、いうまでもなく人が財産となります。まさしく、人財です。飛躍した言い方かもしれませんが、それに投資することは、人財という基金を積んでいることと同じだと思います。ハード整備への基金は目に見えてわかりやすいですが、人の育成はすぐには効果が出ないために、また、人件費という目に見える数字は減らす対象となりがちです。今後、地方が生き残るためには、20年後、30年後のための人材育成にある程度投資をすべきだと思います。視察研修も必要であれば、積極的に活用し、もっと他市を実際に見て、外を知ることも大事だと思います、併せて、人が育つ組織風土への工夫も必要であり、業務改善運動に参加することも一つかもしれません。人材育成への投資についての市長のお考えを伺います。

次に、人を育てることへの投資につきましては、「組織は人なり」と申しますが、議員ご指摘のとおり、草津市が経営体の組織であるためには、その組織を構成する職員の育成が重要であると考えております。
 本市では、職員の大量退職に伴い大幅な新陳代謝が進んでおりますことから、社会環境の急激な変化に対応できる職員の早期育成などが組織的な喫緊の課題となっております。今年度、第二次草津市行政システム改革の取り組みにおいて現在の「人材育成基本方針」の見直しを行っておりますが、今回の見直しのポイントは、「協働を実現するための人材育成」「組織力の向上、働きやすく能力を発揮できる職場環境づくり」「職員力の向上」の3つを考えております。
 職員一人ひとりが自律的・自発的な能力開発に努める組織風土を醸成するため「人事管理」「職場運営」「職員研修」の各分野での取り組みを進めることによりまして、組織の活性化と、それを構成する人材の育成の両面において、惜しむことなく必要な投資を行ってまいりたいと考えております。

 
〇行政情報の提供や情報共有のありかたから市民の主体的な参加推進について
 (市民参加条例が施行されてからの情報提供と市民参加の状況について)
 ある首長が話された中でこれからのまちづくりに関してのフォームの転換について、キーワードを聞きました。それは、「市民に」から「市民が」、「民意に沿う」から「民意を形成する」、「啓発」から「提案」へ、「説明」から「問いかけ」へ、「計画」から「実践」へ、「全てから」から「ひとりから」へ、「秘密」から「公開・開示」へ、と。
これらのキーワードは、今後のまちづくりにおいて、市民が主体的にまちづくりに関わる上で大変重要な視点だと思います。
政策決定への市民参加の手法の主なものとして、パブリックコメントや審議会等での市民公募があります。しかしながら、結果として、まだ少数の参加に終わっていることが多いようです。市民参加が進まない原因を「行政情報の提供」と「情報共有」の観点から考えると、行政情報、特に政策形成過程の情報が市民に提供されてなく、市民から提供される意見や提言などの情報を共有するという意識が無かったのではないでしょうか。いわゆるお任せでない、当事者意識をどう実感してもらうのか、が大事だと思います。
草津市においては、市民参加条例がH24年度に策定されました。その中で、政策立案において、検討段階から市民の意見が反映できるよう政策形成過程における各過程での情報提供の必要性が書かれています。
今議会では「草津市協働のまちづくり条例案」「草津市自転車の安全で安心な利用の促進に関する条例案」が上程されています。これらの条例策定において、パブリックコメント以外の市民参加の手法をどのようにとられたのか、また、情報提供をどのようにされたのかお伺いします。
情報提供は、市民の視点に立った市民にとってわかりやすいものであるべきですし、また、あるべき情報開示は、請求されて提供するのでなく、市政の情報は市民の財産という認識で、あらゆる市政情報の提供が求められるものです。
先ほども申し上げましたが、今議会において、使用料・手数料等の見直しが示されていますが、この改定となった根拠を説明するのには、どのような情報の提供をされるのでしょうか。お伺いします。
また、もう一点さらに市民にわかりやすい情報提供を要望したいものに、指定管理者の評価があります。
民間の力や知恵を借りて公共の施設を管理、運営する指定管理者制度の管理者への評価は、日頃よりのモニタリングが必要です。そのモニタリングによって、適正な管理運営、良好なサービスの提供を行っているかを監視・監督し、次年度以降の業務内容等に反映させるためです。現在も、モニタリングを実施し、その結果の評価シートは公表されていますが、さらなるわかりやすい形での説明を要望したいと思います。例えば、福岡県大野城市では、施設カルテ、施設の管理運営に関する評価シート、施設の管理運営に関するチェック項目、事業報告書といった様々な視点での施設管理の状況が誰が見てもわかりやすい形で公表されています。
また、次期指定管理の公募の是非の理由の説明も示されています。本市においても、指定管理施設の中で非公募とする施設も多くありますが、その理由の根拠となるものの説明や、利用状況等が市民にわかりません。
草津市としても、予算の説明書や会議資料のアップ等、わかりやすい情報提供に努めておられるのですが、今後、さらなる市民参加の手法の一つとの観点から、市民へのわかりやすい情報提供、開示についてどのようにされるのか、そして併せて、指定管理者の管理運営に関する情報の開示についての改善への所見をお伺いします。

