変わっていく議会となるために

 市議会議員の西垣和美です。
 3月の議会も昨日に終わりました。新年度予算も無事に通りました。
この「無事に」ということですが、従来は議案というものは、通って当たり前、という概念だったと思います。しかしながら、わたしたち、議員の役割の大きなものに『議決権』があり、それは執行部にとっては、ある意味恐いものです。よく「通さないぞ」的な発言で首長を瞬間でも、「びびらせる」ことで議員の存在意義を知らしめる、という議員像が浮かびますが、実際は、「通さない」場面というのは、数少なくほとんどないものです。これには、二つ理由があると思います。
 一つには、通さない理由がない、こと。
 二つには、多数決で勝てない、ということ。
 一つ目は、当然大前提ですし、な~んだ、と思われたかと思いますが、これには、少し説明があり、それは、反対する理由がない、という結論に至る丁寧な審議(説明と質問と議論)があっての結果なのか、或いは、ほとんど議論もなく説明ですんなりと納得した結果なのかという反対する理由がない、という結果に至った経緯において大きな違いがあると思います。付け加えるならば、審議は市民がわかる公開の場において、ということは当然です。
 また、一つ目と二つ目は、当然相関関係があるものですが、一つ目がクリア出来たとしても、案外、二つ目がネックとなることが多いと思われます。
 最近では、それでも、予算や決算の認定を通さない、という議会も増えてきています。
 予算に関しては、特に新年度の当初予算は市民生活への影響が大きいので、滅多とないみたいですが、修正は思っている以上にあるようです。
 予算の否決といえば、福岡県田川市で、当初予算が否決されました。
 
 理由は総務部の職員の残業時間を改ざんした資料を提出していたことや、石炭博物館の建設のプロセスに疑義があることが理由で、10対8で、否決となったとこのことです。
 改ざんについては、公文書偽造の罪にも値し、市長の責任問題が追及されるようですが、これも、一票の差で、ぎりぎりの結果です。当初予算なので、影響の大きさから判断が分かれたと思いますが、議会として、やはり執行部に対して、ノーと突きつけなければいけない時には、議会も、取るべき態度への覚悟が問われるものですし、その権利を議員は持っています。
 ただしながら、首長と議会が対立構図にある場合は、内容よりも嫌がらせ的に、否決、という議会も中にはあるみたいです。これも特異なケースです。
 予算全体は、OKでも、この事業に関しては、賛成できない、という時は、予算の修正、という手法があります。これは、最近少しずつ耳にします。お隣の大津市も、今回も、国民健康保険の予算で、議会が提案した修正案で可決されています。
 執行部側にすれば、人と時間をかけて、ベスト案で予算編成をしているので、すんなり通してほしいと思うのは当然だと思います。
 しかし、このことは、議会の機能でも大事なことだと思います。というのは、修正案でも、その議会案を通すためには、議員間の討議の上での同意が必要だからです。きちんと、議員それぞれが政策の議論ができる土壌がなければ、出来ないことです。時には、首長憎し、という目的で同意するということもあるかもしれませんが、それは、本来の議会の正しい機能ではないと思います。
 執行部側は、行政のプロですが、首長は独任制で、職員が納得していないことがあったとしても、首長が決定したことには、逆らえません。ですから、時には判断が間違っている、というか、市民にとっては、違う手法のほうがより良い場合があると思います。それが、二元代表制の役割です。
 市長の顔がつぶれる、とかそういう問題ではないのです。どちらも、最適な税金の使われ方、施策の選択を常に考えて、取るべき判断をしていかなければなりません。それが、議会の多様な意見の中から、また、市民との対話の中から、施行部案よりも良いと判断される時は、修正や、時には否決も必要でしょう。それが、地方分権以降、議会の改革という議論の中から問われています。
 新年度予算において、私自身、どうしても納得のいかないことが一つありましたが、執行部側も努力するとの回答もあり、今回は修正というところまでは至りませんでした。
 草津市議会も、まだ改革のスタート地点です。地方自治体が、知恵を絞る時代にあって、議会が市民に目に見える形で、信頼をもってもらえるよう、変わっていく議会、を目指して頑張りたいと思っています。
 
 
 
 
 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.kusatsu-kokorohot.com/MTOS/mt-tb.cgi/939

コメントする

  • プロフィール
    草津市市会議員
    西垣和美のBlogへようこそ

月別記事一覧

管理画面