市民の自治

 草津市議会議員の西垣和美です。
 早いもので、あと一か月で、一年の半分が終わろうとしています。
 一日一日悔いのない日を過ごそうと思っていても、反省する暇もなく、時間があっという間に過ぎ去っていきます。もう少し余裕持って効率的に~というのが、私の今の課題です。

 さて、最近、本やブログ等で、市民自治のことを書いたものを読み、今策定中の議会基本条例と絡めて、共感すること多くありました。
 市民自治、という言葉は勉強すればするほど奥の深い言葉です。
 
 草津市においては、協働のまちづくりを目指して小学校区ごとに「まちづくり協議会」を設置しています。この地縁組織を元とした地域の協議会は、今後ますます行政としては、重要な位置付がされるかと思います。まちづくり協議会の理念として、『自分たちのまちは自分達で~』地域の課題に応じたまちづくり、支え合い、見守っていく地域、といった地域の理想の姿になるための手法としてのまちづくり協議会です。
 実際にスタートして、地域ごとに様々に新たな視点での地域づくりに着手した効果もあれば、逆に問題が発生したこともあったり、何より、まだ地域住民の認知度が少ない、ということがあると思います。そこで、改めて私自身、そもそも『市民の自治』ってどういうことだろう、とここずっと疑問に思っていました。
 
 元我孫子市長の福島浩彦氏著の「市民自治」の本のカバーの帯に、「"お任せ"から"自分たちで決める"自治へ」とあり、カバーには「みんなの意思で行政を動かし自らの手で地域をつくる」とあります。
 この、「みんなの意思で行政を動かし」という言葉に注目です。
 また、本の中に、「行政が出来ないことを市民がやるのでなく、市民が出来ないことを行政にやらせるのです」ともあります。行政は、納税者であり主権者である市民の意思に基づいて仕事をしなければなりません。
 
 これまで、税金によってほとんどの行政サービスを担ってきた行政、そして市民もまた、期待、要望もしてきたのですが、これは、国の統治、というこれまでの考えから脱却をしなければならないようです。国から都道府県におろし、都道府県から市町村におろし、そして市民におろす、という考え方とはベクトルを逆にする必要がある、と言われています。
 
 国家統治vs市民自治、一見同じ構造のように感じることがありますが、根本的に違います。
 日本は、いまだに中央集権の体質が抜け切れていないと思います。たとえば、制度に人が合わせていかなければならない、前例主義、といったお上の視点からの市民への対応があります。また、市民も首長や議員を選んだ後は、お任せ、といった意識も少なからずあるのではないでしょうか。信託をした市民は、自分たちの意思を反映する権限を持っているのですが、なぜか、日本は投票した翌日から、立場が陳情というお願いになってしまう、という指摘もありました。行政や議会に権限を与えているのは主権者である市民、ということです。でも、物言う市民は、まるでクレーマーの如く思ってしまうということもあるのではないでしょうか。この主権者のことは、公民の教科書に載っている当たり前のことなのですが、議員となって、議会に入ると、この視点から考えると違和感を覚えることが多くあります。
 
 市民の自治が確立されると、議会の役割はより明確になると思います。代表制民主主義の下、信託を受けた議員がぞれぞれの市民の意見をくみ取り、議会で議員同士の議論を十分して行政の政策への意思決定を行う、ということです。そのためにも、今後議会は、市民の声をより広く集め、主権者の意見がより反映されるように、また、議論をするプロセスにこそ民主主義があることを認識していきたいと思います。
 市民の自治に関しては、書ききれず、ほんのさわりだけの表現になりましたが、これからもしっかりと勉強していきたいと思います。

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