次に、使用料・手数料等の見直しの情報提供につきましては、今年度、使用料・手数料等の見直しを、公募市民や学識経験者等で構成する草津市行政システム改革推進委員会に諮り進めてきましたことから、現在、市ホームページの会議・審議会情報に当委員会の審議経過と見直しの基本的方針等の資料を公開しております。
 また、今回改正を予定している使用料・手数料等については、市民に負担をお願いするものでございますことから、市民への周知期間を設け、周知の方法として、広報くさつや、ホームページだけでなく、貸館施設等の窓口で、見直しの考え方、見直しの基準、使用料等の設定の基礎となった計算式など、詳細な改定に係る経過や改定内容についての情報提供を行います。

 次に、草津市協働のまちづくり条例案および草津市自転車の安全で安心な利用の促進に関する条例案の策定過程における市民参加、情報提供の実施についてのお尋ねでございますが、市民参加条例において、市民参加の対象となる政策を実施する際には、課題の発見、立案、実施、評価の各段階において、必要な市民参加の手法を選択することを定め、市民が円滑に市民参加の機会を得ることができるよう、必要な環境整備および情報提供に努めているところでございます。
 このたび提案をさせていただいております草津市協働のまちづくり条例案および草津市自転車の安全で安心な利用の促進に関する条例案の市民参加の手法については、課題の発見、立案段階において専門家、関係者、公募市民等で構成する審議会等において条例の必要性や課題解決に向けた取り組み、記載すべき事項について検討いただいたほか、政策形成過程の情報が市民の方に行き届くよう、市のホームページにおいて審議会等の議論の内容を会議録等により公表するとともに、パブリック・コメントを実施する際には、市のホームページ、広報紙の活用、また、各公共施設に資料を配架し、周知を行ったところでございます。
 さらに、草津市協働のまちづくり条例案におきましては、まちづくり協議会連合会の方との協議も重ねてまいりましたし、自転車の安全で安心な利用の促進に関する条例におきましては、市民の方々が参加される交通安全教室などにおいて情報提供を行うなど幅広く市民参加の手法を取り入れてきたところでございます。
 また、条例制定後には、市の広報やホームページ、パンフレットの配布などによる周知を行うほか、条例に掲げる事項の進捗管理を行うために審議会等を設置するなど、できる限りの情報提供や市民参加の推進に努めてまいりたいと考えております。

 次に、市民参加の手法の一つとの観点から、市民が円滑に市民参加の機会を得ることができるよう、必要な環境整備および情報提供に努めなければならないと規定しており、市民のみなさまが情報を得られるよう、市の広報、ホームページ、Facebook、報道機関への発表など様々な媒体を活用し、情報を提供しているところであり、施策に応じて、ワークショップやタウンミーティングなどの手法も加えながら市民参加を進めてきたところでありますが、今後も市民へのわかりやすい情報提供に心がけ、政策形成過程においても情報共有を進めるなど一層の市民参加の推進に努めてまいります。
 なお、市民参加の手続が十分だったのか、適切に情報を公表できていたのかなど、市民参加の評価については、草津市協働のまちづくり・市民参加推進評価委員会を設置して検証してまいりたいと考えております。

 次に、指定管理者の管理運営に関する情報の開示についてのお尋ねでございますが、現在本市では、平成21年に作成いたしました「評価マニュアル」に基づき「履行の確認」「サービスの質の評価」、「サービスの安定性の評価」という三つの視点で毎年度、受託者側の指定管理者と発注者側である本市の双方から評価を行い、その内容を市のホームページで公開しております。
 また、公募、非公募につきましては、指定管理者選定委員会の審議の中で意見を聴いており、その経過および結果は、議事概要にまとめホームページで公開しております。
 しかしながら評価シートにつきましては、他市の先進的な取組と比較いたしますと具体性やわかりやすさという面では改善すべき点もあると認識いたしておりますので、他市の事例等を参考にしながら見直しを行い、その情報の開示とともに、更なるサービスの向上に努めてまいりたいと考えております。


3.≪子ども・子育て新支援制度について≫
 H26年度は、子ども子育て新支援制度のH27年度の始動に向けて、市町村にとって、大変重要な年でもあります。ニーズ調査に基づき、実際の事業計画を策定しなければなりません。まずは、最優先課題である、待機児童の解消がありますが、ニーズ調査もされた結果、草津市の事業の方向性について、また、ニーズ調査からの草津市独自の事業実施についてお伺いします。
 また幼児教育の質の向上について、どのような手段で担保されようとするのかお伺いします。それで、教育委員会として、就学前教育の関わりをどう持たれるのか、お伺いします。

 次に「ニーズ調査からの待機児童の解消について」のお尋ねでございますが、平成27年度からの「草津市子ども・子育て支援事業計画」の策定のため、昨年ニーズ調査を実施したところ、子どもを持つ母親の就労希望の増加など、共働き家庭で子どもを育てている世帯の増加の傾向が表れており、全国的には少子化が進んでいる中、本市におきましては、子どもの数は増加しており、転入等の人口移動も多いことから、今後とも保育ニーズや放課後児童クラブのニーズもより高まってまいるものと考えております。今後は、本市の人口推計やニーズ調査の結果を踏まえ、多様な保育ニーズや社会の変化に対応できる新しい時代の幼稚園、保育所、認定こども園や放課後児童クラブのあり方や提供体制の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、ニーズ調査からの草津市独自の事業実施についてでございますが、前回調査と比べ、不安や負担を感じる人は減少しているものの、サークルなどの活動に参加されていない方について、同年齢の子どもの親とのつきあいがあまりなく、不安度も高い傾向が表れておりますことから、親子が集い交流できる場所として、地域子育て支援センター、つどいの広場、サークルなど、地域における子育て支援の更なる充実に取り組んでまいりたいと考えております。
 他の草津市独自の取り組みについても、今後、ニーズ調査のクロス分析等を進めるなど、市民ニーズをより把握し、「子ども・子育て支援事業計画」における施策として取り上げてまいりたいと考えているところでございます。

 次に、幼児教育の資の向上についてのお尋ねでございますが、質の高い幼児教育・保育には0歳児から就学前の一貫・連続した教育・保育が重要であると認識しており、それらを意識した人材育成等の取り組みが必要と 考えております。具体的には、乳幼児教育を充実させるため、より専門的な知識・技術を身につけるような理論的研修や、公開保育等により他の幼稚園教諭や保育士の取り組みから実践力を学ぶ研修も実施しているところです。
 今後も、幼児教育の資質向上のための職員の資質等の向上にはどのような取り組みが有効なのかを検討し、研修内容の更なる充実に努めてまいります。
教育委員会として、就学前教育の関わりをどう持つかについてのお尋ねでございますが小1プロブレム等の課題を解消し、子どもの連続的な成長発達を促すためには、就学前の段階、義務教育段階それぞれの教育を担う者が連携していくことが、重要であると認識しております。
 このことから、これまでから保育所、幼稚園と小学校の職員、教員間での、保育や授業の相互参観や合同研究会、あるいは小学校入学前後の連絡会等を行ってまいりました。
 また、子ども同士でも交流活動の機会を設けるようにしてまいりました。
 さらに、教育研究所では、幼児教育を扱った研修講座を計画し、小学校教員とともに幼稚園教員も受講しております。同じく、教育研究所が行う研究奨励事業には、幼稚園の部門も設けており、成果発表では小学校教員等との交流が行われるようにしています。
 今後の幼児教育と保育の一体的な提供に向けても、教育委員会として十分かかわってまいりたいと考えております。


4.≪住宅開発における課題と今後の都市計画について≫
 地の利もあり、滋賀県の湖南地域は住宅の開発は衰えることはありません。草津市は、結果として保育所の待機児童、学童の待機児童、学校の教室が足りない、といった教育のインフラ整備がおいつかない状況です。緑の保全や景観の視点、インフラ整備におけるコストの問題、慢性的な交通渋滞といった負の状況も発生しています。流入人口の多さで活気があるという利点も大きいとは思いますが、最近特に、会う人毎に、どこまで草津市は開発を進めていくのだろうか、と懸念される意見を良く耳にします。
 持続可能な範囲の開発としていくためにも、ビジョンを持ってまちのデザインを描くのは、市長の役目だと思います。住んでよかった、住んでみたいと思うまちづくりは、一朝一夕にはできません。が、デザインはすぐに描けるものと思います。次世代に残したいまちの姿はどんなまちなのでしょうか。草津市もどこかで方向転換をして、右肩上がりのようなまちでなく、質の高い都市をめざしての都市計画を作っていく時期だと思いますが所見をお伺いします。

 次に住宅開発における課題と今後の都市計画についてのお尋ねでございますが、本市では、平成32年を将来目標とした都市計画の基本方針である「草津市都市計画マスタープラン」を策定し、将来想定人口等を考慮しながら、社会情勢に鑑みた定期的な計画の見直しを行っております。
 特に住宅開発については、平成24年に開発の手続き及び基準の条例化を行い、計画的なまちづくりを進めております。
 また、一定規模以上の民間開発については、地区計画、緑地協定や景観計画に基づくまちなみの形成により、住んでよかったと思っていただけるまちづくりを誘導しております。
 本市の特性である都市空間と農用地空間の共存を目指し、さらに質の高いまちづくりを構築できるよう努めてまいります。

  
5.≪一人を救う、という視点の政治について≫
 少子高齢社会、無縁社会、貧困、非正規雇用、といった成熟社会の課題でもある生きにくい人が多く存在する時代にあって、生活困窮者の支援を個人の問題でなく、社会として支えていく、という時代に突入しています。
 具体的には、生活困窮者自立支援法や、認知症対策、地域包括ケアシステムの構築といったことが、市町村が行うべき義務として法律等が整備されました。
 従来の、大多数の利益が優先といった考え方でなく、一人を救済する、といった思想の転換が必要だと思います。野洲市では、一人を救えない制度は誰も救えない、との理念で、パーソナルサポートを先駆けて実施されています。また、民間においても、地道に草の根的に、障がい者や生活困窮者への支援を行い、ノウハウを持っているNPOの組織もあります。草津市として、これらの制度設計をどのようにされるのか、また、そのための人材の育成や民間のノウハウを借りることへの連携、協力体制をどのようにとられるのか、また、市長として、一人を救う政治へのお考えをお伺いします。

 次に、一人を救う、という視点の政治についてのお尋ねでございますが、近年の社会的なつながりの希薄化は、経済的な困窮や高齢による要介護、様々な障害など、生活上のリスクを抱えた個人を支えるセーフティネットの弱体化につながっていると危惧しているところでございます。
 こうした中、市はもちろんのこと、ハローワークや社会福祉協議会といった関係機関、NPOや民生委員・児童委員、市民ボランティアといった地域に存在する様々な支援組織等が連携しながら当事者一人ひとりの事情や想いに寄り添いつつ、包括的な支援を行うことが大変大切であると考えております。
 このため本市におきましても、生活困窮者支援のための新たな仕組みを構築するため、平成27年度からの生活困窮者自立支援法の施行を待たずに、来年度からモデル事業を実施し、民間のノウハウや経験・知識等も最大限に活用しながら、支援体制の構築に取り組んでまいります。
 また、高齢者が身体機能の低下や認知症等を抱えながらも、地域で自分らしい暮らしを続けられるよう、介護・医療・住まい・予防・生活支援といった様々な分野に関わる関係機関等が連携しながら、高齢者を支える地域包括ケアシステムの構築にも、より一層取り組んでまいります。
 このように様々な施策を連携しながら進めていくことによりまして、地域で暮らす全ての人が、様々な困難を抱えながらも「生命と健康と暮らしが守られ安心して暮らせるまち草津」を目指して、取り組んでまいりたいと考えております。

6.≪まちづくり協議会について≫
 まちづくり協議会が全学区に設立し、今後の指定管理に向けて新年度においては学区で事務局に一人から二人へと、一人増の雇用がまちづくり協議会でされます。
短期間で全学区に協議会が設立したことは、評価するものですが、短期間での設立により、弊害もでてきていると思います。丁寧な説明と合意形成の必要を今あらためて感じます。まちづくり協議会と自治連合会との違いは、全住民対象の地域の包括性の担保と諸団体との連携、地域の課題を自ら解決をする、といったことだと思います。まちづくり協議会は、地域の団体、個人の連合体であり、決して、ピラミッド型ではないことは今さら言う必要はないのでしょうが、まだまだお互いの話し合いが現場では必要だと思います。指定管理者への移行も、まちづくり協議会の発展形が指定管理制度であれば良いのですが、現状は、指定管理ありきで、指定管理の移行に合わせた制度や手法が先にくるのは本末転倒であると思います。今、丁寧にやるべきは、まちづくりを担う人材育成や安定運営が先だと思いますが、現状の課題と指定管理への移行について所見を伺います。
また、公金を扱う以上は、例えば、会計処理、民主主義的な意思決定、情報公開、議事録の作成といった基本的にクリアしなければならないことの統一したルール化が必要ではないでしょうか。

 次に、まちづくり協議会についてのお尋ねでございますが、まちづくり協議会は、これからの少子高齢、人口減少時代を見据え持続可能なまちづくりを進めていくための、「自分達の地域は自分達でつくる」という住民主体の組織であり、町内会や各種団体の方々や更には個人が参加、協力しながらまちづくりを進めていただいているところであります。 本市においては、各まちづくり協議会が設立されてから2~3年経過しましたが、以前から活動している町内会や各種団体の会議等に併せて、まちづくり協議会の会議等があることによる役員の皆様の負担感が生じていることや、まちづくり協議会がまだまだ地域に浸透していないということが課題としてございます。
 このことから、各まちづくり協議会におかれましては、規約の改正や組織の変更をしながら、地域における合意形成のなか、これらの課題解決に取り組んでいただくと共に、安定的な運営に取り組まれているところであります。また、地域の人材の掘り起こしや人材育成にも取り組んでおられ、市といたしましても、まちづくり協議会の安定的な運営や人材育成は非常に大切であると認識しておりますことから出来る限り支援してまいりたいと考えております。
 次に、指定管理者制度の導入につきましては、市民センター・公民館を地域のまちづくりの活動拠点として自主的に管理運営いただき、自立した地域のまちづくりに努めていただくためには、指定管理者制度の導入が必要と考えており、草津市まちづくり協議会連合会の皆様と共に協議・検討を重ねているところでございます。
 また、まちづくり協議会へ交付しております交付金につきましては、その使途について、一定のルールを設けておりますが、本議会に提案しております、「草津市協働のまちづくり条例」におきましても、まちづくり協議会の認定要件として透明性の確保、民主的な運営を掲げているところでございます。

7.≪草津市社会福祉協議会の中間支援組織について≫
 「協働のまちづくり条例案」に記載ある中間支援組織については、草津市社会福祉協議会が福祉の中間支援組織として想定されているとのことです。が、現在の形では、市社協が担うという中間支援組織の役割が具体的にイメージできません。求められている中間支援組織の具体的な姿、役割についてお示し下さい。そして、その役割を果たすためには、現状の体制でその機能が果たせるのか、それとも現状と違う体制なのでしょうか。また、具体的にはまちづくり協議会との連携なのか、学区地区の社協との連携なのか、どのような支援の形であるのか、お伺いします。

 次に、草津市社会福祉協議会の中間支援組織としての役割や体制についてのお尋ねでございますが、「草津市協働のまちづくり条例案」におきまして、中間支援組織は、市民と市との協働によるまちづくりを円滑に進めるため、市民と市の間に立って支援を行う組織として位置付けております。
 草津市社会福祉協議会におきましては今日まで、地域福祉を推進する民間の団体として、住民が組織する各学区・地区・区社会福祉協議会とともに福祉のまちづくりを進めていただいており、また、ボランティアセンターを設置・運営するなど、市民活動との協働・支援にも取り組んでいただいております。
 今後におきましても市が進めてまいります福祉のまちづくりの分野において、これまで培ってきたノウハウやネットワークを活かし地域における課題の解決にむけた仕組みづくりの支援や人材育成、また、もう一つの中間支援組織として想定しております、市コミュニティ事業団との連携などにより、市と市民との協働のまちづくりが、より円滑に進めていけるものと考えております。
 こうしたことを踏まえまして、市社会福祉協議会では、今年度からコミュニティ事業団との人事交流や連携強化に向けた検討を始めるとともに地域福祉活動の支援を強化するため、社会福祉士の資格を持った職員の採用を行っており、体制強化に努めているところでございます。
 また、地域に対する支援のあり方につきましては、各地域により組織の位置づけが異なりますが、基本的には、まちづくり協議会における地域福祉活動分野の中核を担う組織が学区・地区・区の社会福祉協議会であると考えており、市社会福祉協議会はサポート体制の充実を図ることにより、地域福祉活動を推進していけるものと考えております。


8.≪障害者差別解消法の成立に伴っての今後の市の取り組みについて≫
 昨年6月に閉会した第183回通常国会で、障害者に関する2つの法案が可決されました。一つは、「障害者雇用促進法」の改正案。もう一つは、新法である「障害者差別解消法」です。この法律では、行政機関による障害者に対する『差別的取り扱い』を禁止し、また『社会的障壁の除去』を実施するための合理的配慮を要求しています。
 障害者差別解消法は、国連の障害者権利条約の国内での根拠となる強力な法律です。
この法律で画期的なのは、合理的な配慮をしないことも差別であるということ、もう一つには発達障害が明記されていることです。
障害がある人の前に立ちはだかる『社会的障壁』について、それを除去するための合理的な配慮をしないことも『差別』であると明記し、言い換えれば、少しの負担で取り除ける社会的障壁を『放置』することも、差別だということです。
公立の学校も法律に明記されている行政機関等となります。施行は3年後の2016年4月に予定されていますが、草津市として、この法律の成立を受け、福祉、雇用、教育その他関係部局間の連携等、今後どのように取り組まれていかれるのか、所見をお伺いします。

 次に障害者差別解消法の成立に伴っての今後の対応についてのお尋ねでございますが、法の趣旨に基づき、全ての市民が、障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現に向けて、取り組んでいくことは、大変重要であると認識しております。
 そのため、実施すべき措置については、今後、国が具体的事例等を示すとされておりますが、その範囲は、建物や交通のバリアフリー化をはじめ、医療や教育、雇用など、日常生活、社会生活における幅広い分野にわたるものでございます。
 市といたしましては、国の動向を注視しつつ、平成28年4月の法施行を見据え、庁内の幅広い関係課や関係機関等が連携しながら差別解消に必要な施策の策定、実施に取り組んでまいりたいと考えております。
 差別を解消するためには、何より障害者理解が重要であります。法に基づく施策に取り組んでいくことはもちろんのこと、啓発活動もより一層充実させ、「障害のある人もない人も誰もがいきいきと輝けるまち」を目指して取り組んでまいります。

 9.≪教育について≫
  〇発達障がい児支援で、将来の就労を意識した取り組みについて
 発達障がいを持つ子どもが学校を卒業した後、一番苦労するのが就労だと言われています。そこで、小学生以上の障害がある子どもたちが、地元の会社や商店で働く「ぷれジョブ」という活動を紹介します。具体的には、障害がある小学校高学年から高校生くらいまでの子が週1回、1時間程度、地域の会社や店舗で仕事を体験できるよう支援する活動です。仕事体験は6か月程度で、ボランティアのジョブサポーターが付き添い、事業者も無償で協力する仕組みです。
 全国ぷれジョブ連絡協議会の西幸代・代表世話人は、「障害のある子に大切なのは、地域社会で生きていく力を育むこと。職場体験は自信につながり、地域の人も障害者の状況を理解する。共に支え合う社会になっていければ」と語っています。先の障害者差別解消法の理念もあり、発達障がい児の就労を意識したぷれジョブの取り組みについて、所見を伺います。

次に発達障害児支援で、将来の就職を意識した取り組みについてのお尋ねでございますが、本市では発達障害児への支援については、まず、早期発見、早期支援のため施策の充実を図っており、就労支援については、就労関係機関とのネットワークづくりを中心として、相談・支援を行っております。
 また、保育所、幼稚園、小中学校では、特別支援教育の中で、学習はもちろん、基本的な生活習慣や、家庭でのお手伝い、地域の方との触れ合い、職場見学等などさまざまな体験活動等をとおして、子どもの年齢や状況に応じた自立できる力を育む取り組みを展開しております。
 今回御紹介のあった「ぷれジョブ」の取り組みにより、「職業体験を通じて地域の方と互いに理解を深め、共に生きていく社会」を作っていくことは、非常に大切なことでございます。このような取り組みを進めるためには、地域企業、地域住民、保護者、学校との連携が必要となることから、「ぷれジョブ」のような取り組みについて、調査、研究してまいります。

 〇学校教育におけるESDについて
 先月2月10日、草津市の笠縫東小学校と渋川小学校に、環境省の副大臣と政務官の視察がありました。ESDのモデル校への視察で、いずれも子どもたちが素晴らしい発表をし、副大臣、政務官ともに、大変感動されていました。モデル校として渋川小学校で取り組んでいるESDの実践については体系立てられた総合的な環境学習です。
ESDとは持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)の頭文字を取ったものです。
ユネスコの定義では、「私たちとその子孫たちが、この地球で生きていくことを困難にするような問題について考え、立ち向かい、解決するための学びです。ESDは持続可能な社会の担い手を育む教育」とあります。ESDは、2002年の国連総会において、「国連持続可能な発展のための教育(ESD)の10年」とすることが決議され、本年が最終年となりますが、環境、経済、社会の各側面からの総合的な学習であり、生きる力や、人格形成、社会性、多様な共生社会への視点等、子どもの発達や、持続可能な社会の構築への人材育成ができるカリキュラムだと思います。草津市において、このESDの理念、視点を持った教育を全ての学校に導入することについての所見を伺います。


 次に、学校教育におけるESDについてのお尋ねでございますが、現行の学習指導要領では、持続可能な社会の実現を目指して主体的に社会に参画する資質や能力の育成を図る学習活動が、既に全ての学校において進められております。さらに、各校においては、地域の特色を生かした教材を開発したり、地域人材とのつながりを構築したりするなどの取組を検討・推進しております。
 特に、県教育委員会のしが環境教育リーディング事業の指定校では、ESDの理念に基づいて、学区の特徴を生かし、地元の大学・企業・町内会等と連携した学習プログラムが実践され、市のスペシャル授業では、自分たちのふるさとである学区について詳しく調べその成果を子どもたちがパネルディスカッションで交流し、講師として招聘した文部科学省課長補佐・学校教育官から高い評価を受けた学校もある等、今後に期待できるものは大きいと考えております。
 教育委員会といたしましては、市内の各校がこれらの先進的な実践に学ぶ機会を設けるとともに、それぞれの学校においても、地域や子どもの実態に即しながらESDの理念を生かした教育がより一層推進されるよう指導および支援してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますよう、お願い申しあげます。

 
  〇いじめ防止対策推進法の対応について
 先の通常国会において、「いじめ防止対策推進法」が成立しました。
この法律では、いじめは単なる人間関係のトラブルでなく、決して許されない反社会的行為であると位置づけた点に最大の意義があります。いじめを防ぎ、解決する責任は、教育現場のみにとどまらず、行政や地域、家庭の大人全体で共有すべきだという強いメッセージです。地方自治体に対しては、地域いじめ防止基本方針の策定に努めるようにとなっていて、学校に対しては、その学校の実情に応じた同様の基本的な方針の策定を求めています。さらに、学校の設置者及びその設置する学校が講ずべきいじめの防止等に関する措置や重大ないじめについては、市町村らへの報告を学校に義務づけたのも大きな特徴です。また、インターネットを使ったいじめへの対策が盛り込まれました。
 これらへの教育委員会の認識と対応について伺います。


 次に、いじめ防止対策推進法が制定されたことについてのお尋ねでございますが、教育委員会といたしましては、この法律が学校においては教員はもちろんのこと、保護者や児童生徒のいじめ問題に対する意識を大きく変え、いじめ問題を地方公共団体あるいは社会全体が責任を負うべき社会的な問題であるとした点で大きな意義があると認識しております。
 学校では、既に、いじめ問題を含む学校生活の中で生じる諸問題に対処するために学校問題対策委員会を設置しております。今年度中に、学校ごとの「いじめ防止基本方針」を定めることにしております。
 今後、市の「いじめ防止基本方針」を策定しますが、その過程で関係部局とも連携し、必要な組織・機関の設置を検討するとともにそれらの効果的な運用についても検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますよう、お願い申しあげます。


〇教育委員会制度の改革について
  教育委員会制度の改革が現在議論されていますが、現行の教育委員長と教育長を統合した「新教育長」のポストを設けることなどで一応の合意をみ、政治的中立性を保つために、教育行政に最終的な権限を持つ「執行機関」の役割を教育委員会に残すことでも一致したところです。しかしながら、首長の権限の強化で意見が分かれています。
国の議論はさておいて、草津市として、これまでの市長と教育委員会の連携、あり方から、教育委員会と首長の関係について、どのようにあることが望ましいと思われるか、或いは思ってこられたのか、そして、教育行政における市長が取る責任とはどのようなものか、ご所見を伺います。  


 次に、教育委員会制度の改革についてのお尋ねでございますが、教育行政は中立性や安定性、また継続性の確保を重視した中で、現在の教育委員会制度があります。これは、戦前の教育行政への反省も含め、一般行政から分けることで、政治的な影響力が直接には及ばず、また直接民意を反映できるような地方教育行政の仕組みをつくろうとする思いが込められているものと受け止めております。
 本市の教育行政は、教育委員会が中心ではありますが、オール草津で教育の向上に取り組んでおり、市長と教育委員会の関係において、現行制度に不具合を感じたことはございません。また、予算の編成やその執行、市行政の総合調整を通じて、市長としての責任を全うし、同時に、市長としての私の思いも教育行政に十分に反映されております。
 いずれにいたしましても、市長と教育委員会が十分な連携を取ることで、効果的な教育行政を行うことは可能ではないかと考えております。

 

 

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